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[静かな生活] |
優先座席争奪戦参戦 |
2020/10/8(木)11:15 |
都市交通車両の「優先座席」が定着した。 現役時代には通勤時には常に立っていたのだが、私古希を越しちゃったんで、優先座席を少しはアテにしている。 しかし「優先座席」の偽善性にはいつも閉口する。 優先、Priorityとは順位の概念で「交通弱者が一番に座れる」というくらいの定義だろうか? つまりは一番がいなければ優先順位最下位の者も座れるということになる。 しかし、私の観察では一旦座った若者が、ジジイが乗ってくるのを見て優先座席を譲る光景は見たことはない。 私がちょいとだけアテにしているのは始発車両等、まだ座席に余裕のある時優先座席が最後の空席で残っている可能性だけ。 満席時に私が優先され、座席を代わっていただいた経験は一切ない。 本来ならそういう時こそ優先して欲しいんだがね。 「優先座席」が各車両にあるので、今度は普通席を確保した人は安心して座席を保持できる気にもなってしまう。 「ジジイ、座りたけりゃ優先座席に行きな、ここは非優先座席だぜ」ということだ。 優先座席でなくとも明らかな交通弱者が来れば席を譲るのが公共交通での良識だろう? まあ、そういう良識が通用しなくなったので「優先座席」をわざわざ設けたんだろうが。 ![]() 台湾では「博愛座」という名になっている。 英語で Priority Seat となっているのは日本とおなじ。 しかし、「博愛座」というと「優先」ではなく、「専用」という意味が強くなる。 で、台湾では「博愛席」に元気な若者が座っているなんてことはない。 そうでなくとも私の見る限り年寄り、その他に席を譲るという良識は台湾では未だ生きていた。 ・・・ま、そういう良識圧力も鬱陶しいかも?とちら思ったりはするのだが。 ------ 先日、旅行の帰りに京都から奈良まで近鉄急行車両の優先座席に始発から座らせていただいた。 発車間際にすべての空席が埋まり、満席状態になった。 次の停車駅から乗る人は立つ以外にない状態。 数駅目で通勤帰りの人波の中に少々くたびれた感じのする老人が乗ってき、なんと私の前に立ち、つり革にぶら下がった。 この老人はつり革にいかにもツカレタ風にぶら下がり、私に触れそうになる。 これは「席代わってくれ」との意思表示に見えた。 私はそのメッセージを受け、席を代わろうと思ったのだが、私のところにそう来るとは思っていなかったので立つタイミングが少々遅れてしまった。 乗り込んで来た時に自然に立てば相手に恩を売る状態にはならないのだが、車内の動きが収まってからだとかなり目立つ。 「どうぞ」とか言わず、無表情に立ち上がって少し離れた場所にさりげなく移動すれば相手も心理的負担を感じずに済む。 私は立ち上がりかけたが、ここで考えてしまった。 私はキャップをかぶり、マスクをし、少々ハデめの旅行用着だった。 ![]() この老人、上からキャップのみを見、私をちゃらちゃら系若者と誤認したのではないか? しかし実際は優先座席の他のカッターシャツ姿の同輩も、当の少々疲れ気味のおジさんも含め、多分私が最年長。 私は満員電車で別に立っていてもかまわないので純然たる交通弱者とはいいがたいのだが。 せっかく席を譲ってもらったが、譲った相手をよく見れば自分よりトシ上のジジイだとしたら・・・ ・・・ここに少々微妙な心理的駆け引き社会算が。 とっくに引退し、完全遊び人の私はシワ隠しのバンダナやキャップを愛用し、車内マスクをしていると外見上は若者と変わるところはない。 ![]() 私自身は年齢的には充分交通弱者の資格があると考えられるのだが、本当の弱者は年齢では決定できないのだ。 若者だってその日の労働で身体を酷使し、立っているのがつらい者もいるだろう。 いや、私も現役時代は疲れてボロボロになって満員の通勤電車で帰っていたもんだ。 解るよ、そのつらさ。 一日の労働終えた若者と一遊びしてきた老人と、誰が一体「より交通弱者」だと決めるんだか? まあ、年齢じゃなく自分が「立ってもよい」と思えたら席を譲ればいいのかも。 しかし、自分より年長者に席を譲られた方は、やはり見かけの弱者度からしか判断できないワケで・・・ と、少々自問しているうち次の停車駅になり、優先座席連の中年女性が降り、この方はその後釜で無事座れたようだ。 「交通弱者」なんて簡単に言うが、とどのつまり自己申告じゃないか。 「優先座席」を設けたから「交通弱者」に配慮していると? それ偽善やない? 細かいところはボランティアの「自粛警察」がやってくれるとか? 「優先座席」に率先して座り、スマホから顔を上げようとしないソイツ等がそのスマホ上では多分「自粛警察」やってるんだろ、とか私なんぞはつい思ってしまう。 「優先座席」の偽善性 (1)あくまで自己申告である。 (2)自己申告なのに他人が良識圧力を行使する。(乗客同士の主観闘争誘因) (3)普通座席は「非優先座席」と暗に公認。 他にもいろいろある。 その最たるものが「女性専用車」なるもので、私はこのような偽善を到底容認できないのだが、この件では健全な良識人の方々からの即座の反発がコワいので発言を慎んで自粛中。 ![]() 「自粛」とは自分で慎むこと。 「自粛セヨ!」と強要することは「自粛」にはならないんだが・・・ |
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