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〔フライブルグ通信〕

[番外5] エアフルト大学見学

2011/09/19

9月7日 続き
エアフルト3時着。
全部のホームの上に屋根が乗っている都市型中央駅仕様。
 
チューリンゲンの州都で、もうこれは都会の風格。(チュービンゲンではないので間違えてはいけない>ヨメ)
しかし、ホームの下は市電の線路と商店街。
これは日本の繁華街の駅に似ている。
 
 
エアフルト駅に到着し、すぐ目にはいるプレート
「ナチスの絶滅収容所にエアフルトから出発していったユダヤの子供・婦人・男達への追悼のために」
 
エアフルト。
30年前にこの町を通ったとき、共産党大会かなにかがあって、いたるところの壁にスローガンがはりめぐらされていたことを思い出す。
重層する私とエアフルトとの歴史関係。
 
4時にはチケットの有効時間が終了してしまうので、急いで市電の路線図や街の地図表示を検討する。
中央駅の次の市電駅のアングリが中心のように見える。
適当にその方向の市電に乗り街の概要を頭に入れようとする。
都会型の家並みだがやはり東独風に簡素で壁に装飾や凝った出窓なんかはみあたらない。
しかしそれはそれで統一感があり、すっきりした街並みにも見える。
←マルティン・ルターさん
ええと、ここで何をしたんだっけ?
 
市電は次第に普通の町筋を通り、どうやらそのまま郊外に行きそうなので、降りてもう一度反対側の市電に乗り、中心ターミナルと思えるアングリまで戻る。
ツーリストインフォーメーションへの矢印を見、先ずその方角に歩く。
しかし、ツーリストインフォーメーションではやはり一日券は扱っていないそう。
車内で買えるという。市内観光用地図をもらって出る。
このあたり、どうも観光局と鉄道の連携があまりよくないような気がする。
セクショナリズムか。
イエナの市交通局窓口で市内交通一日券を二日分買ったのだが、このとき窓口嬢は二日分だったらイエナカードの方が得ですよ、と言って欲しかった。
市観光局発行のイエナカードは48時間有効で同じく8ユーロ。
市内交通無料の他、博物館等の無料・割り引きが付く。
それに一日券2枚だときっかり2日分だが、48時間有効だと、昼過ぎに購入すれば三日目の朝の交通まで有効ということになる。
 
出ればラートハオス前の広場、どうやらここが観光の中心らしい。
 
さすがの景観だが、この手のものはしかしもう見飽きている、と言わせてくれ。
私の目的はエアフルト大学の見学である。
別に深い意味はないんだけど、この夏の夏季講座にフライブルグ大の他にこの大学にも願書を出し、2回ほどメールで担当者とやりとりをした。
来年は是非、と営業されたこともあり、どんな大学だったのか見ておいてやろうと思ったのである。
そういう軽い引っかかりでもあれば、気楽な旅行の目的地を捏造できるというものである。
 
また小用の気。くそ、なんだか最近妙に近い。
仕方なし。思い切って50セントと表示してある有料トイレに行く。小銭を集めて差し出すと、オバちゃんが掃除の手を休めて受け取り笑顔になって「ダンケシェーン、ウンテン」という。
階段で地階に降りると、さすがに清掃が行き届いた清潔なトイレがあった。
 
ヨーロッパの公共無料トイレの汚さにはうんざりしていたのだが、これは確かに有料仕様のトイレである。
ホテルのごとく落ち着ける。対価を支払うだけの価値はある。
尿意をこらえて旅行するより、50セントで出した方がすっきりするのは当然だ。
これはよく考えてみれば日本ではタダなのに、と先ず思ってしまうからだ。
大事なサービスの提供を受けているのだから論理的にはタダではあるまい。
日本でタダなのは、何かしら他の料金に上乗せされているからだろう。
必要なお金を支払うこと、当然じやないか。
 
このとき、私は自分がもう学生ではなく、ギリギリの貧乏旅行をするには、非常にみっともない歳になっていることを思い出した。
バス代をケチって歩き、トイレ代をケチって走る。・・・・もうするなって!
4時までに市電に乗らないと、タイムアウトである。
しかし、4時過ぎれば2ユーロちょいとの切符を買えばいいのだ。
そんなはした金をケチって4時までに、とあわてることなど全く無意味である。
目的に向かって自分の速度で歩けばいい。それができるくらいの小銭くらいあるだろう。
 
トイレオバさんと別れの挨拶をし、決然とトイレから出る。
悠然と市電に乗り込み、まだ多分連絡切符が有効だと思うが、車内の自販機で24時間券を買おうとする。
しかし、相変わらず私のカードは自販機が食わない。小銭はない。
じゃぁ、いいか。(^^;
 
市街地を外れたところにUniversitaet(大学)という駅がある。バイロイトでもイエナでも市電・バスの駅名を探せば「大学」という駅が見つかる。
各都市に一つだけ大学があり、ラートハオスと同じように都市の特定の地区の名前になっている。
大学自体がその都市の重要な機能であり、力をいれて集客もする都市資源であるといってもいいだろう。
 

エアフルト大学

殆ど人影がない。
校門を入れば郊外型の学校の建物が緑の中に配置されている。
昨日のバイロイト大は学校離れしていて、行楽地と見まがうような新しい施設で、学生は実は遊びに来ているのではないかとも思えたのだが、エアフルト大はいかにも学校らしい建物群で実直な感じである。
かなり日本の地方国立大のイメージに近いとも。
しかし誰もいない。
水曜日の午後は講義はないんだろうか?それともまだ学期がはじまっていない?
MENSAがあった。
テラスのパラソルは閉じられていて建物には入れるが、食堂は閉まっている。これも実直な感じである。
ここでヨメからの電話コール(コールを交換するだけで出ないと決めてある)があったので、エアフルト大MENSA前とメールを送る。

とにかく誰もいないので、どこか不法家宅侵入というような気もしたのだが、わずかにポツリと歩いている人も見つかる。
ひそかに行く先を見届け、間をおいて入っていった建物の一つに入る。
ホールの向こうにトイレがあり、先ずトイレを借りる。
わずかに人の気配があり、2階の一室で講義が終わったようだ。
 
二階に上がると教室から数人の学生が出て行くところだった。
後に付いて長い廊下をあるく。
このあたりはどこの学校でも同様の廊下と小教室の並び。
 
学生の一群の後に同様に講義が終わったところのような顔をして付いて歩いていると、建物から出て、学生達は図書館の方向に歩いて行く。
 
エアフルト大学図書館。
ここだけ大きなガラス張り風の近代的な建築で一画にカフェーがあり営業中。
 
郊外住宅地のはずれでいかにも学校らしい環境。
 
しばらく大学内をそぞろ歩いたり、ベンチで休憩したりしてすごす。
いつの間にか大学構内を見て歩くのが私には一番面白い観光スポットになってしまった。
普通は観光の対象ではないのだが、それぞれ特色があり、トイレや休憩所その他の施設もあって、なかなかいい観光名所だと思う。
ただし、あまり大勢で押しかけてワイワイさわぐところではないのはいうまでもない。
 
午後5時、大学前の市電の停留所前から中央駅行きに乗り、一回券を小銭で買う。
 
観光案内所でもらった地図を見ると、途中で眺望箇所のマークがある。
古い要塞跡があるようだ。
一回券の有効時間は一時間である。
では、30分だけ途中下車して要塞にのぼってやろう。
 
 
 
 
城壁よりのエアフルトの眺め↓
 
夕刻中央駅に戻り、ドーナツ一個たべてイエナに帰る。

 

[番外4] イエナ、ワイマー... blog upload: 2011/9/19(月) 午後 4:20[番外6] イエナ・フイルハ... >