夏朝2異変 着かず離れず合唱..
[静かな生活]

NAXOS Music Library に加入

2021/9/2(木)21:10

読書もスポーツもピアノ練習もそろそろ手詰まり。
もう新しい刺激も新鮮なワクワク感ももうどこからもやって来ない。
では最後の手段と言う感じでこの春からNAXOS Music Libraryに加入した。

このクラシック音楽のストリーミング配信サービスは以前から知っていたが、ベルリン・フィルのDigital Consert Hallのほうがわずかに安いので、ネット配信ではそちらをメインにしていたのだ。
しかし、ベルリンフィルのは月決めで料金を支払っていても全くコンサートを見ない月もあり、常時加入していたわけではない。
私の聞きたいと思う音楽はそんなに多くないし、コンサートをまるまる聞こうという気になる時間も日常的にそんなに多くない。
いくらベルリンフィルのアーカイヴをあさっても常に新鮮な音楽体験に遭遇できるわけではないし。

要するに、私は飽き性でどんな名曲でも3度目には早くも飽きてしまうのだ。
だから同じ曲を演奏者や解釈を変えて何度でも面白く聞ける人はうらやましい。
私には細かい解釈のニュアンスを楽しむというような繊細な感受性はない。
で、とうとうNAXOS MLに加入し、その膨大なレコードコレクションを片端から試すということにしたわけだ。

私は昔からNAXOSレーベルのフアンで、カタログから面白そうな作曲家の曲を選んで定期的に購入していた時期もあった。
大手レーベルや日本のオーケストラの演奏会では聞くことができない作曲家の曲を選んで発注していた。
最初に発注したのは、今ではメジャーになったが当時は知る人ぞ知るコルンゴルトのVn協奏曲。
聞いてみたいが日本ではマイナーだった作曲家の作品がナクソスレーベルではわんさか発売されていた。
シマノフスキーやカゼルン等、あるいはメシアンの鳥類図譜全曲というようなマニアックなヤツ。

当時通勤時間往復4時間弱のサラリーマンだった私は通勤車内でのウォークマン音楽と図書館本の雑読で日常離脱を試みる習慣だった。
今から考えるとこの時期の読書量と音楽への没入度は半端なかった。
それにしても、退職してからのふんだんな自由時間でのこの散漫な集中力は・・(^^;

加入して初めて知ったのだが、NAXSOS MLの配信サービスはNAXOSレーベルだけではなかったのだ。世界の無数のマイナーレーベルや個人レーベルだけではなく、なんとドイツ・グラムフォンのようなメジャーまで網羅しているのだった。
膨大な、無限といってもいい曲数と圧倒的な世界の作曲家を網羅したデータベースも完備。

これはなんと・・・今までになかった音楽体験、真にこれは宝箱じゃないか!
コンサートや放送での限定されたお仕着せメニューではなく、自分で好みの音楽を探し出してじっくり演奏させる、全く自在な自分のアラカルト料理のような。
NAXOSレーベルのカタログからの購入もアラカルト風だったのだが、しかしそれは事前試食は不可能だった。
レコードを買う前提なので、自分の知識からある程度の中身の予測は必要だった。

しかしこのNMLは食べ放題なのだ。
「定額食べ放題」、これが本質的に私の好み(^^;
少し食べて口に合わなければ別のを試せばいい。
均一料金食べ放題ビュッヘの楽しみが音楽の世界にも既に実現していたのだ。

世界のどんな小さな町のコンサート、どんな小さなスタジオで演奏された曲でもレコーディングさえされていれば、ただちに検索、試聴できてしまうという感じ。
例の新垣隆氏の曲も近々配信予定とか(^^)

膨大な作曲家データから先ずは手始めに北欧系の交響曲作家をサーチ。
シベリウス→ニールセン→ステンハンマルというような線はメジャーのコンサート、例えばベルリンフィルのアーカイブでも視聴可能だった。
ゲーゼ、スヴェンセン、グリエール、バツェヴィチウス他を次々に試聴。
しかし、早くも一週間目で私の好みの音響を提供してくれる作家にめぐり会って完全にハマってしまった。
トゥビン(E.Tubin,エストニア)の9つの交響曲だが、この仔細は別項に譲る。

この世界の作曲家のデーターベースを使い、片っ端から聞いてみる時、私は思い出していた。
未知の作家の音楽が始まる時の期待に満ちたワクワク感。
デュカスのラ・ペリの開始ファンファーレのような。
このファンファーレについては最近既に書いた。

ヨーロッパのオーケストラの響きに心を奪われた少年だった私が今また回帰?
未知の作家の交響曲が響いてきた時の、何が始まろうとするのか、その期待と胸の高揚が再び・・・?
いや、もうそのような無垢な感受性はもうないのだが、少年だった60年前の私の心が抱いた憧れを思い出すことは確かにできた。

例えば、ウェーバーの「魔弾の射手」序曲のホルンのパッセージ。
ホルンの響きがヨーロッパの森と魔法の世界を瞬時に心に描き込み、私を捉え込む。
その時私は高揚し胸の疼きを感じていた。
それはまったく恋愛がもたらす心情そのものだったのだ。
無垢な少年時の心の高揚自体は今再現しようがないのだが、しかしその抱いた心情の記憶は確かに回帰してくるのだ。

少年の頃にオーケストラの響きに魅了され、以来ずっとクラシック音楽の愛好者であった私は、いまさらながら生涯に渡り私を支えてくれた確実な趣味を持ち得たことを再確認し、生涯で唯一失敗しなかった例外的な一つの心の選択肢だったのだと再認識する。

NAXSOS Music Library 2035円/月でございます。

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