大雪の日はこたつ 大西巨人「神聖喜..
[団塊の段階的生活]

転んでもただ暮す。

2014/2/26(水) 午後 4:17
2月26日(水)
積雪の京奈和道S字カーブで転倒、右足首の靭帯損傷自宅安静2週間全治一カ月(藤井整形外科)。
今週からやっとそろりと外出できるようになり、近所のオークワで買い物をした。
レジ袋を手に帰宅しながら、にやり、と笑えてしまう。
 
怪我で自室に安静を余儀なくされても私は一向に困らんよ。
あのままアチラ側に行ってたとしても、やっぱり別に困らんよなぁ。
なんと気楽なご身分だ。
 
先週はまったく完全自宅軟禁状態。
私は「しめた!」と思っちゃったのだ。
これで外に出なくて済む。
自閉大好き症の私はこの魂の平安状態が本当にうれしい。
 
ただ、合唱団とスポーツクラブに行くだけの外界接触なのだが、それだけでストレス抱えてしまっていたりする。
しかし、人間としての肉体と社会的人格というカタチを維持する為にはしかたがない。
そのような社会圧という負荷がなければ私は一瞬にしてアメーバのような不定形の本性に戻っていってしまうのだ。
 
ただ暮す(1)
2週間あれば、懸案の私の個人サイトの模様替えをやってしまえる。
ここ20年に書き散らした文章もそのまま放置すれば毎日出るただのクソ。
データとして整理し、インデクスを付ければ立派な個人資料になる。
内容なぞどうでもいいことなんだが、このデータ整理という作業自体がおシゴト的楽しみと達成感を味あわせてくれるのである。
 
スクリプト言語やビジュアルベーシックを使用したデータ管理、これが私がサラリーマン時代にもっとも熱中した作業だった。
その「仕事」では給料のために働いていたという意識はまったくなかった。
自分が楽しむ作業のために会社が器材と給料を支給してくれていたのだ。
会社はプログラミング技術を学ばせてくれる学校に他ならなかった。
私は会社での日常作業を自分で自分のために着々とそのように換骨奪胎していった。どうもありがとうさん、でございます。
 
2週間の成果はもうじき出るので、その時はまた見てやってください(^^;
 
 
ただ暮す(2)
自宅軟禁中は一切の食料を外で調達しないと決めた。
実際にやってみると一週間どころか二週間でも優に食べていけるだけの食料がそこら中に堆積していた。
冷蔵庫内だけでも一週間ではすべて空にはならなかった。
さすがに生鮮食料品は枯渇したのだが、なぁに2週間くらい野菜食べなくとも死にやしませんが。
ついでに、といろいろ買ってしまうレトルトパックや缶詰、乾物の類。
賞味期限のとっくに切れているパスタや3年前のお中元のそうめんとか。
 
たしか、一昨年の夏に「大洪水発作」があって、そのとき一切の食料、調味料を深淵に捨てたハズだが、またいつの間にか気が付けば不要不急の食料が家のあちこちに溜まっている。
中には全く意味のわからん「ダイエットスープ」ワンボックスとか、まったくなんの表示もないレトルトパックとかも。
そいつらを賞味期限の切れている順に試食し、人体実験をやるのである。
現に、先ほどは賞味期限が切れてから開封し、そのまま4年経っているバンホーテンのココアを飲んだ。未開封の同じココアがまだ一缶残っているのだがね。
 
まあ、2週間そんなキワものばかり食していたわけではなく、ウチのおヨメちゃんが時々有給休暇を取り、昼間から買い出し・調理してくれもするので。
 
病気・ケガするとおヨメちゃんが妙にやさしくしてくれるので、うれしいな(^^;
週末には250cc豆バイクに私を乗っけて、佐保川のカモ見にも連れて行ってくれたり。コワかったが(^^;
前回、肋骨をイワしたときもヨメのバイクに乗せてもらって、コワかった。
それ以来5年ぶりかな。
 
 
ただ暮す(3)
いつも午前中はピアノの練習をしているのだが、最近は指を痛めているのであまり長時間に及ぶことはなく、暗譜レパートリを軽く確認するだけ。
しかし今回、晴れて自宅軟禁である。
誰はばかることなく一日中たっぷり練習できるのだ。
 
と、言っても指の不如意もあるが、右足が使えないのでダンパーペダルを踏めない。
しかし、ペダルなしでゆっくり指を確認しながら長時間・・ということは大曲の譜読みだな・・。
ショパンのソナタNr.3の第三楽章の譜読みについに入ったのである。
実をいうと、譜読み速度でゆっくり通奏してみればこの楽章にはあまり困難な音型はない。第一楽章と比べれば無難に書かれたロンド形式だった。
 
しかし、ペダルを踏まないのは普段はなかなか難しく、気が付けばペダルに足がかかって踏んでしまっている。
今回、まったくペダルを使えないのだが、それでも別に通奏するに支障ないくらいの腕になっているのがうれしいじゃないか。
ペダルを使わないでもレガートでコードを掴めるということだ。
 
20年前に暗譜した「英雄ポロネーズ」を全くノン・ペダルでやってみた。
以前はペダルでごまかさねばどうしょうもない部分があった。
例えば主題の切れ目の膨大なアルペジョのおかず旋律だとか。
中間部、線路は続くよドコマデモ、の伴奏後半とか。
 
しかし、今久しぶりでやってみると結構ノンペダルでも繋がって聞こえてくれる。
テーマの部分もペダルで響かせハデにやるものだと思っていたのだが、ノンペダルでやるとすっきり・くっきり各音が浮き出し、なかなか面白い。
 
いやぁ、結局すっかりノンペダル奏法にハマってしまって20年ぶりに毎日「英雄漬け」(^^;
 
もっとも、最近の練習開始曲ラフマニノフの前奏曲嬰ハ短調はさすがにノンペダルではどうしょうもなかった・・・。
 
・・・
ケガを肴に大阪のハハオヤからは「もう雪でバイクに乗ったらあかんでぇ、気ィつけなあかんがな」とか電話があったりする。
しかし、私はもともとリスクを承知で雪バイクを決行したのだ。
 
痛いのはイヤだけど、それ以外は怪我しても別に失うものなんてない。
それどころか転んでもタダ起きない気でいれば、ただの暮らしがまた別の角度からメンテナンスできてしまうのだ。
ハハオヤには「ハイ、もうコリましたよ。気ィつけます。」と返事をしておく。
こんな怪我や病気、あるいは死ぬことの楽しみなんてあの人には絶対わからんだろう。
 
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