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〔フライブルグ通信〕

[番外7] 雨のイエナと深夜・早朝ジョギング

2011/09/20

9月8日(木)
朝から激しい雨。
昼前に少し小降りになり傘を持って町へ。
歩いてのイエナ探訪は無理、せっかくの一日券、市電で端から端まで乗ってみることにする。 
先ずは都心より遠ざかる方向へ。
 
東欧風のレンガ造りの工場と線路近くの落書き。
線路脇の雑草。
 
 
 
 
 
私のホテルのある側が新しく開発され産業地帯で、逆側が山の手で住宅地という都市構造のようだ。
終点でザール川右岸を通ってきた路線と合流し、おおきく迂回して再びホテル前を通り、中心街へ。 
 
 
 
 
ホテルとは町の逆側の住宅地になると南ドイツの町では普通だった窓に花を飾るという家もポツリポツリと出てきだす。
 
華やかさはないが、それなりに簡素で落ち着いた家並みが続き、やがて林と畑の終点になる。
 
 
 
雨にうたれている実用本位の家や工場を(といっても日本ほど程度はひどくないのだが)市電の窓から眺めていると、「昔の東欧」を歩いた感覚が蘇ってくるような気がした。
 
もう一度引き返し中心街に降り、今度はあの目障りな高層ビルに登ることにする
NEUSTADTMITTE(新中心街)と証する安手な造りのショッピングモールが下にあり、全体は事務所で占めているが、最上階の29階にレストランがあり、28階の外側が展望テラスになっている。
 
展望テラス入り口の扉を入ると、事務所の受付兼用の展望テラスの入場券売り場になっている。
 
3ユーロの入場券を買う。
受付の向こうにエレベーター乗り場があり、左右3機の昇降口がある。
一番向こうがわのエレベータにはパリの地下鉄の改札のようなバリアーがあり、これはどこかの会社専用のエレベーターのようだ。
 
 
エレベーターの乗り方が変っている。
最初解らず試行錯誤や受付のオバちゃんに聞きなおしてやっと理解できた。
エレベーターホール中央に設置してあるテンキーで自分の行きたい階を入力すると、コンピュータが瞬時にエレベータ番号をディスプレイに表示するのでその番号のエレベーターの前で待つ。
エレベーターに乗るとすでに自分の入力した階が登録されていて、そこまで登っていくと止まり、扉が開く。
非常に効率のいい方式で、私は初めて遭遇し、その合理性に感嘆。
360度のテラスだが方角により雨交じりの非常な風が吹き付けとても帽子をかむってられない。
ところどころに29階の張り出しの見晴台へ登る階段があるのだが、スチールの網目の階段と床なので下が透けて見える。
ちょいと高所恐怖症気味に背筋がすっと冷たくなる。
 後、下のショッピングセンターの本屋でしばらく時間を潰す。
日本の最近の大書店と同じく、閲覧用の席もあり、ソファーのあるコーナーでは自販機で安価なコーヒーも飲めるようにしてある。
一般にヨーロッパの書店は日本の本屋のイメージよりももう少し高級な店であることが多い。
広いスペースにゆったりと配置された本棚。
 
ドイツ語文法の本一冊と、悩んだが、やはりハイデガーの「存在と時間」のハードカバーを一冊買う。
フライブルグの大島氏が初学者向きに推薦していた、もっと薄い「技術論」のレクラム文庫版もあったのだが。
悩んだというのは多分ドイツ語で私が完読することは無いことがわかっているからだ。
しかし、今回の滞独の一方のキーワードだったハイデガーである。
この原書を買わずして、何がドイツの本屋に立ち寄ったというのか、と。
むはは。買っちゃったぁ!
 
これで満足し、本屋の近くの通路で営業していたちょっとした店でカリーブルストとパンを昼食として食べる。
 中心街に戻っていくと、古そうな建物の扉から人影が出てきたので、委細構わず中に入る。
これが旧ラートハオスの建物で、公開されているのだか、入ってはいけないのか中途半端な様相でとりあえず風に公開していた。
あまり中途半端なので誰も居ず、勝手に自分の写真をとって遊ぶ。
 
歩いていると本が意外に重いので、いったん宿舎に荷物を置きに帰る。
するとまた雨が激しくなり、ではこれでイエナ観光は終了と決める。
翌日の用意等をして夕食まで部屋で過ごす。
 
昨夜はコンサートで夕食バイキングをスキップしてしまったので本日はゆっくり食べるつもり。

食べながらヒマつぶしにi-PhoneのGoogle worldで現在地を検索すると、Mapではまったくの空白地だった駅の向こう側にれっきとした公園風の画像が表示され、ところどころにポップアップ写真のスポットまである。
イエナパラダイス駅とはおかしな命名だと思ったが、先ずこの公園がパラダイス公園であるらしいのだ。
市電でいつもこの前の道路を通っていたのだが、なんだか殺風景な荒れ地のような気がしていた。
いつも曇天なのでそのようなイメージだったのかもしれない。

やや、これは大変、と驚いて急いで防寒服に着替え散歩にでた。午後10時である。
散歩に出たつもりなのに、基本的にはスポーツ公園なのでやはり走り出してしまう。
風が強く寒かったのだが、走るうちに暑くなりとうとうノースリーブのシャツ一になった。
 
深夜の森に出る不気味な夜の怪→
 
ザール川に沿ってJENA PARADIES駅まで続く細長いベルト状のジョギング公園。
サッカー場の裏にはイエナ大学のスポーツ競技上があり、深夜の陸上競技アンツーカーに侵入。
生まれて初めて陸上競技場のコース分けされた赤い走路を走る。
走ればイエナパラダイス駅まですぐの距離だった。
パラダイス駅から市電でホテルに向かったとき、急に見捨てられたようなただ広いだけの道路になったので、かなり場末郊外的の安ホテルと覚悟したのだったが、こうしてみるとなかなか好立地ということができる。
ホテルの前から毎朝ジョギングできたのだ。
でもまあ、雨がちだったのでしかたがないが。
明日ベルリンに向かう前にもう一度朝のジョギングをすると決定。
元来私はジョギングなんかするタイプではないのだが、ヨーロッパの町では走っていて気持ちのいい街路が多い。
今回はバイクや自転車に乗る機会がなかったのだが、ジョギングで街路を駆け抜けるのも、また同様な一つの観光手段だと思う。
 
(以下翌朝撮影分)
 
川沿いのジョギング道→
 

←ザール川
 対岸も公園のようだ。
 
 
イエナ大学スポーツセンター敷地内に進入→
 
 
←早朝の大学陸上競技フィールドを走る。
 まだ目が開いていないが・・・


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