どうしたの?いやにうれしそうじゃないの?
なんせハイフネーションですからね、今回は。
ん?
前回の「大文字」にしろ「アクセント文字」にしろ、ちゃんと翻訳者と打ち合わせておけばなんとかなるものなんですが、
で?
ところがハイフネーションだけは
印刷屋が対応しなければどうしょうもない。
アレって翻訳者からデーターをもらってページに割りつけた後で発生するものですから。つまり印刷屋の腕の見せ所というかぁ(^^;
ハイフネーションって単語が行末に来たときにどこで区切るかの問題でしょ?
そうです。
辞書みればちゃんと区切り目が書いてあるよ?
まあ、たいていの英語の辞書には単語の区切り目が書いてありますがぁ。それに英語だったらたいていのページアップソフトで自動的にハイフネーションをしてくれるようですがぁ。
問題は他の言語です。これは印刷屋しか知らないんです。
え?辞書に載ってないの?
いちいち書いてません。巻末に「綴字法」とか「分綴法」とかのタイトルで説明している辞書もあります。でも実際に規則を覚えているヒトは印刷屋さんだけでしょうね。
まあ、一般には音節の切れ目で区切るんですが。
音節って何?
発音できる最小単位です。普通は母音がひとつあれば発音できます。
「あ」とか「い」とかの母音?
そうです。
correspondencecorrespondence 、母音が5つありますね。だから5つの音節ができるハズです。つまり発音上切ろうと思えば5個に区切って発音することが可能です。
「コ・レ・ス・ポン・デン・ス」・・あれ?6つか?
あんね。あんた発音悪いよ。「コ・レス・ポン・デン・ス」・・・あれ、最後の「ス」は音節になるんかなぁ?
「あいまい母音」です(ちょっとあいまい・・・(^^;)。文法的には音節になります。
・・・(←あんまり信用してないような)
ま、とにかく!母音はいいとして周りの子音をどの母音の組に振り分けるかが言語によって違うんですね。
英語: cor-re-spon-den-ce
仏語: cor-res-pon-dan-ce
で、英語とフランス語では切れるところが違ってきます。
なんか、この英語の切り方はヘンだなぁ。フランス語の方が自然なような。なんで?
知りません。とにかく辞書にそう書いてある・・・(^^;
英語って実に無規則なコトバですねぇ。
ドイツ語ではもっと複雑です。兎に角合成語が多い。音節ではなくて、どこで言葉が合成されているかを見分ける方が先決です。
取説は BEDIENUNGSANLEITUNG といいますが、コレ真中あたりで切って見てください。
 BEDIENUNG-SANLEITUNG かな?
はい。なんか、ふつーはそう切りたくなりますね。でもちがいます。
BEDIENUNGS-ANLEITUNG。 まあ、英語的に書いてみると”BEDIENUNG'S ANLEITUNG"という2語の合成語ですから。
ドイツ語はやたらと単語が長いのでイヤだなぁ。
では  (押す)を真中あたりで切るとしたら?合成語ではありません。念のため。
 いや、  かな?
実はなんと・・・

→ 

あ、それは卑怯!
しかたがないですよ。そういう規則なんですから。とにかく
ドイツ人ってのは規則が好きで(^^;)
Shiffharen → Shiff-fharen で、分けると子音が増えたりしますから。
フランス語が一番素直そうかな。音節だけ考えたらいいんならね。
そうでもないですよ。
では問題。フランス語  (動詞etreの3人称複数形)を区切れば?
うむ。 。多分ワナか。
むむ。するどい(^^;
この単語の2文字以降全部で"テ"という発音(たった一音節)になります。だから taient は切るところがありません。それに、ハイフネーションでは一文字だけで切ることは意味がないので、結局
 は切りようがないのです。
しかしぃ!どうしてフランス人は発音もしないような語尾を書くんだ?
さあ〜。
  規則があっても守らないのがフランス人なんでしょうかねぇ。

 



分綴法(ハイフネーション)ポイント
原則は音節によって分けるが各国語独自の規則があるので要注意
ワープロソフトやDTPソフトによる自動ハイフネーションでは簡単な音節分割原理にのみもとづいたアルゴリズムによっていて不完全。完全に校正する必要がある。


英語
語源的な構成要素に基づいて区切る。機械的な音節分割では対処できない。

例)音節による:
automa-tically (誤)  automat-ically

英語辞書の分 割点を参照して決定する。

しかし英語・米語の違いや辞書によっても採用している分割基準が違う。
例) meas-ure (Webstar) --- mea-sure (研究社大英和)


●独語

A.複合語

1.合成要素で切る
  ge-sandt-shaft/bedienungs-anleitung

2.母音で始まる後綴は基本語の最終子音を付けて送る
  Bedienungsanlei-tung

3.合成した結果同子音が3つ並ぶとき  要注意 (注)
  
Schiffahrt  → Shiff-fahrt (注)

B.単一語
音節で切る

1.活用語尾は合成要素とみなさない(語尾単独で切らない)
  
Gliederungen → Gliederun-gen

2.母音が3つ重なるとき、2+1に分ける
  
See-en, ただし、分離しないときはSeen (注)

3.子音1が母音に挟まれているとき、子音は次の母音と送る
  
Schü-ler

4.子音が3つ重なるとき、最後の子音のみ次に送る

C.例外
  ・分離できない組合せ
     
ch, ph, rh, sch, ss, st, th
  

  ・ckkk :

注) 1998年にドイツ政府が提唱した新書式(Rechtshreibung)では、shiffahrt,  Seen 等の3母音目省略は行わず、shfffahrt, Seeen というように書くものと規定されている。
その他 ck → kk の規則も廃止されたようです。
ドイツ語の新書式については
現在調査中乞情報


●仏語

単純に音節で区切る

i-nutile (仏)≠ in-utile (英)

1. 2つ以上の子音が重なるとき、最初の一つで切る
    
cor-res-pon-dan-ce(仏)≠ cor-re-spon-dan-ce (英)

2. 分離できない組合せ
    
ch, ph, rh, th, gn

発音しない母音は音節を構成できない