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〔フライブルグ通信〕

[D34] ノイシュタット暮し+南シュバルツバルトの町と村(5)

2011/09/09

9月3日(土)
朝、荷物を造りチェックアウト。
やはり食料と買った食器を一袋にして持ってきてしまった。
まあ、ローカル路線のノイシュタットまでだから大丈夫だろう。

土曜日で学校もないらしく、ロビーにはだれもいない。ピアノを弾きながら適当に時間待ちをする。
 ホテルのチェックインは午後4時だが、まさかそれまで待つわけには。11時台のノイシュタット行きに乗ることにする。
これでフライブルグとはお別れである。
 
駅でチケットに印字して、殆ど毎日のように乗り倒したDBのREGIO路線にもう一度乗車。
 
← リュックの後ろの赤い袋に食べ残した食料がつまっている。リュックのポケットには飲み残した牛乳。
 

40分後ノイシュタット着。
駅前ホテルでチェックイン。

一階は全てレストランで4つほどの小部屋に別れている。古いヨーロッパの田舎風の造りである。
 
フロントの奥からひとのよさそうなおじさんが出てきて、「まだ部屋が・・」というので「荷物預かってくれればまた後で来ます」という。
ちょっと待ってくれ、と階段で2階にあがり、降りてきて一部屋用意できている、ということでチェックインとなる。
まだ、お昼なのにチェックイン出来て昼からの行動が自由になった。
24時間券の出番と喜んだ。
ひととおりおじさんがホテルの説明をし、「そしてこれ」と渡してくれたのが「ホーホ・シュバルツバルトゲストチケット」。
え?これがあるとこの地方路線の列車・バスが無料って?
「あ、既に24時間券買ってしまったのに!」
 
そういえば、前回フロイデンシュタットに投宿したとき、ホテルの宿泊券をみせれば鉄道・バスは無料という説明だった。シュバルツバルトのような国民的観光地では、そのようなシステムになっているようだ。
しかしまあ、朝食の他このような特典が付いているとは得した気分でもある。
いや、24時間券損した気分か?まあ、どちらでも。
部屋はシングルにしては広く、玄関・水回りと寝室の間には扉があり、バルコニーが付いている。
バルコニーは部屋が二階だし、駅側についているのであまりいい眺めではないが、それでも外で涼めるのはいい。
なかなかいいホテルではないか?
実をいうと、バルコニーは昼からは直射日光で暑く、翌日は雨でどうしようもなかった。

部屋が広いのはいいが、照明が昔風に暗く、「静かな田舎のホテルでハイデガーを読む」という密かに目論んでいた目的を達することは今回もできなかったのである。
 
持参の食料で昼食の後、さっそく24時間チケット+ゲストカードを行使しにいく。
先ずは鉄道でTITISEEから乗り換えて支線終点のゼーブルグ。
 
←バイクツーリングの連中。
週末にはバイクでツーリングという過ごし方が非常に多くなったな、と今回の訪独で痛感する。

駅前の連絡バスの表示をみ、地図の看板でだいたいの検討をつけて乗り込む。
 
ザンクト・ブラジエン行き。
それどこ?さあ、行ってみないとわからんが。

運転手に24時間チケットの方を見せ、乗り込む。
鉄道よりもバスがやはり観光気分になる。
うれしいな。
シュバルツバルトのはずれの方の山間を縫ってバスは走っていく。
 
 

 

ザンクト・ブラジエン
(St.BLASIEN)
やがてザンクト・ブラジエン着。
思いもかけない賑やかな町だった。
おおきなドーム教会があり、どうやらこれが観光名所らしい。
今日はまた何かの催しものがあり、大勢の観光客でにぎわっている。
四国巡礼のお札所のような意味があるのではないか。
まあ、シュバルツバルトのはずれの山中のこんなところにまでやってきた日本人はいないだろうと、ちょっとスノッブな倒錯した高揚感も(^^;
 
町の守護聖人が聖ブラジウスということらしいが、私はこの方については何も知らない。
町は山間の谷にあり、少しアルザスのカイゼルスブルグと似たような地理的な印象を受けた。
大ドーム前に特設のテントのビアガーデンあり。
ラートハウス一帯に蚤の市。
 
真下に行くとたしかにでかい。
 
こんな田舎に不相応なくらい巨大なドームである。

内部の空間はさすがにひんやりとして涼しい。
天井画を中心にした完全なシンメトリーの蒼穹だが、主祭壇が奥に伸びている。
午後の直射日光が暑かったので、この涼しげな空間はありがたかった。
 
さぞ、いわれのある守護聖人なんだろうと思い、パンフレットをいただいて読もうとするが、そこまですらすらドイツ語が読めるわけがない。
 
ドーム自体は最近の建築らしい。

シュバルツバルトの山中に突然出現するこの巨大なドーム。
この出現のミスマッチの驚きがこんなに観光客を呼び寄せるのか。
 
←飾られているイグナチオ・ロヨラさんの肖像と言葉。
 
だいたい、ドイツはプロテスタントなので、もちろんロヨラさんの方がルターさんよりも古い。
ちょいとプロテスタントの系統のハナシではないようだ。
 
 
 
 
今、ちょいとWikiで見ると、なんとローマのサンピエトロ寺院、パリのアンバリッドに次いで、ヨーロッパ第三位の大きさだそうだ。
しかし、ドイツ語ではくわしい町の歴史が書いてあるが、フランス語バージョンではそのことしか書いていない。
日本語は皆無である。
 
なら、日本で唯一のザンクト・ブラジエンについての資料として私のこのブログの写真、どうぞご自由にお使いくださいませ。
 
 
 

また同じバスでゼーブルグに引き返す。

丁度太陽がそろそろおだやかになって来る時間で、湖の拡がりが涼しげである。

連絡の列車が待っているが、ここで少しゆっくりする気になる。
駅のビストロ(ピザ屋だった)のテラスでビール。
ノイシュタットに住み、ゼーブルグのビストロで湖を見ながらビールで一時間過ごす。
予定どおりである。
上々の出だしじゃないか。
 
 
さてそろそろ夜、TITISEEに戻れば沢山のレストランがある。
車内にて。ちょいと顔が赤い→
 
TITISEEのレストラン街は相変わらずの賑わいだったが、そろそろシーズンオフの気配もどこかにある。
 

中国語の呼び込み看板→

ひところはこういうケースでは日本語だったのに。まあ、心斎橋でも中国語の看板が多くなったのでこれは世界的趨勢でしょうなぁ。
 
ゆっくり左右の岸のレストランを物色しながらそぞろ歩く。
思わしいところがなければ「行きつけの」クアハウスの二階にするか。
しかし、メニューを見るとそう安くは無い。
今回は思い切って、少々高そうな湖岸のテラス席があるレストランに入ってみる。
入るとサラダバーがあり、なんだかシステムがややこしそうでくじけかけたが、テラス席の奥に陣取る。

一番安い料理とビール。
係りのおにいさんが注文を聞いて何かを説明している。
英語にしてもらう。
サラダバー取り放題。
あ、それなら安い!
 
結局、この前ザンクト・メーゲンで食った昼食と同じだが、サラダバーがありがたい。
生ハムとパンというのが、どこでも一番安いメニューのようだ。
例によって最後のコーヒーまで飲んで、全体にそれなりの金額にはなったが、明日もここで食事してもいいなと思う。
なんせ、サラダバーだからね。
 
ちょいとゆっくりししすぎて、出たのが9時。
駅に行くと45分待ちである。
また中心街に引き返し、ベンチでぶらぶら。
10分で帰れるとしても、夜の連絡はそんなに多くない。
最終は12時近くにバスが一本あるようだ。
私は夜遊びをしない人なので別にそんな時間まで飲んでいようとは思わないが。
 
ノイシュタットに帰り、もったいないのでそのまま夜の町をちょいと歩いてみるが、雨が今にもふりそうだ。

帰って寝る。
 


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