雨の上海彷徨 .. 雨で紹興を断念河坊街に
[上海杭州霧雨紀行]

豫園商圏と杭州行き

2016/12/2(金)16:49
11月24日(木)
メトロポロホテル外灘店9階スィートルーム窓外。

イソギンチャクは外灘センタービル。正面は警察暑のようだ。

足元を見るとこのホテルの玄関や正面警察ビルの玄関、さらに両隣のビルの正面は丸く凹んでデザインされ、嘗てはこのスクエアはロータリーだった、と見て取れる。
今は信号もないだだっ広い単なる交差点になっているのだが、20世紀初頭には華やかな一角だったのだろう。

では朝食場探しを兼ねて付近散策。本日は雨は上がっている。

上海歓迎委員会が整列し、私メに路上で最敬礼。


めっきり日本では見かけなくなった電話ボックス。
屋根の上にはWIFIの看板があり、実は電話ボックスではなくPCの路上ステーションなのだ。

やはり外灘に出、もう一度上海バンド散策。

霧雨の昨日とは色合いがまた違っている。

昨日は見えなかったテレビ塔と金融センタービルの先端も今日は見えている。

朝日に黄浦江の漣が輝いている。

モデルは現地の娘さん。

ハチマキ姿の地元の若者も。


本日は昨日とは逆方向に歩くことにする。

適当に外灘土手遊歩道を下り、町の方向へ。

平日朝の上海だが、意外と車は多くない。
町並みは整然とし、道路は広く渋滞はない。

上海バンドの一角を過ぎると公園地域になっていく。

公園で社交ダンスを踊っている中老男女。

いつの間にか豫園の外壁に到達。

右側が正面らしいが、そのまま直進し細い路地を入っていく。

ありましたね。上海に来て初めて昔ながらの露店、オープン食堂が並ぶ一角に。

超近代高層ビル街→20世紀初頭西洋クラシック建築→17世紀中華庭園→路端露店通。

古い露地裏にも通じている。・・・何でもアリだね。

豫園は庭園だが、周囲には中華風建築の豫園商城(ショッピングセンター)になっている。

朝っぱらから大賑わい。

この豫園商圏内のフードコートで朝食にする予定だったが、何処だい?

あ、ここか。

フードコート内はしかしそう混んではいない。

先ずとにかく面を。 野菜ラーメン18元。


カフェテリア式もあったが、独立店舗の面屋で。
おニイさんに「コレ」と指さすと、レジの方まで誘導してくれ、ここで買うと教えてくれた。
中国では調理担当者は直接金を扱わない形式が多いようだ。










二階にも同様のカフェテリアと店舗があるが、人はもっと少なかった。
カフェテリアで麻婆豆腐と野菜春巻き 25元。

観光案内によれば豫園のカフェテリアは便利ということだったのだが、現状では少々寂れた感じで、値段も安くない。
外周露地露店の牛肉麺8元(150円)の方が各段に良さそう。

朝食が10時過ぎになり、もうホテルに帰ってチェックアウトしなきゃ。

裏道伝いにホテルまで。
このプラタナス並木と赤レンガがどことなく往時の上海を彷彿とさせる。
・・・というか、実は私はパリの町角を思い出したのだった。
どこか共通する町の感触がある。

途中、洋菓子屋でクリームパンケーキとかりんとうの買い食い。
洋菓子屋はどこでもよく流行っていて行列気味。
さらに饅頭屋で4個、7.5元

赤レンガ集合住宅から突きだしている洗濯ものほし棒。

メトロポロホテルチェックアウト。

せっかくのスィートルームだったが、一晩だけとは勿体ないね。

本日から杭州と決め、杭州のホテルを予約しておいた。


地下鉄でかなり郊外の虹橋駅へ。

地下鉄2号線と10号線が並行して走り、虹橋駅までには虹橋空港ターミナル駅が二つ。

当初「虹橋路」駅と間違えて切符を購入したので、出札口横の窓口のおネエさんに清算してもらう。
「Over passed、please!」「Ok, 2wen」
2元と切符を出すと、さっと切符の磁気記録を更新し、返してくれる。
返ってきた切符で問題なく自動改札通過。
初めての中国での乗り越し清算体験だったが、すんなりクリア(^^)v

大規模な駅で、空港にも接続している。

さて、中国鉄道の乗り初め。
最初に自動販売機で「杭州」切符の購入を試みるが、カード式身分証明書所持者専用らしい。
窓口に並ぶしかない。
「杭州 一等座 x 2名」と紙に書いて示すと、次発の列車発時刻と料金をディスプレイに出して見せてくれる。OKし、パスポートと料金を渡す。
上海ー杭州 一等 117元。
二等なら半額くらい。
列車はすべて指定席、しかもパスポートからデーターを入力し個人名が入った切符を渡される。

当初「杭州駅」を指定したのだが、次の列車は「杭州東駅」になる、とかで杭州東駅行きに。
高速列車の着駅は杭州東が圧倒的に多い。杭州駅行きは杭州止まり列車のみで本数が少ない。
大行列中にもかかわらす、窓口の係り員のおネエさんは笑顔で親切に英語で応対してくれた。

無事切符購入でき、ヨメは発車までまだ時間があるので・・とか世迷い事をいいだす。
甘いよ。ここは中国だぜ。買い物しているような時間なんてない。

ホームに行くのも空港並みのセキュリティチェック、ボディチェックを通過しなければならない。
これがまた行列に。
ホームに出ると列車の長大さにびっくり。
しかも一等車両はホームの一番前端。 列車の先端は霞んでいて見えないくらい。

やっと新幹線旧こだま型先頭車両に到着すると既に発車5分前。

一等車両はまずまずの入り。
車内は快適だった。

上海→杭州の車窓風景を観察。
殆どが規格化され区画された宅地、団地、農地で整然としているが無個性で画一的な印象。
明らかに計画経済社会の光景。

一時間で杭州東駅。

この駅も近代的なつるつるにてかっている広大な建築。

予約したホテルの案内に従って、地下鉄で「武林広場」まで行く。
上海と同じ地下鉄システムだが、故障している切符自販機の多く列が絶えない。
何回か試みても札を食わないので係員を呼んでやってもらったが、ダメ。
最終的には有人窓口で買う羽目に。

武林広場駅前の大通り。
明るい中心街のにぎわい。

西日の杭州市内。 とこか大阪御堂筋オフィス街風の印象。

道路で勤務中の警官・又は交通整理員のおネエさんにホテルの住所を見せ、どちらの方向か尋ねる。

・・・さ? え? こ・これは・・ とかの良く分からん反応。
「武林広場近く」ということなので方向さえ教えてもらえば歩いていくつもりなんだが。

とにかく「あっちの方」ということだったので、そちらに行く。
しかし、どこまで行っても幹線道路とにぎやかな商業地区が続きホテルの案内・手がかりは見えない。
「武林広場」近辺のハズなんだが。 この方向ではないのかも。

しかたがない。
タクシーを捕まえる。

しかし、ここでトラブル発生。 エライことになった。

----------- 以下トラブル仔細 推奨読飛 ----------
タクシーの運転手のおニイさんは真面目そうな人物で、一生懸命示された住所を確認、走り出したが近くの停車可能なブロックに車を停め、タクシー会社本部と住所確認のやりとり。

・・・やがて決然と走り出したのだが、いきなり高速高架道路に乗りいれどんどん郊外の方角に。
おいおい、ホテルは「武林広場」の近くのハズだろ!

「ストップ!ストップ!」と叫ぶがまったく英語が通じない。
走行中の車内でおニィさんの携帯電話を渡され、本部の配車担当のおネエさんと英語で会話。
このホテルはHOTELS.COMで見つけたのだが、確かに同じ名前の系列ホテルがあった。
一軒は郊外の山間リゾートホテルのようだった。
多分、そのホテルと間違えていて、そちらに向かっているのだろう。
しかし、どうも要領を得ない。
どうしても同名のホテルが市内センターにある、ということが伝わらない。
本部のおネエさんはわざわざ山間リゾートに電話し、たしかに本日予約が入っていると確認もしたようだ。
え? 山間リゾートホテルに?車で一時間以上もかかる?

最後にはまったくケンカ腰のように怒鳴り、ようやく「武林広場」にもどることで合意。
おニイさんは「雷辿森酒店」と私の手帳に書き、ここに行くが、それでいいかという感じ。
何でもいい、大ホテルならフロントで英語が通じるだろう。
市内の大ホテルに行ってもらってフロントで予約ホテルに連絡してもらおう、と覚悟を決める。

ところで「雷辿森酒店」って「ランデイソン」と読めないことも?
私が予約したのは「ランディソン・リゾートホテル」だったなぁ・・・ひょっとして?
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杭州国大雷辿森広場酒店到着。
運転手のおニイさんは何とかやっかいな客を降ろせて幾分ほっとした表情。
早く立ち去りたかったような様子だったが、「料金は?」と聞くと「あ、そうそう」という表情でメーターを示す。64元。
まあ、そのくらいは走ったろう。

・・この時点ではヨメは「タクシー側の住所確認違いなので料金支払う必要なし」という。
しかし当方が何か勘違いしていた可能性もある。
走行分の料金は支払った。

このホテル、ランディソンプラザホテルと読むようだ。
結局私が予約したランディソン・リゾートホテルとは同系列だった。

フロントで事情説明。
「日本語?」というと日本語担当の制服のおネエさんが出てきた。

いろいろ確認してもらったが、やはり我々が予約したのは車で一時間かかるランディソン・リゾートで、武林広場のホテルはこのランディソン・プラザホテルだった。

HOTELS.COMの予約画面を出すと、きっちり「市内センターにあるホテル」との説明になっている。
HOTELS.COMの表示間違いだったのだ。
おい、そんなバカな!
通常なら私は住所をGoogle地図で確認して予約するのだが、中国ではその手は使えない。
サイトの案内だけが頼りになってしまう。

ホテルのロビーに掲載してあった系列ホテルの案内ポスター↑
予約したホテルは右側。 今居るのは左側の市内ホテル。

フロントの日本語おネエさんといろいろ相談。
いまから車でもう一度予約したリゾートホテルに行くと杭州観光する時間もなくなる。
「ちなみにこのホテルの空部屋の料金は?」と尋ねる。
カウンター担当が確認、「1600元」(3万円)
「では結構。」
すると「880元もあります。」と半値に。
「いや、自分で探しますよ。」

予約した ランディソン・リゾートは不泊とし、返金無し覚悟で別ホテルを探す。
ロビーでホテルのWIFIで杭州市内ホテルを検索。
今居るホテルの料金を確認すると、予約したリゾートホテルと同じく約600元だった。
その値段ならココにしょう、と決定。
その時、タイミングを見計らったように日本語おネエさんがやってくる。
「670元の部屋もありますよ。」
こちらはニタリとタブレットの画面を示す。
「ネットではこの値段ですけど?」
するとおネエさん、それは見ないでも解ってるという顔で、「そちらは朝食なしですが、こちらは朝食付きです。」

あ、それなら、と即決。
何故か、中国のホテルはネット上では朝食なしプランのみしか掲載していないことが多い。
朝食バイキングが二名分1200円で付くならいい条件だ。

やれやれ、やっとこれで落ち着けた。
円形ビルのホテルでツイン寝室は面積としてはそう広くはないが、方形ではなく横に広いワンルームリビングに見える。

ネオンサインで少々ケバい成金豪華気味の玄関フロントからすると、茶系統で統一されたなかなか落ち着いた部屋。
今、確認すると「地球の歩き方」にも出ている杭州市内の5つ星ホテルだった。
5星ホテルの中では最安値(^^;

後に、帰国してすぐHOTELS.COMにこの件のクレーム申請をした。
すると、すんなりと「サイト側の表示間違い」と即確認、宿泊料返金+タクシー代等の補償で3000円クーポンも付けてくれた。
昨夜もホテルで悩んだし、今日もトラブったが、結果HOTELS.comよりもいい条件で武林広場の目的ホテルに宿泊できたことになる。

いや、・・・・結構楽しかったよ。 ・・・という訳でもないが(^^;

夜の杭州市武林広場。
背景のケバいビルの後ろ側がランディソンプラザホテル。

高層ビルが立ち並ぶ市街地を歩き、とにかく西湖へと。

夕方のどんより茫洋とした杭州西湖はもうとっくに見逃した時間になっている。
西湖の湖周は遊歩道や露店があってやはり有名観光地の風情。

夜なのでとくに見るべきものもない。
「琵琶湖畔もそう変わらん」←ヨメ評。


入場料を取る大仕掛けな噴水ショーもやっていた。

やっと見つけた、どこか中共的雰囲気のポスター。
町では赤信号でも車がなければ渡る人が多い
嘗ては赤い毛沢東語録を振りかざして前進していた名残であろう。
西湖の魚料理店が多く、夕食場を何処にするか迷ったが、結局いつものごとく、おニイさんが一人で店番しているような町の簡易食堂に。
面と飯で計38元。

食事後の皿には何も残ってません。

帰路、裏通りを歩いてホテルまで。
裏通りになると昔ながらの小売店舗も多い。

この店の小袋詰め食品の品ぞろえは半端ではなかった。

地元系便利店でビールと菓子を買って帰る。

ホテル最上階のクラブルーム見学。

私の風格によく釣り合っている。

ヨメの発案で、うまく充電できなかったカメラの充電用の変換アダプタをフロントで借りる。
このようなダメ元の依頼は面倒なので私はしたくない。
ヨメをおだてて交渉やってもらう。

しかし、後で届けられたのは電源プラグの変換アダプタだった。
形状変換プラグではなくて、電圧変換アダプタが必要なんだがなぁ。
それ、違いが分かる?
・・・この辺りでヨメの機嫌が少々悪くなる。
ブスぅっとしてモノも言わず、バタンとドアを閉めてフロントに降りていく。
あ、ヨメはフロントに日本語ができる方がいると、グダグダ言っている私を相手にせず、「うるさい」とばかりご自分でさっさと問題解決を計ろうとする習性がある。

ホーチミンでは「日本語担当、いなかったぁ」・・と帰ってきた。
高雄では首尾よく日本語ができるフロントマンを見つけ部屋替え要求に成功。
今回は日本語担当のおネエさんではメカ的に頼りにならなかったが、男性フロントマンに入ってもらって何とか使える変換アダプタを持って帰ってきた。

結果は目的を達したのだが、恒例の海外ホテルでの交渉責任なすりつけ泥試合様の心理戦が展開、ふて寝気味に就寝。
タクシーでの一件以来どこかに抑圧された鬱屈があり、近場で暴発したのかも。

その夜、これまでの人生で溜めこんだ人間関係一切の総決算的悪夢を見てしまう。

雨の上海彷徨 .. 雨で紹興を断念河坊街に