〔フライブルグ通信〕
[番外4] イエナ、ワイマールの東欧風迷路2011/09/17 9月7日(水)
朝からひどい雨。こりゃダメだと覚悟して、朝食後たまっているブログ記事一本アップ。 ついでに、レセプションで9日のDBオンラインチケット(ベルリン行き)を印刷してもらう。 10時過ぎになって天候回復の気配。 外出支度してレセプションで市電の切符買おうとするが、車内で買えるとのこと。 最寄りの市電駅で乗るがどこにも自動販売機らしきものはない。 ←(注)本当は先端の車両に一台だけある。 ひょっとしてバスのように運転手から?まあいいか。
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少しヒヤヒヤしながら、イエナパラダイス駅に降りる。
とにかくツーリストインフォーメーションで市内交通一日券を買わねば宿に帰るにも不自由する。 これ、駅付近の様子→
特に後ろにバカげたイエナタワーが異様にそびえている。
とにかく、旧東独だからね。
イエナの中心街を少しうろうろ歩き。
東ドイツ風の安手の建物と、どこか雑然とした人の流れ。 | |||
中心街は狭いのだが、道が入り組んでいて気がつくと元のパラダイス駅に戻っていたりする。 マルクトプラッツでノミの市。
殆どが古着屋さんなので、「掘り出し物市」ではなくて本当に「蚤」の市のような。
停留所の張り紙で市内交通の案内を読むが、いちいち判然としない書き方である。
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フライブルグと同様、市街地にイエナ大学本部があった。
イエナ大学、何かニーチェと関係があったと記憶するが?
↓イエナ大のMENSA
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大学探訪より歩き疲れる前に市内切符購入が先決。
東ドイツ風のわかりにくさ。 カフカの城かい?
ツーリストインフォーメーションでは市内の切符を扱っていないそう。
交通局の窓口を地図で教えてもらう。
ホテルやツーリストインフォーメーションで市内切符を扱っていないとは、どこか東ドイツ風のセクショナリズムが? | |||
近くだが教えてもらったイエナ交通局(JENA VERKER GSELSHAFT)の看板が見つからない。
これかな?と思うが別の会社らしき名前である。
見つけたIBISホテルのフロントで切符買えるか?と尋ねると向かいのショッピングセンターの中で買える、と。
ショッピングセンターの中の一角にいかにも風の窓口が並んだそれらしき事務所があった。 一日券4.5ユーロを明日の分も含め2枚購入(しかし、これは意味なかった。後でわかるのだが。)
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市内観光より、西駅からエアフルトに行かねば。
いろいろ試行錯誤してわかりにくい市電・バスを乗り換え西駅(JENA WEST)着。 歩いてもたいした距離ではないのだが、なんとか市内の地理・交通感覚を理解したい。 西駅に到着するが期待したDBの旅客窓口はなさそう。
もしかして駅裏にバスは着いたのか?
まあいい、地下通路の自動販売機でエアフルト往復を買う。 8.5ユーロ。
往復と指定しているのに何故か出てきたのは往復とは印字されていない。 おかしいとは思いつつそのままホームに到着していたワイマール行きに乗り込む。 ここで一つ改札機に切符入れるのを忘れた。 すぐ出発の切符で、発行時間も印刷されているので不要と思ったこともある。
昨日のバイロイトからの切符は、改札機に入らなかったので駅員に尋ねると印字不要とのことだった。
それで車内の検札も別に問題なかったのだ。ということもあったので。
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さて、イエナからワイマールの、どことなくくすんだ野原の景色。
小麦畑も多く、南ドイツの牧草地帯とはあきらかに風景が違う。
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などと思っていると検札の女車掌さんが来る。
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チケットを見せると、機械に通さないとダメという。
え?とか言ってると、外国人と見て「次からはちゃんと印字して下さい」と切符に時間を書いて返してくれた。
それから「この切符で240分以内なら電車でも市電でもバスでも使えますので」とかの説明。
こちらがたどたどしく受け、「これでワイマールに途中下車できます?」と聞くと「Ja! ただし、」とドイツ語の説明が始まる。
私の反応がはかばかしくないので、前の席の学生風に「英語できる?英語で説明してあげて」と聞く。
学生風は「え?」とヘッドホンを外し、「ダメです。」という。
二人で苦笑いしてるので、私が「4時間以内、電車バス全部」とカタコト風ドイツ語で繰り返すとうなずき、満足して前の方に行ってくれた。 しかし、あまりよくわかっていない。
この切符はDBだけでなく、4時間以内ならすべての交通機関に有効ということは理解した。
で、この切符で4時間以内ならイエナに帰れるのかというとそうでもないらしい。 私は単純に往復切符を買ったハズだが、どうもそういうシステムの切符しか買えないのだ。 切符自販機のドイツ語は全部理解できると思ったのだが、やはり大事な部分はフランス語版で確認する必要がある。 ワイマール到着。
向かいのホームのエアフルト行きに乗りかけたのだが、4時間あればその間にワイマールを一回りできるのでは、と思い直し、途中下車。
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駅前に出れば何とかなるだろうと、街を観察するとどうやら駅前真っ直ぐの道が中心街まで到達しているような雰囲気である。 | |||
道と家並みとカフェの存在でだいたいそう思って間違いないと確信する。 とにかく中央通りが突き当たりになっている辺りがクサイ。そのまま歩き出す。 また、ドイツの都市の駅の案内所はDBの列車の情報だけで観光案内所ではない。
観光案内所は中心街にある。
だからとにかく駅についたら中心街まで行かないと地図・情報が得られない。
↑だから、事前に調べておけ! | |||
結局その方向で当たりで、ゲーテプラッツ、シラー博物館、ゲーテの家、ワイマール大学等、ぞろぞろ出てくる。
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イエナは東ドイツ風の雑然とした商都のイメージだが、ここはもう少し整然とした建物が並び、さすがの文化都市という風格がある。
ちょいとイエナとは貫禄が違うようだ。
もっとも観光収入が主な財源だろうから、その整然とした景観を保つ必要があるんだろう。
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←手をとりあってるゲーテとシラーさん
ここで小用の気配が切迫し、カフェでコーヒーを飲んでトイレを借りる。
駅にトイレがあったのだが、70セントとあり、ばかばかしくて行かなかった。 しかし、トイレだけではなくて、中央駅から歩いてきたので休憩は必要だった。
もう学生風の貧乏旅行のマネはしまい、と決めていたのにこのザマである。
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シラー博物館→
フランツ・リストの特別展をやっていた。バイロイトでも見学したので割愛(^^;
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←ゲーテハウス前の広場
ゲーテハウスは見学しようかと思ったのだが、エアフルトに回らねばと割愛、駅にもどることにする。
4時間あればワイマールに回れるな、という貧乏根性が中途半端なワイマール滞在にしてしまった。
本日はエアフルト、明日ワイマールのつもりだったのだ。
しかし、空模様が怪しいので行けるうちに行っておけと思ったのも事実。
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ワイマール大学も中心街にある。
フライブルグやイエナとは違い中心街といっても商業地区ではなく、歴史的風致地区なのでこの大学の立地にあまり違和感はない。
しかし、MENSAはどこなんでしょかね?
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←大学図書館前に展示してあった巨大な小学生椅子。
大学前のバス停で路線図を確認していると、中央駅行きのバスがくる。
どうかわからないが、乗り込んで運転手に切符を見せ、これで中央駅まで乗れる?
と尋ねると、もちろんというような顔でうなずく。 おや、本当にこの切符でバスも乗れるのかと嬉しくなる。
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どこかの停留所で乗り込んできた学生風が、運転手とちょいと喋っていたかと思うと、セーターの下から身分証明書を取り出し、検札員に変身した。 私の切符を見て読んでいたが、「これはワイマールでは使えない」という。
「しかし私は運転手に確認して乗った。」と答える。
検札員くんはまた運転手の所に行き「あんた、そんなこと言ったん?」とか確認している気配。
「では今、切符買ってください。」との妥協案を出してくる。
次の停留所でバスが止まったとき、運転手に「切符買わんといかんそうで」と2ユーロコインを出すと、運転手はうなずいて切符とお釣りをくれる。 まだ後方にいた検札員に切符をひらひらして見せると、うなずいている。 ワイマール中央駅でバスを降り、エアフルト行きの時間を確認すると30分以上の待ちである。
DBのサービスポイントに行き、係りのオバさんに切符を見せ尋ねる。 「フランス語?それとも日本語?」という呪文を唱えると、とてもとてもとにこにこして「英か独」と答える。
まずフランス語できますか?と聞くと効果抜群のようだ。 どうやらフランス語ができないというちょいとした劣等コンプレックスがあるのでは?
で、日本語は?で「まさか!」と笑いをとると、こちらのドイツ語をその気になってゆっくり聞いてくれる。
結局、このチケットでエアフルトの市内の交通機関は4時間無料、ということだ。
よし、解った。この地方の都市間の鉄道切符はいわば”City Mobil"が自動的に付いているのである。 うむ、そしたら帰りのイエナ行きではイエナ市内の交通が無料になり、イエナで買った市内一日券が意味なかったことになる。 まあ、しかたがないやね。 | |||
今、やっとシステムが理解できたので、そちらの解決のすっきり感の方が強い。
朝から何だか東ドイツ風の迷路に迷い込んだような気がしていたのだ。 何かする度にどこからか検札員が現れ、不可解なことを言い出す・・・ カフカの城状態ですかね。
しかし、これでどこかスッキリした。
何回かの失敗の末、とにかく回答を得た。
駅のパン屋で菓子パン一個買い、ワイマール駅前広場のベンチで食べる。
東欧にはどこか不可解なシステムの壁が立ちふさがっていたのだが、運営する人々は皆エライ親切だった。
杓子定規に規則でしばろうとはせず、どちらかというと外国人に対する素朴な好意が感じられた。
もはや東欧でもないのだ。
うむ、その善意が外国人に対するものだったのか、あるいは私のような老人初心者に対するものだったのか・・・
もう学生ではないんだから、年齢相応のゆったりとした旅をしようと決めていた。
しかし、これからエアフルトに行き切符の市内交通有効時間以内に大学を見学して帰ってこなければ。
↑こらこら。
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