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〔フライブルグ通信〕

[D03]フライブルグ生活・誤算の始まり

2011/08/10

8月7日(日)
朝、ストラスブールは雨。
ゆっくり朝食を食べ、昨夜は使い損ねたシャワーを浴びる。
夜半に目が覚めたのだが寒くてシャワーを使う気にはならなかった。
雨が上がったようなので、10時チェックアウト。
荷物をフロントに預けて、日曜朝のストラスブールをもう一回り。
雨が上がり、すがすがしい気温になっている。
昨日は素通りしたリパブリック広場でトラムを降りる。
昔よく利用した国立図書館は外装工事中のようだ。
雨上がりの緑がまぶしいリパブリック広場。
ストラスブール、やはりアンタは美しいよ。
静かな日曜朝の散歩は心が和む。
日本では静かな日曜はおろか、静かな正月でさえもう存在しない。
 

三年前の冬に滞在した宿舎への道の運河沿いのベンチに腰掛けてパソコン入力。
静かな日曜日の朝への回想。
 
昼前にトラムでホテルに帰り、荷物を引き取って駅へ。
トラムの乗り換えを待っていると、横から黒人青年が話しかけてくる。
最初はフランス語が分からないフリしていなしたが、真面目そうな様子なので、英語で応えているとやはりフランス語になってしまう。
 
経済の発展を夢見るアフリカ出身の青年だった。
言ってることが、小学生風にまともすぎて面白くない。
少々意地悪くなって、そんなの20世紀に終わった夢でしょう、と本気で返してしまう。
それに、何だかこの人、日本の現状をご存知ないようだ。
日本で大地震、原発メルトダウン、なんて言ったってまったくご存じない方も世界には多数いる。
もしかしたら世界人口の大多数は知らないのかもしれない。
私だってハイチの大地震がいつだったのかあやふやだ。
トラムの中で中央駅まで喋って行った。
ただ喋っただけの不毛な会話である。そんな短時間で人の意見を聞こうとするなよ。
 
駅前で何か昼食を買って列車で食おうと思ったが、例に寄って空腹にならない。
乗り換えのオフェンブルグ駅で何かあるだろう。
やがてオッフェンブルグ行き25番線の表示が出、コンコースからホームに行き切符をスタンプ器に食わせる。
25番線は実は1番線のホームの外れにある。
500メートるほど歩かされ、いかにもローカル線というようなホームに着く。
やがて列車がやってくる。
懐かしいオルテナウ Sバーンだった。
一昨年、この電車に乗ってフロイデンシュタットからストラスブールにやって来たんだったなぁ。
 
オッフェンブルグで駅舎のすぐ横にあるサンドイッチショップで適当なヤツを買う。
二階建てのフライブルグ行き列車に乗り込み、遅めの昼食。
生ハムと思ってたがスモークトサーモンのサンドイッチだった。すこぶる美味。
今更ながらヨーロッパの駅のサンドイッチの実力を思い知る。
サーモン、スモークのドイツ語を検索。
スモークトは良く見れば「たばこを吸う」の過去分子じゃないか。
なら良く見れば分かったはずだ。
 
南シュバルツバルトに雲がかかり、また雨の気配がぶり返す中、フライブルグ到着。
指示通り駅に直結しているS−バーンに乗る。
雨が降り出している。
ホームの自動券売機ではユーロの札も使える。さすがドイツ。
首尾よくS−バーンに乗ったものの、すぐ到着。充分歩ける距離である。
駅前近くに広大な建物の取り壊し現場があり、どうもアレが昔行ったフライブルグ大学のような気がしたのだが。
駅前繁華街に直結してフ大の事務所がある。
え?こんな賑やかなところに?
建物はすぐ分かったが、しかしどうしても扉が開かない。
他にも回るがすべてクローズになってる。通行人に尋ねるが、「日曜は閉まってる」という。
明日から授業で、本日寮の受付でオープンのはずなんだが。

うっ、もしかして?
 
雨の中を暗然とし、雨宿り先でバッグから急いで書類を取り出し確認する。
もしかして受付は先週だったのか?
8日受付、9日から授業。そうでしょう?
え?今日は何日なん?あちゃ、本日は7日(日)である。
月曜から授業なので、前日の日曜に特別に事務所を開いているのだ、と思っていたのだ。
よく考えればそんなことないよな。
月曜日受付で火曜から授業だった。
はぁ、一日早く来てしまったのだ。
日頃、日付に無頓着な生活やってるのでこういうハメになる。
 
雨の中をホテル探しに、とりあえず駅の方向に歩く。
もう歩いてホテルを探しまわるのはヤメ、と宣言していたんだけど。
あ、そうか。ここでケチらず、スマートフォンでホテルを探すことにしよう。
日頃は、携帯3G回線でのインターネットパケット通信はオフにしているのだ。こういうときにはしかたがない。
アーケードの下に立ったまま、インターネット経由でホテルを探す。
格安はなさそうだった。あることはあるのだが、どうもシュバルツバルトのふもとあたりらしい。
こういう緊急時には遠慮したい。
 
駅から3分、朝食付き74ユーロにする。
i-PhoneのBooking.comのアプリで予約申し込み。
そのまま予約票を保存しますか?というのでOKすると、PDF状になり、アルバムアプリで確認できる。
地図で場所を表示しますか?というのでOKすると現在地からの経路まで表示してくれるのである。
パケット代がかさむので、外ではGPS機能を使ったことがないので知らなかったが、これは確かに非常に便利。ストラスブールでibisをコレで探しておけばかなり助かったのに、と思う。
歩き出せば、地図上の現代地マークが地図上のナントカどおりを歩行に合わせて移動していくのだ。
ただ、3G回線でのインターネット通信が後にどれほどの料金を請求されるのか分からんというのがネック。
ドイツに入ってすぐキャリアを国際パケットし放題対象のVODAFONに変更したので、日額で2900円を越えることはないのだが。
地図を参照するのに上限のパケット料金に達してしまうのなら、タクシーで行ったほうが絶対に安いと思う。
 
ホテルはこじんまりした住宅街の個人経営ホテル。
三ツ星だった。
さすがに近代的大衆的なibisと違ってヨーロッパの家屋の趣がある。
特に私のシングル部屋は昔懐かしい屋根裏風の壁が一部斜めになっている最上階である。窓から隣の屋根越しにシュバルツバルトが見える。
清潔以外には別になにもないibisホテルより落ち着ける気がする。
ただし、エレベーターなし。ふう。

なんとか状況に対応できたので、部屋でゆっくりしてから夕方の外出。
ポケットにスマートフォンとサイフをいれただけの軽装で地上の偵察に行く。中央駅まで歩いて3分。
 
駅舎は新しく、現代的にショッピングセンター機能も付加してある。カフェテリアやスパーマーケットもある。
駅に行けば食事・買い物は何とでもなりそうだ。夜はここのカフェテリアでビールでも飲んでやれ、とか思う。
 
駅の本屋の店先にローマ法王の絵ハガキが多数陳列してある。
あ、やはり9月にエアフルトとフライブルグに法王が来るというウワサは本当だったようだ。
 
駅舎を陸橋で通り越し、裏側に回る。
別に何も無い住宅地で表側からすれば人通りが少ない。
このあたりからアジア系の顔がやたらと多いのが気になりだす。
うん、たしかに多い。
ストラスブールではアジア系人口がほとんど目に付かなかったのだが。
若い層が多いので殆どが学生と思われる。
ストラスブールほどの都会ではないので、人口に対する学生の比率が多くなり、アジア系学生の姿も目立つのかも。
 
散策中、ドンナー・ケバブ屋発見。
本日の夕食は決定だね。
つっかけ姿の軽装で、ケバブをほお張りながら歩いていると、もうここの学生気分。
住みやすそうな街という印象。
帰りに駅のスーパーでビールとおつまみを買って帰宅。

窓の下のヒーターの蛇腹に足をのっけてビールを飲んでいると、多分このまま眠ってしまうだろな、と半ば確信犯的に自己弁解をしつつ、そのまま眠ってしまう。
時差だし、しかたがないだろ。
 
 


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