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〔フライブルグ通信〕

[D31] フライブルグ残留 第一日 不正乗車で捕まる

2011/09/07

8月31日(水)
チェックアウトの予約が10時なので、朝から適当に荷造りする。
引越し先が同じ建物なので簡単。荷物が何個になろうと持てればいい。
10時かなり前にノックあり。
宿舎の従業員ではなくジーンズの学生風がニコニコと入ってきてチェックアウトの確認という。
フランス語ができそうなのでフランス語に切り替える。
チェックは簡単。物入れ引き出しに忘れ物がないか見ただけ。
鍵は彼女に返す。
冷蔵庫の野菜・ビンズメの類いは私が延泊するのでそのままで、ということになった。
彼女は大学の方の担当者で、今まで大学が一括して借りていた、というような形式だったようだ。
 
この宿舎にあと3日延泊するのだが、午後14時だかに改めてのチェックインをすることになる。
荷物をサロン(ロビー)に置いて様子を見にレセプションに行くと、先ほどの担当の学生風が帰る所でレセプショニストのおばちゃんと別れの挨拶をしていた。
私の顔を見た学生風は私のチェックインは直ぐできないのか聞いてくれる。
出来ますよ、とかなんとかで名前を確認すると直ぐ鍵をくれた。

早速荷物を持って引越しする。
レセプションすぐ近くの二階だった。
あまり階段・ホールの談話室に近いかと思ったが、中間扉もあるので大丈夫だろう。
部屋はまったくのホテルのシングル仕様で、今までよりはかなり狭いので少し不満に思えたが、清潔そうだし、機能的に見える。
それにすぐ前に談話室があるのでそこでゆったり過ごせるだろう。
隣に台所があり、何とダイニングテーブルが設置されている。
今までのように部屋に持っていくのではなくて、台所で食事ができそうだ。
冷蔵庫や台所自体の仕様今までよりレベルアップしている。
全体に快適な滞在型ホテル仕様で、これで朝食付き48ユーロでは安いと思う。
とにかく今までの部屋が学生用特別料金で安すぎたので、最初は高いと思ったものだったが。
冷蔵庫も部屋個別に区画されていてそれぞれ鍵がついている。
さっそく以前の部屋の廊下の台所から食料も移動させる。
 
ヨメに鍵が開けっ放しの以前の部屋から電話しておく。

新しい部屋に荷物を適当に配置して本日の予定にとりかかる。
 
2時前、MENSAで食べようと町に出る。
町や大学からは見事に日本人の姿が消えていた。

MENSAの前には再会を喜ぶ帰ってきた本来の学生達の姿。
にぎやかな夏休みが終わり、本来のフライブルグ大学の顔になったのだ。
あまり列のないMENSAではビストロが閉鎖されていた。
 
 
さて本日8月31日、いろいろお世話になった無料パスREGIOKARTEの最終有効日である。
この切符で行ける最も遠くの駅のドナウエッシンゲン(DONAUESCHINGEN)まで行ってみる。

いつもの列車でノイシュタットに行き、それ以降行きの列車に乗り換える。
乗った列車はウルム行きだった。
 
レッフィンゲンを通過すると列車はシュバルツバルトの山から次第に下っていき、見開きのいい平野部も見えてくる。
列車が大きく左折してシュバルツバルトの縁を回り込んでいくとき、突然車掌が後ろから現れ切符拝見。
 
錦の印籠のRESIOKARTEを見せる。
ところが、これはダメだと言い出すのだ。
え?と思ったが、やっぱりとも思う。
どうもドナウエッシンゲンはこのREGIOの外側の町のような気がしていたのだ。
しかし、乗り越し差額を支払えばいい、と思っていたので「では、乗り越し料金は?」と尋ねる。
だが、相手の表情は厳しい。
車内での乗り越し清算処理ではなく、あくまで有効切符なしの不正乗車となってしまうようだ。
むむ、少し甘く見ていたようだ。
私にドナウエッシンゲンまで行けると教えてくれたN氏にひとこと文句を言わなきゃと思う。
が、私とてこの切符でバーゼルまで行くクラスメートY氏に、検札がきたら、乗り越し清算したらいい、と受けあってしまった実績があるのでまあ、しかたない。

しかし、外国の列車で不正乗車で咎められるのはいろいろ面倒だ。
これからどうなるのか不安になる。
多分40ユーロの罰金だと思うのだが。
この書類に必要事項を書いてサインしておけ、と書類とボールペンを渡し、小男老年の車掌さんは次の駅の停車準備にあたふたと行ってしまう。
書類は「私は不正乗車をしたことを認めます」というような内容。
適当に書くが、わからん項目もある。
車掌さんが戻ってきたので、ここはどう書くのかと聞く。
出生地と聞こえたのでOSAKAと書いていると、違うとかいう。
生年月日!あ、そりゃま、そうだね、生年月日ね。
とたどがどしいドイツ語でやりあっていると、相手の表情に苦笑が混じる。
どちらかいうと、”しまった、やっかいなヤツにつかまった(つかまえてしまった)、というところか。
うろ覚えの宿舎の住所に適当な番地を記入して渡す。
 

車掌さんはどこか近くの空いている4人がけテーブル席に行き、汗かきながら私の筆跡を携帯端末に入力している。
次の駅を通過し、まだやっている風なので、近寄っていって「早く降りて引き返したいんですが・・」とそれとなく圧力をかける。
「うん?うん。」と相手は必死の入力作業。
やがて完成、携帯端末から立派な違反切符が出力されてくる。
それを手渡し、「帰りは駅の自動販売機で切符買ってください。」という。
即罰金支払いか、と思ったがそうではなさそう。
ひょっとして見逃してくれたのでは?とも思ったりした。
丁度、列車は駅に停車するところである。
車掌さんに挨拶し、ホームに降りればドナウエッシンゲン。
結局、やはり今のところ無料でここまで来たことになった。
早速帰りの切符を買う。
どこからがREGIOKARTEの有効範囲か分からないが、とりあえず確実と思えるレッフィンゲンまで5.1ユーロ。
 
ひととおりドナウエッシンゲンの街を見ておこうと駅前から中心街に向かってをき出すのだが、もう駅のツーリストインフォーメーションも閉まっているし、うかうかすると夜になる。
適当に大きそうな教会の尖塔を目当てに駅前地区を一周する。
これといって街の特徴は見当たらない。ドイツのありきたりな地方都市である。
一時間程歩いて、観光終了。
 
もうしわけないが多分、私は見るべきものを何も見ていないんだろう。
 
 
 
 
そのうち日暮れて、帰宅の列車。
切符もっているのに検札が来ないと、買って損をした気分になるのは日本のシステムが身に染み付いている所以か。
観光としては不発だったが、経験としては有意義であった、としておこう。
 
いつも通過するとつい撮影してしまうノイシュタットの教会→
なかなか町とのバランスがよくてほれぼれする。
最初の遠足でバスの車窓から見え、ほとんど一目ぼれ状態だったなぁ。
 
 
PS:
後日、ドナウエッシンゲンまで行けると私に教えてくれた張本人のフライブルグ残留組N氏にMENSAで会った。
さっそく違反切符のいきさつを報告。
しかしN氏のREGIOKARTEには平日の16時以降だと、確かに隣の地方(REGION)のドナウエッシンゲンまで有効となっている。
N氏の言は正しく、私の、違反金を踏みたおし国外逃亡するという案を居合わせた全員3名の満場一致の賛同を得たのである。
しかし、私のREGIOKARTEとN氏のとは意匠がちがっている。
いずれも夏期講座事務局から同じ料金で交付されたものだ。
もし違う種類のチケットが配布されていたのなら、夏期講座当局の不手際によって引き起こされた不都合という他は無い。
また責任者のFrau Nothenにクレームメール書かんと、とは思うが、私も忙しい。
そうでなくとも別件でNotenさんにはハイデガー関連で一本メールを書くことになっているので。

 
↑その夜の豪華な夕食。 
メインは酢漬けニシンのサンドイッチだが、即席ラーメンにカツ、なんと土瓶にはお茶まであるぞ。


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