〔フライブルグ通信〕
[D04] フライブルグ大学ことはじめ2011/08/12 8月8日(月)
朝食はさすが、ドイツの三ツ星だった。
ハム・ソーセージ類がいろいろ。手作り風ジャムも各種。パンの種類も多い。 ただし、雑然としたibisホテルなら何回も食料調達に行けたのだが、行儀よく各テーブルに添えられている花もあるこじんまりとした朝食室では、こちらも行儀良くしなければという見得が食料調達回数を3回までとの自己制限を課してしまう。
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11時前チェックアウト。そのまま隣のブロックのフライブルグ大学学生課に出頭しに行く。
昨日は閉まっていた扉が開いている。
事務所ではアルバイトの学生らしき担当者数名が赤いTシャツのユニフォーム姿で手分けして夏期講座参加者の登録をさばいている。
私とメールでやり合った職員とご対面か、と思っていたのに学生バイトばかりのようで拍子抜け。
「ドイツ語、英語?」と来るので「日本語?フランス語?」と応える。
「誰かフランス語担当の人?」とか呼んでいると「私よ!」とカレン嬢が来てくれる。
二人で机をはさんで説明と質疑応答。
フランス語で手続きができて大いに助かる。
フランス語なら若い子相手に冗談も言えるしね。 1)学生証の交付 20ユーロの保証金支払い、最終日に返却してもらう。
2)市内交通とこの州内の鉄道無料パスの交付
私は本来の学生ではないので、11ユーロ支払って交付してもらう。 で、電車に乗るときどう使うんですか? 「持ってるだけ。コントロールが来たら見せてください。」 3)夏期講座参加証
学生証とどう違うのか分からんが、これが写真入りで、学食カード購入と市内の映画や美術館の割引に使用する。 4)本日から居住する寮の鍵の交付
5)そのほかの行事のオリエンテーション
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さっそく、本日17時からの市内ポイント説明会に参加申し込み。 他に質問は?というので以下の質問をする。 1)ピアノの練習場所はあるか? 「ない、と思うけど明日事務所の人にもう一度聞いて下さい。」 2)夏の間だけ入れてくれる合唱団はあるか?
「あるはずと思うが、明日事務所の人にもう一度尋ねてください。」 3)筋トレできるジムやプールはあるか?
「ある。詳しくは事務所の人にもう一度聞いてください。」 滞りなく手続きができ、これでやっと学生に、と思うと思わず♪♪♪。
すぐに教えられた寮に向かう。
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市電に乗って3駅目。
街外れの高級住宅街風の緑が多い地区である。 ただの学生寮ではないのだ。実は宿舎のランクに「並」と「上」があったので「上」を選択してある。
Adelheid-Testa-Haus。
CARITAS AKADEMIEというのが経営母体。
CARITASか、キリスト教団体だな。
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受付にいたオバサンに部屋まで案内されたが、途中のホールに何とグランドピアノが設置してあるではないか?
思わず「これ、自由に弾けるんですか?」と訊ねる。「もちろん!」やったぜ、ニタリ♪♪♪♪ですね。
何と都合のいいことよ。 | |||
部屋はホテルのシングルよりも広く、シャワー・トイレも個別についている。WiFiも可能。
台所が共用で湯沸し器、電熱コンロ、鍋・調理具が共用使用。 共用だが、棚が各部屋番号別に仕切られている冷蔵庫と個人用の鍵で開ける食料棚。
なかなかの設備ではないか。
ひと夏過ごすには充分だ。 天井まである衣装棚に荷物を解き、しばらく大学・寮から渡された資料を読む。
MENSA(学食)は2時までだって?
あわてて表通りに出、市電を待つ。 街でも大学でも、寮でもやたらとアジア系人口が多い。
別に人種差別をしようというのではないが、向こうから東アジア系が歩いてくる、となるとどうしても目がそちらに向いてしまう。 無意識の内に中国?韓国?日本?と分類しようとしているのかも知れない。 そうでなくとも何となく向こうもコチラを見ているように思えて落ち着かない。
変な話だが、私はアジア系の顔には慣れていないのだ。
この街に暮らしていると、いつかは気にならなくなるのかな? 一昨年にチュービンゲン大学のMENSAを見学したことがある。
同行したヨメは、大学というとどこか郊外の大きな門の中に広大な敷地があって、芝生の上で学生がいちゃいちゃしているのだ、と思っていたようだが、市電の走るただの町中の建物群だったので面食らっていた。 | |||
フ大はもひとつ変な大学で、町一番の繁華街に雑然と店屋と混在している。 今朝行った学生課の建物なんぞ、レストランの中庭を通って入ることもできる。
しかし、この建物がALT UNI. つまりは中世からある大学本部である。
だから、本当はまず大学があって、その後繁華街が取り囲んだというのが経時的な計事実だろうが。 いずこも同じ雑然とした学食前の混雑。←京大西部講堂風と呼んでおく。
MENSAに入り、入り口付近のSERVICE-POINTカウンターに行く。
食堂レジ係のようなオバサンに「学食カード、お願いします」と、先ほどもらった学生証を提出する。
「今日からですねん。」とにっこり。
相手はしげしげとカードを眺めていたが、やおら手続きを始める。
まあ、私のような頭頂が磨り減った豊齢線が「学生ですねん」と言ってきても、にわかには信じがたいとは思う。
カード代7ユーロ。これは最後に返却すれば返って来る。
初期入金として最低10ユーロ入れておく。 とりあえず20ユーロ出す。 カード代7ユーロだから、13ユーロの残金になる、ということを相互に確認をして終了。 わぁ、どだ。学食券も持ってるんだい!
三年前もちょいと学生をやったのだが、あれはあくまで各種学校生徒。
今回は立派な国立フライブルグ大学の学生だもんね。
まあ、本当はニセ学生なんだが、一応今の身分はまったく大学生と同じで学割も効くのである。 二階の本食堂に上がり、学生諸君に混じってお盆に定食を取る。
特にデザートも取らずそのまま精算カウンターへ。 係りのおねえさんが「2.7ユーロ」と機械に入力。 「で?どうすんの?」と聞くと、カードをそこにかざせとの指示。 学食カードは磁気カード式。まったくスイカと同じで、足りなくなれば機械でチャージする。 | |||
適当に席を占め、食べ始めて気がつくのだが、パンと水がない。
すくなくとも自由に取れるようにはなっていない。 多くの学生はミネラルウォーターのボトルをテーブルにおいて食事している。 30年前の学食とはやはり違ってる。
昔の食券形式より磁気カードは便利だけど、昔は各テーブルに水のポットがおいてあったし、不味かったが、輪切りのパンがとり放題だったんだがなぁ。 まあいい。
まだ授業にも出ていないのだが、先ず食べることからフライブルグの学生生活が始まったのだ。
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