カトマンズで死ぬ カトマンズで死ぬ..
[団塊の段階的生活]

カトマンズで死ぬということ(3)

2015/3/31(火)1:6
(3) カトマンズをはるかに超えて飛ぶ  (2015年3月5日)


(関西国際空港 3/5 22時)

前回の渡航時には加入しているキティピンクカードの付帯サービス、空港への手荷物宅配・集荷サービスを利用し、殆ど手ぶらで関空に往復できた。
今回、集荷締切を確認しようとキティピンクカードのHPを確認すると、この間に宅配サービスがグレードダウン、宅配個数が減ったり一部有料になったりしていた。
まあいい、今回はバックパック主体で大型スーツケースは使わない。

ついでにカード付帯の旅行保険の子細を確認する。
自動的に海外旅行保険が適用されるのではなく、海外旅行途上での公共交通機関への支払いをカードで支払うことが保険発効の条件である。

これは以前もそうだった。
しかし公共交通機関をカードで支払うのは国内・現地を問わずそんなにたやすくはない。
飛行機の切符をカードで買えばいいのだが、格安航空券や格安旅行エージェント経由で各種割引やクーポン等を利用するとクレジット・カードでの支払いができないケースが多い。
現地でもちょっとした乗り物の切符を買うのにカード支払は難しい。
結局、前回は無保険で過ごすことになった。
まあ、今まででも海外旅行保険のお世話になるようなことはなかったので、あまり気にはしていなかったのだった。

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しかし、まてよ?
キティ・ピンクカードの付帯海外旅行保険では旅行中死亡すれば一億円?

死ねば一億円だぜ?
じゃあ、今もらっとかないと。
なんせ「今回で最後」だからな。

「カトマンズで死ぬこと」は一億円私が稼ぐということだ!

ここにして急に私が死ぬ意味が見えた。
このままぐちゃぐちゃと生きてもわずかな年金が(私には十分だけど)入るだけだ。
しかし、カトマンズで死ねばわたくしの生涯賃金をはるかに上回る金が一瞬にして稼げるのだ。
こんなウマい話はない。
と、何だか一人で盛り上がる。

本当のことを言えば私は金は別に欲しくないんだが、さらに言えば私の稼いだ一億円は私には入らないのだが、ただ私のくだらないカスみたいな生が「一億円で売れる」ことに気が付き、そのことで有頂天になる。

自分が死ぬことにきっぱり、はっきり明確な意味が付与され、これで私は「死に場所を得た」という気になり、なんだか自分の一生がそれほどムダではなかったという安堵感まで得てしまったのである。

かくて私は決然と「カトマンズで死ぬということ」を決めた。
なんとなくだが、口に出すと案外とこのフレーズの語感もいい。

カトマンズで死ぬということ。」
そうと決まれば、アドレナリンもドコドコと噴出しはじめ、おもわず鼻歌も出る。
とうとう私には自分が生きてきたことの意味がわかってしまったのだ。

カトマンズで死ぬということ」だったのだ。
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これを冗談ととるか本気ととるか、どちらでもいいし、どうでもいいことだ。
すぐ背後から迫って来る鬱に飲み込まれてしまわないためには、そのくらいの大げさなシカケが必要だったということだ。

キティ・ピンクカード海外旅行保険の発効条件、「海外旅行のための公共交通機関の料金をカードで支払うこと」の方法を本気で調べてみた。

前回のように奈良駅前から関空シャトルバスに乗れば非常に楽だけど、乗り場ではカードでチケットは買えない。(尚、関空のシャトルバス発券窓口はカード決済可)
南海なんば駅から「関空特急ラピート」」なら駅でカードが使えるらしい。
一番確実なのは天王寺発のJR関空特急「はるか」の特急券をネットで予約し、そのままカードで決済することだった。

関空往き前日にネットで「はるか」自由席特急券をネットで購入、カードで決済をすませ、念のためその足で最寄りのJR駅に切符を引き取りに行く。
駅には「緑の切符発券機」というヤツがあって、指示通り予約番号を入力し、決済に使ったカードを読み込ませると「はるか」の特急券が出てきた。
意外と簡単。これなら当日駅で直接受け取ってもそんなに時間はかからなかったかと。

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3月5日夜、天王寺駅で大阪のハハオヤ実家でやってきたヨメと合流、JR特急「はるか」で関空に向かう。

いよいよカトマンズに飛ぶわけである。
私はひょっとしたら「はるか」でもっと遠くに飛んでいくわけだ。

いよいよだね。
実際に関空特急に乗りこめば、もう後は一直線。
すでに頭の中ではジェット旅客機の客室の鳴動まで響き始めている。
いよいよですよ。
ワクワクだね。

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