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〔フライブルグ通信〕

[D05-6] フライブルグ3つの誤算

2011/08/14

8月9日(火)
授業が始まった。今週は午前のクラスだけで、今午後の講座はないが、各種申し込みや寮生活の準備、Wifiの環境整備とか何かとあわただしく、未だ学校と宿舎との間の往復しかできていない。
本日(記入日)は最初の週末。明日はボーデン湖に遠足。一昨年ヨメと行ったんだがなぁ。
 
今回の夏期講座参加の初期目的として、「ドイツの静かな大学町に暮らし、一人孤独にハイデガーを読む」というような古典的イメージをモデルとして抱いていた。
ドイツの学生生活への、こういう古典的な憧れを共有した方も上の世代には多くいたのではないだろうか。
私も一昨年のチュービンゲン大学見学の際に、そのような憧れでもってズサンだった私の青年期をなんとかやりすごすことができた、というような回想をどこかに書いた。
 
というワケでのフライブルグ大学生活だったが、実はすでに大きな誤算が露呈していたのだった:
 
誤算1) 静かな大学?
なんとも奇妙な具合に大学と繁華街が混在していて、実際に朝の授業を受けている教室はレストランの隣の建物で、この建物の前にもカフェのテーブルとイスが常設されている。
これではアカデミックな雰囲気もクソもまったく無い。
駅前の広大な廃墟はやはり旧大学の建物だった。
大きないい図書館があったらしい。
キャンパスも狭く、これも全く一般の道路と混在していて、一般の方も自由に闊歩している。
さすがに大学のメインの建物KG1とかに入れば、古い国立大の雰囲気は無いこともないのだが。
 
誤算2) 寒い!
初日からずっと雨がちだった。気温は10度から20度の間。とても夏ではない。
秋口から冬の気温ではないか。
 
おまけに雨が急に降りすさぶなんてことがあって、持参の唯一雨具兼防寒用ウインドブレーカーをどこかに置き忘れてしまった。
なんと!
 
まあ、新しく買うほかないのだが、どうするか?
 
 
実はこのウィンドブレーカーは三年前に極超短期留学を決行したときにストラスブールで購入したものだった。
ライン川の左岸で購入し、右岸で無くす。
 
いや、私はこの方面では、すでにギネスブック並の落し物をしているのである。
ニュージーランドのクライストチャーチで買ったサングラスを、実に地球の反対側のノルウェーのスタバンゲルのフィヨルドで落としてしまったのだ。どだ?地元の人ならともかく、こんな長距離をはさんで取得したモノを喪失した人は世界広しと言えど私くらいなもんではないか?
 
誤算3)なんと!日本人だらけ
うひゃぁ。これはなんだ!町中日本語が飛び交っているではないか!
私のクラスにもちょいと変動はあったものの常に3人の日本人が在籍、宿舎にも5,6名の日本人。
ロビーや廊下で日本語が常に聞こえている。
 
火曜夜にフライブルグ大学国際夏季語学講座100周年の記念講演とパーティがあり、様子を見に行ってやっと理由が分かった。
この記念パーティは副題として「日独友好150周年記念」とも記されている。
 
パーティの余興として、フライブルグ大と提携している上智大の学生の余興があり、舞台に上がったのは何と100名近い大部隊だった。
 
そうか。ここは日本とのつながりが非常に強い大学だったんだ。
うすうすそんなことだろう、と思ってはいたのだが、ここまで日本人うようよ状態だとは毛頭思っていなかった。
 
うむ、これで「静かなドイツの大学町で一人孤独にハイデガーを読む」という夢想は絶たれてしまったのであった。
 
しかし、この日本との関係性が実はハイデガーを考えるとき微妙に絡んでくるのだ。
だからこその日本人うようよ、とも言える。
え?なんのこっちゃ? ああ、存在の不快というやつデッガー。
 
(以下次項参照)
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