〔フライブルグ通信〕
[D27] 南シュバルツバルトの町と村(2)2011/08/31 8月27日(土)
雨模様で寒い。 本来なら学校の遠足で今日はシュバルツバルト観光に行っているハズだったが、何となく申し込みそびれてしまった。 しかし最後の週末だな。もう宿題もそんなに出ていないし。申しこんでおくべきだったかと自問する。
3回週末遠足があって、(1)ボーデン湖 (2)アルザス (3)シュバルツバルトだった。 いずれも一昨年ヨメと旅行した場所だが、微妙に角度がズレているので毎回参加したのだが。 結果は雨模様なので行かなくて良かった。まあ、ゆっくりしようと思い、誰もいないロビーでピアノを弾いていたら、何だか晴れてきてしまった。かくて、平日の準日課のように夕方の近郊散歩となる。 | |||
ノイシュタット(NEUSTADT)
もう今週4度目の南シュバルトバルトREGIO線。 ノイシュタットも何度か通過したが、やっと駅に降りたち、駅前を歩きだす。
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おっと、その前に帰りの時刻を掲示してある時刻表で確認。
駅を出たところで雨が降ってきた。あちゃ。
駅を出たところというが、別に駅舎から出たわけではない。ホームから直接外に出るわけだ。 正面にもう何度も見たミュンスターの尖塔が見える。 線路が谷筋にあり、町はそこから丘の上の斜面に展開しているという様子だ。
この雛壇構造が列車からみると非常に好ましい遠近の広がりを感じさせる。
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町に相対する形の線路の背後の山並みに雨が降り注ぎ、立ち並ぶもみの木の重なりがうっすりと霞んでいる。
雨に沈む黒森。 シュバルツバルトには雨が良く似合う。 ああ、やっぱり第一印象とおりの住み易そうな町だ。
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雨が本降りになってきたが今日は傘ももっているし防寒対策も怠らなかった。
雨にも関わらずゆっくりとミュンスターに向かって坂道を登る。
ミュンスター前のラートハウス(市庁舎)
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ここが町の中心で、ミュンスターが翼を広げたように横にハオプトュトラッセ(メインストリート)が続いている。
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家並の隙間から裏側の谷が見える。 そしてその向こう、シュバルツバルト終端の丘の斜面にも点々と家が見えている。 この遠近・高低の広がりがこの町に好ましい奥行きを与えている。 | |||
ああ、ひょっとしてこの町で私はこれからの余生を過ごすことになるのかも知れない、とふと自分でかけた魔法にわざとかかって見たりする。
雨は降っているが、いつになくすがすがしい気分で町筋を歩く。
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家並みの向こうに透けて見える谷の部分は緑地公園になっているようだ。 奈良市のように町の中心に町の面積比率からすると広大な緑地がある。 しかも緑地全体が沈んでいて、その向こう上方に次の町筋がみえる。 変化のある地形が絶えず構図を動かし、どこまでも散歩をつずけていきたくなる。
歩いていると次第に雨が遠のいていく。
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町の外れまで行き、緑地部分に降りて遊歩道をたどる。
町の人々は朝・夕ここをゆっくり散歩しているんだろうか。
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町外れにまったく殺風景な「現代風」アパートが2棟、何とも目障りな姿をさらしている。
いや、逆に言えばあのアパートのベランダがこの奥行きのある緑地に直結しているのだ。なんとも贅沢な住居というべきだろう。
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いつまでもこの町の住民でいたかったが、ベンチは雨で濡れているし、もう店はすべて閉まっている。 | |||
次の列車でチチゼー方向に帰ることにする。チチゼーのような俗化した大観光地なら店屋は開いているし、ビールでも飲めるというものだ。
しかしチチゼーに着いても雨上がりの寒さが抜けず、もう誰もテラスには出ていない。私も寒いので別に冷たいビールの吸引力は感じなかった。
クアハウスでトイレを借りた後、湖岸の町の裏側を見学にいく。
しかし別段何事も無く、ただの小ペンションが並んでいるだけ。 | |||
小さな教会があり入ってみるが、あまりに簡素な内陣だった。
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教会の出口でオルガンコンサートのポスター2件。
ひとつはフライブルグ大聖堂、もうひとつはザンクト・ペーター(村)の教会であるらしい。 ザンクト・ペーターはこのあたりの鉄道駅からバスに乗り換えてしかいけない南シュバルツバルトの村である。
28日日曜日4:30開演とある。 明日じゃないか。そうか、よし。
日曜日の予定が決まった。
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