プラハ最後の夜 II .. | [私家版野外徘徊記] | 初めてのピアノ発表会(^^;... |
プラハから無事(?)帰還 (中欧いきあたりばったり10) |
プラハより日本に帰る日。 ホテルの窓から一応外を見る。 別に何も(^^; 朝の共用廊下と台所。 本日はこれから駅に行くだけなので朝食はなし。 結局台所は使わなかった。 チェックアウトし、地下鉄フロレンス駅9時前。 この改札への入口の左に黄色い切符販売機があるのだが、カードも札も喰ってくれず苦労した。 地下鉄一駅でプラハ中央駅着。 予約したウィーン行は10:47発。 少々早く着きすぎた(^^; では、アレやるか? 切符売り場の上の待合場所の「駅ピアノ」。 昨日夕方、上から聞こえてくるピアノの音に気が付き「駅ピアノ」を確認。 しかし昨日は最後のプラハの夜に出掛けるのでピアノで遊ぶ気はなかったのだ。 では、列車待ちの今がその時じゃないか? 「ワタシ、ピアノ習ってるの・・・」レベルの女の子が弾いていた。 ではその次、おもむろに私が。 先ず、グラナドスの「オリエンタル」を静かに引き始める・・・ 一人のおバさんが曲につられて後ろまで来てギャラリーに。 とはカメラ担当のヨメ談。 しかし、オリエンタルのメロディが展開し下降はじめる時、左手の指がどこに行くのか忘れてしまったようだ。 アカンなぁ・・・いつものパターンだよ。 いつかはパブリックピアノを、とか思っていたのでソレ用のレパートリーは密かにタメこんでいたのだが、いつものソノパターンになってしまうと、もう集中力が拡散しせっかく暗譜したビル・エバンスのアドリブのコピーもまったく続かない・・・ しかたがないので「枯葉」のメロディーを簡単にコードに乗せて一節弾き、そそくさと終了(^^; 最初からベンチに座って見ていたブルーのTシャツおジさんが拍手をしてくれたので、一応答礼。 ま、私のストリート・ピアノ中欧デビューはそんなところでちゃんちゃん♪。 まだ、腹も減っていないが、何か列車の中で食べるものでも仕入れとかんと。 「ヨメが下にスーパーがあったよ」とスーツケースを引っ張ってすたすたと。 なるほど、スーパーBILLAが駅構内に。 10:47発プラハ中央駅発ウィーン中央駅行き乗車。 車内中央の向かい合わせ4人掛けテーブル席の片側だった。 やがてテーブル相席の年配女性親子がやってきて相対、顔を突き合わすので少々窮屈。 列車はプラハ郊外からBRNO経由でウィーンまで。 BRNOまでは既に走行済。 いずれにしてもよく似た中欧の田舎野原が続く。 BRNO通過。 ちらりとBRNO大聖堂の尖塔。 のどかな鉄道の旅だが、もう帰るだけなので興味も薄れ少々退屈か。 別段国境という雰囲気も気配もなくいつの間にかオーストリア。 ドナウを渡る。 ウィーン郊外に。 これでこの旅行の出発点に戻ってきたわけだ。 ウィーン中央駅着 午後3時前。 ウィーン国際空港線に乗り換える。 駅構内の路線案内で空港便確認。 このホームだな。 Flughafen Wien. 空港線に乗車。 3時半、空港駅着。 そのまま空港内のEVA航空チェックインカウンターに。 通常のチェックインはまだ開始されてなく列ができていたが「Eチェックイン済」というと優先カウンターに案内された。 Eチェックイン済の画面を見せてバゲージドロップ、台北行と関空行の二組のボーディングチケットを中年の女性係員にテキパキと交付してもらう。 あまりにテキパキと交付されたので、受け取ったボーディングパスを確認することもなく・・・ さあ、空港ラウンジに。 4時半にはウィーン国際空港のラウンジで飽食の構え(^^; 高級感はないが、カフェテリアというような雰囲気で明るい。 予定通り、飽食堪能。 飽食に飽き、時間まで空港内探索。 まったく意味不明な店屋の看板の日本語発見し、極度乾燥してしまう。 ついでにもう一つ別のラウンジに、もう食べられないのだが見るだけでも、と案内図をたよりに人気のない通路を探索。 しかしかなり距離がありそうなので、途中で探索残念。 搭乗時間までボーディングエリアで大人しく待機することにする。 今回の旅行はこれでだいたい終了というわけだ。 後は勝手に各所の指示通り動くだけで自動的に関空に還っていることになる。 やれやれ・・・ ・・・・・・ 出国ゲートに行き出国チェック。 チェックを済ませ、ヨメを待つがなかなか出てこない。 あまりに時間がかかり過ぎる。 いかにもおかしい?? 出国ゲートに戻り、よく観察するとゲート列の一番左端に係員とモメているヨメの姿。 「どうしたん?」 「化粧品がぁ・・」 当初白人系の若い女性職員と南アジア系の中年の女性係員がいたのだが、私が行ったときにはもう決着していたようで、中年のおバさんが後を託されたような形だった。 「わかってたんだけど、忘れてた。しまったよ。」とヨメ。 ヨメの機内持ち込みの手荷物に自分へのお土産で買ってきたNATURARUM他のコスメチック製品の容器を入れてきてしまったという。 機内持ち込みの液体は100mlを越えてはいかんのだ。 飲みかけのペットボトル飲料なんかは気が付いて列の横にある廃棄缶に捨てるのだが、飲料でもない化粧品・シャンプーなんかは案外気が付かない。 ヨメもその辺りの知識はあったのだが、手荷物に入れた時には気が付いていなかったらしい。 いままで、気の毒そうに応対していた白人系の若い係員が行ってしまい、後を託された形の中年のおバさんは怖い顔をして「廃棄!」といい、いきなりテーブルに並べたヨメの土産瓶数本をゴミ箱にぼたばたとたたき込む。 「あ、もったいない・・」 しかしもうどうしようもない。 嘗て私もシャルル・ドゴールで出国の手荷物検査で土産に買ったチーズを没収されたことがあった。 そのとき、検査職員に「では、今から全部食べます」と告げると相手はニヤリとわらい「どうぞ。」と後ろの席に案内してくれた。 チーズを水もなしで半分くらい齧って後は放棄したのだが、当時の係員は私とのやりとりを面白がって雑談を少し楽しんだりした。 しかし、このおバさんはとりつくシマもない。 嘗ての経験を生かせば「では、今からヨメのカオに全部塗りたくりますので・・」とか言うべきところだったが。 「せめて中身は廃棄しても容器だけは全部持ち帰ってくればよかった・・・」とは後からのヨメの後知恵。 金額にして一万円くらいのロスだろう。しかたがないよ。 今回は旅行の宿泊開始と宿泊終了日にも予約ミスでのロス出費があるし。 行き当たりばったり全部自己責任旅行なので旅行総額の10パーセントくらいのロスなら覚悟の上。 そのくらいで済んで良かったな。 そうだね。・・・ くらいでこの一件を収め、また楽しい旅行モードに戻す。 ボーディングエリアで待機中。 心なしかヨメの顔がシブい(^^; ボーディングエリアでEVA航空の台北便の案内を確認。 なぜかTAIPEIとBANKOKが併記されている? バンコクにも寄港? そんな話は聞いてないが? ちょっとボーディングパス見せてみ? おい、これ!!↓ なんと私のチケットはウィーン→台北だが、ヨメのはバンコク→台北になっている! ヨメはバンコクから同じ機体に飛び乗ってくることになっているのだ。 搭乗準備をしている係員にこのチケットを見せ、確認するが「問題ない」とか。 ウィーンからの機体はバンコクに寄港するらしいので何かの手違いらしい。 ウィーンからは普通に搭乗し、席も指定通り・・・ どうしてバンコクに寄り道することになるのか? あまりに客が少なかったので、そちらでもう少し客を拾って台北に行く? 昔のヨーロッパ便の南回りではそんなケースもあったような気がするのだが。 バンコクに着陸態勢に入る前に機内にアナウンス。 よく聞き取れなかったのでヨメが「ちゃんと聞いたん?」と小言をいう(言ったらしい)。 「どうやらバンコク寄港じゃなくて、機体を変えるらしいぜ?」 結局、全員手荷物を持って機内から降ろされる。 バンコク国際空港の廊下を行くと係員が「アッチへ」と指示している。 しばらく空港の長い通路を歩いていると、トイレに行く者、遅れる者いろいろで、いつの間にか我々は二人だけで通路を歩いている様相に。 歩いている内に「前のグループが右に曲がったのが見えた」(ヨメの談)。 ふと右側を見ると「EVA航空 台北」という表示があった(私の記憶)。 ・・・ので、そこに立っていた係員にボーディングパスを見せると、「こちらへ」と右の通路を指示される。 なんだか知らないがそのまま簡単なボーディング検査を通過し、スワンナブーム空港のボーディングエリアに。 別の機体に乗り込む・・・ 席はまったく同じ。 よくわからんが、バンコクでトランジットをしたことになる・・・のかどうか。 そんなことはEチケットには一言も書かれていないのだ。 少なくとも、私のボーディングパスではトランジットはない。 ヨメのボーディングパスはヨメだけバンコクで乗り込んで来たことになる。 なんちゅう・・ まあいい。台北着が遅れるわけでもないようだ。 いろいろ事情があるんだろう・・・ 台北桃園空港定刻着。23日午後5時過ぎ。 まあ、ここまでくればもう日本に帰った気分。 桃園空港にはもう何回来たことか・・・ アレで関空まで帰るんだな・・・ 関空に着いたら、まずスーツケースをABC JALの宅配に預け、最後の行程だし、。南海のラピートでも張り込もうか。 とか思いながら、台北ー関空便に乗り込む。 私が28Aだから、ヨメは隣・・? ええっ! まったく離れた席じゃないか! ハンガリーやチェコの列車の座席指定じゃあるまいし・・・ どう見てもヨメの席は通路の反対側の4人掛け。 ちょっと待ってくれ、私はわざわざEVA航空のHPから有料の座席指定を買ってるのだ。 どういうことだ? と、28列の通路でモメていると、既に28Bの座席に座っていた台湾人の女性が「席を変わりましょう。」と言ってくれた。 ありがたくこの方の譲ってくれた席にヨメ、ヨメの席にこの方が座ってこの件は落着・・・ いや、落着じゃない。 これはEVA航空にクレームを強硬に申し上げなければ。 いやはや・・・一体、あのウィーン空港の係員は何という雑な仕事をしてくれたのか。 よしんば私が座席予約をしていなくても、二人でチェックインカウンターに出頭しているのに隣同士の座席にするのが当然だろう。 現に、席を譲ってくれた女性は台湾からの単独の乗客だった。 昨日のチェックイン時点では確実に28Bは空いていたハズだ。 やはり、なにかダブルブッキングが発生するような緊急臨時の機体のやりとりがあったのか・・ まあ、とにかく無事に関空着。 バゲージクレームエリアで手配を担当していた女性職員にEVA空港の座席のトラブルを報告。彼女はANAの社員だった。 「この便はANAとの共同運航で私がお伺いします」と・ 何?共同運航?そんな話聞いてないぞ。 結局、EVAの担当者が最後に現れ、座席指定のプリントアウトとボーディングチケットを持って上司と相談に。 「申し訳ありませんでした。この座席指定料金は返金させていただきます。」とのこと。 当然だ。 まあ、いろいろ言おうと思えばいろいろ文句はあるのだが、我々は一時世間で喧伝されたようなアコギなクレーマーではない(^^; 「それで結構です。以降適正な運営をお願いします」と鷹揚にこの件を落着させる。 いつもLCCや格安航空便を利用しているのでそのようなトラブルもあるのは心理的に織り込み済み。 EVA航空も昨年のフランス行きにも最安値で使用し、私は気に入っている会社である。 安ければまた使うよ。 ということで最後の日にもいろいろ予期せぬイベントが楽しめ、存外に面白くヨメとの久しぶりのヨーロッパ旅行一式を過ごすことができた。 そんな心理的な満足感があるので失敗やトラブルも旅行の印象を別段そこなうこともなく鷹揚に構えてやりすごせた。 思えば当初、ヨメ単独のビジネスクラスでのヨーロッパ旅行になるハズだったのだ。 しかし手配するのが遅く、ヨメの希望するようなパッケージはもうなかった。 それなら、私と同行すれば、例によって格安航空で行き当たりばったり、予算は半額で二人で回れるぜ、と後から私が提案したのだった。 ヨメにすれば、もう時間的に他の選択肢はない、二番煎じの旅行、私にすれば既に見知った国へのヨメのお供、案内業務旅行というような当初は気勢の上げようもないイベントだったのだ(^^; しかし、行ってみればブダペストもプラハもカルロビバリも楽しかった。 二人で面白おかしく、本当に楽しく旅することができた。 ヨメが昔のようにささいなトラブルで私に当たるということもなく、全面的に私を信頼はしてないのだが適度に(^^:信用はしてくれ、一度もケンカすることもなく(^^; 楽しく過ごせたのだった。 お互いに歳をとり、お互いの失敗を笑いあえるような鷹揚な夫婦関係になってきたということか? それはやはり二人で旅行に出て見なければ、はっきりとは見えてなかったことかも知れない。 二人で歳とっていくということは、ちょっといいことでもあるかも知れんなぁ。 (中欧いきあたりばったり 私家版 完)
up:2019/12/2(月)20:24
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