豫園商圏と杭州行き .. 西湖遊覧後再び上海に
[上海杭州霧雨紀行]

雨で紹興を断念河坊街に

2016/12/4(日)2:9
11月25日(金)
とにかくロビーに降り朝食レストランに。

円形建物の周囲を占めている奥に長い明るいレストラン。
エサ場では数人のコックさんが注文調理に応じている紛れもない5つ星ホテル仕様。

窓際の区画された小部屋のテーブルに案内されると、既にテンションは最高潮。
昨夜の悪夢はすっぽりと抜け落ち、気力充満やる気十分。
連携共闘体制も素早く整い、いざ出陣。

豪華、贅沢、豊富、豊饒、え?一体どこが共産中国なん?
ちなみに写真でヨメが食しているのはステーキ。
朝っぱらから好みに焼いてもらった柔らかくて極上のをふんだんに(^^)v
一杯ずつ点ててくれるコーヒーも非常に美味。
独立小部屋仕様のテーブル席なので、テーブル下でのヨメの昼食準備作業も支障なく円滑スムーズ(^^;






更に、このヨメは小型だがトランシュしていないバゲットを直接パン焼きローラーに流してしまい、裏方さん総出の大騒ぎになる始末。

ヨメが引き起こす数々の騒動を後目に、一人超然と人生末期の時を過ごす。

ゆっくり朝食を楽しんでいると、とっくに他の客の姿はなく、レストランでは既に昼食バイキング用の寿司屋台の準備が始まってしまう様相。
うむ、今回はこの辺りで勘弁してやるか。
サンキューとカメラを向けると、笑顔でピースマークを作ってくれるウエィトレス嬢。
多少共産中国名物不愛想的接客態度もあるかと予期してたのだが、完全に話は違う。

帰りにもう一度最上階のクラブルーム見学。

公式にはメンバーでないと入れないのだが、まだ準備中だったので見学OKしてくれた。

私の風格にふさわしいクラブルームのようだ。

しかし、外は雨模様。
このホテルからは西湖は見えない。

雨のようだね。本日どうする?
取りあえずは先ず今日のホテルを確保しないと。
同じ値段なら今の部屋で連泊でいいじゃないか? 朝食付きなら格安感がある。

フロントで交渉するとすんなり同じ値段で連泊OKとのこと。
部屋からクレジットカードとルームキーカード2枚を持ってきて即連泊手続き完。

連泊になり、お昼過ぎまでゆっくり部屋でくつろぎ、情報収集。
結局、午後から紹興酒の紹興に行くことに決定、フロントで鉄道情報を尋ねる。

紹興行きは杭州東駅から14:40発。
鉄道切符はこちらで手配できるので、とのことでパスポートを託しロビーで待つ。
フロントマンは近所のエージェントまで切符を買いに行った模様。
しばらくして「駅でないと切符は買えない」とかで、パスポート返却。
タクシーの手配は断って地下鉄で東駅まで行くことにする。

「武林広場」駅は近くにあるハズだがタクシーで来てしまったので方向がよくわからん。
表通りに出るが、地下鉄駅マークは見つからない。

表通り(延安路)のホテルの前にいたちょいとイカつい制服ドアマン氏に英語で尋ねる。
制服マンはテレ笑いしながら「ちょっと待って」とホテル内の英語のできるフロントマンを呼びに行く。
フロントマンのおニイさんは「subway station」という英語は理解できるのだが、「武林広場」駅への道を英語でどうしても説明できない様子。
(実際に地下道を二つばかりくぐらねばならないので、ちょいとヤヤこしい)
苦労した末、戦略変更し「この通りをまっすぐアッチに」という英語にしてしまった。
なんのことはない、分かりやすいが遠い方の地下鉄駅を示してくれたのだった。

念のため少し行き、もうひとり若い学生風の女性に道案内を乞う。
「地下道を通って」云々とかの説明を英語で苦労して。
最後に「あまり英語がうまくなくてすみません。」と恐縮されてしまった。

結局「武林広場」駅を諦め延安路の「凪起路」駅まで歩き地下鉄乗車。
杭州東駅へ。

地下鉄駅から高速鉄道駅に上がると広大な駅構内には人で一杯。

殆ど駅構内の端にある一階の切符売り場にようやく到着すると、どうやら自動販売機専用で窓口は全部しまっている。
よく探すと有人窓口は2階に移転との掲示あり。←このくらいの中国語は何とか読める(^^;

2階の有人窓口切符売り場に行くと幾重にも人の列が出来ていた。
鉄道警官が数名絶えず巡回し、時折列に並んでいる者に身分証明書を出させ検査している。
列に並びながら、警官の臨検姿を撮影しようと密かにI-Phoneのカメラを構えたのだが、うまく撮影できていなかったようだ。→

さすがに中国で警官を撮影するのには若干躊躇。

尚、後ろで見ていたヨメの話では、警官の一人はハチマキ姿の風体の非常にアヤしい私に後から近づいていったが、手に日本パスポートを持っているのを見て離れていった、とか。

しかし、列に並んでいる間に時間は既に14時30分。
紹興行きの14:40にはもう間に合わない。
それに駅舎の外を見ると本格的に雨模様。

ここで紹興行きは諦め、列から離れしばらく切符売り場後方で思案。

掲示してある時刻表を精査し、次の紹興行きは30分後にもあることを発見。
私は昔ヨーロッパ中を鉄道で彷徨っていた事があり、意外と時刻表には強い。

もう一度列に並び、今度は「紹興北 二等座 二名」の紙片とパスポートに通を窓口に提出。
しかし、中の係員のおネエさんが示してくれた列車は1時間後のヤツだった。
紹興北駅に到着しても、駅から水郷地帯に行けばもう夕暮れになってしまう。
「では、キャンセルします。パスポート返してください。」と英語で。
このおネエさん、すかさずニコリとわらい、おもむろに後ろを振り返り、大声で言う。
「誰か英語、わからへん?」
いやいや、そんなに複雑なコトを言っているんではない。
単に「購入中止」なんだが(^^;
手真似でバツ印、パスポートを手繰り寄せる手つきをし、返却してもらった。

しかし、英語は通じなかったがこやかで親切な応対をしてくれ、ここでも共産中国的不愛想接客のドグマが崩れ去る。

いやぁ、雨の杭州での完全に空白の一日になっちゃった。
とにかく駅構内のフードコートでメシにでも。

近代的な構内に人が溢れている駅風景だったが、端っこちかくのフードコートエリアまでくると時間の関係か人はまばら。
なんだか急に町のちっこい食堂街風に。
適当なベンチで持参のヨメ手作り(^^;昼食に。

正面のチキンから揚げ店舗の前で売り子さんが前に出て試食を呼びかけているが、誰も関心を示さず素通りしていく。
たまたまやってきた子供まで興味を示さず無視。
大阪では絶対に考えられない光景。
斯くまでにも中国は豊かなのか。

別のコーナーには前回の台北で食した鶏足をドス濃く煮込んだヤツの店があり、こちらは満員で試食する者も。
当然ヨメが二人分の鶏足を調達、試食。
強烈な甘辛さ。
これじゃあ普通のから揚げなんか全く無味無臭という感じか。

杭州東駅で雨の午後をのんびりしてしまったが、そろそろ夕方から夜の部に。

取りあえずは西湖の向こう端の方に行ってみるか?
地下鉄構内に入るためのセキュリティチェック。
1ゲートに2名体制。
手荷物エックス線検査ディスプレイ担当と人物ゲート外のボディチェック担当者。

しかし、鉄道駅とは違ってほとんど素通し状態。
ボディチェック要員は座ったままで自分のスマホ画面の方に夢中。

できるだけ西湖の向こう端に近い駅ということで「安定路」駅まで行く。
此の辺りもまだ中心街商業地区で、意外としゃれた店も多い。

駅近くにあった堂々としたホテルのティルーム仕様のクラシックな喫茶店。
台湾とは違って中国には意外と喫茶店が多い。
そういえば、今朝のホテル朝食レストランのコーヒーも非常においしいかった。
通常のレストランでの朝食ポット入りコーヒーの味に期待することはないが、ランディソンプラザではコーヒーを注文する度に一杯ずつ手間をかけて点ててくれた。
何杯注文したことやら。
意外なことに、中国ではコーヒーが美味しいかも。

歩いて西湖に行くつもりだったが、地下鉄路線が安定駅直前に90度カーブしていることを忘れていた。
方向違いで西湖ではなく、何やら観光老街風の通りに出てしまった。

夕暮れの小雨の河坊街

入り口近くに昔の銅山の記念館風の施設があり、タダのようなので(^^)入場。

入れば奥に広い施設で、トイレもあり雨宿りには格好の(^^)v

銅細工の展示即売も。

地元の御姫様も。

西湖はヤメてそのまま河坊街を散策。

どデカいのは薬問屋の看板か。


時折、台湾夜市風の屋台食堂露地もある。

蒸饅頭の類の他、蟹を食わせる店等。


鶏の丸焼きを豪快に食べているテーブルが多かった。

鶏の骨や嘴が散乱してテーブル上はなんとも凄まじい有様。

夜になって灯りが点りだすとそれなりの風情に。


角にあった一軒の薬問屋に入って見る。

薬問屋といいたが、小売もしていて生薬を調合してもらって買っている客もそこそこ。

創業17世紀のこの店は入ると奥には中庭を挟んで別棟になっている。

奥の店舗の生薬の調合カウンター。

このくらいの風格がある薬屋さんに調合してもらえば、プラシボー効果抜群でよく効きそうだ。

更にこれは別の薬屋の玄関。

ここは診療所も兼ねている雰囲気。
漢方医とは薬屋でもあるのだろう。

薬屋を裏から抜けると別の通りに出る。

古い洋館風の商店が連なっている。
通りは小川の流れる遊歩道のように綺麗にリノベーションされていた。

電灯の光の束に浮かび上がる細かい雨足がなかなか美しかったのでモデルさんを配してみたが?


ちょいと高そうな茶館の入り口。


大いに迷い、行きつ戻りつしつつ、一軒の茶館に入ることにする。

茶舎御楽堂。
茶館と言ってもお茶と共にちょっとした料理も供するようだ。

このお茶は高いぞ。
しかし何だか非常に薄い茶だったなぁ(^^;

まあ、お茶の味というより茶館の雰囲気代でしょうかね。

私の風格ならこのクラスのお値段でも適正だが。


お茶屋で時間を潰しているといつの間にかすっかり夜になっている。

小腹は空いたので、露地屋台街で牛肉面を買い、通路の空テーブルがなかったので二階に上がる。
ちゃんと二階にはトイレとフリースペースがある。

この後、本格的に夕食にしようと表通りのレストランを見て歩くが、どこも観光食堂風の客引きが出ていたりして、もう一つその気になれない。
では、観光河坊街から安定路に帰る途中、どこかののレストランで。

安定路地下鉄駅近くのとあるショッピングビルに入り、地下食品売り場に。
広大な敷地に商品がぎっしり。

ええっ!ほんとココ共産中国?級の品ぞろえ。
食品売り場の横には例によってフードコートが完備。
やはり正式なレストランより選択肢が多くて旅行者には助かる。

いろいろ物色。
あまり決め手はないのだが。

しかし、終に発見。

上海での食事第一回目に食し、ヨメが気に入ってわざわざその夜も食べに行った大籠包(私称)の店。
地元でも人気の食品らしく、この店は全国チェーンで展開しているようだ。
最初に試しに一人前だけ食べたのだが、文句なく美味いので追加でもう一人前。
入り口で注文し、金を支払い、レシートを持って奥の調理場に出して出来上がりを待つ。

調理場のおニイさんが何か言ってたようだが良く分からんのでそのまま席で待つ。
ちょっと仕込みに時間がかかるので・・とかだっただろう。
いつまで経っても出来上がってこないので、チラリと入り口レジのおネエさんを見ると、笑顔で首を縦に振る。 
「分かってますよ、出来たら持ってきますから」ちゅうことだろう。

一人前4個8元。
安くて旨い。
ここでも、面とセットで食すのが正式なようだった。

満足してレジのおいしそうな丸顔のおネエさんに手を振ると、笑顔でバイバイしてくれた。

うむ、一体本当にここは共産中国なんかね?

満足し、ショッピングセンター入り口のファッションフロアのディスプレイ前でポーズ。

別にどうでもいい光景だが、過去の共産中国というイメージではあり得ない。
なんて豊かになっているんだろうか。
私の世代なら文化大革命の頃の中国が強烈な記憶を残している。
歴史的には日本を含めた列強に食い荒らされ、常に搾取されて虐げられた国だった。
上海で毛沢東が革命の火の手を上げる。
狂騒の文化大革命があり、ケ小平の改革開放経済に。
今、中国に来てみると私の記憶にあるイメージとはまったく違っていた。
世界一二の金持ち国家で、豊かで躍動し、笑顔で親切な人々が暮らしている。

私は豊かになった隣国が見られて単純にうれしかった。
そして台湾や韓国を含め、あるいはベトナムまで含めてもいいが、漢字儒教文化圏としての生活感覚を共同する内なる仲間意識のような感覚があるのも確認できた。

ケンカすんなよ。
皆、親戚同士じゃないか。

漢字や漢文、中国古典の影響は我々の元意識層に深く根付いている。
文化的には差異よりも圧倒的に共通点が多く、基底にある生活感覚や価値観はよく似ていて、同じようなもんだ。

もっとも、私の表層では金庸的影響が一番強いのは確かだが(^^)v
   アチョーッ!

豫園商圏と杭州行き .. 西湖遊覧後再び上海に