今回の旅行は一種の海外出張・業務旅行みたいなもので、私の主たるお仕事である夫業の職務仕様に
一、ヨメを適宜海外旅行に連れて行くこと
という項が謳われている。
チューリッヒ(9/13)
市役所前にて
前回ヨメのお供で北欧周遊に出かけ、三年経過したが、この間私の方は昨年初めフランスに「極超短期留学」したので、今年はそろそろヨメを連れていかねば職務怠慢とみなされ、夫賃の査定にも影響する。
ライヒナウ(コンスタンツ)(9/14)
世界遺産の島
現役勤め人であるヨメの都合に合わせ、9月のシルバーウィークにヨーロッパ旅行決行との業務命令が出されていた。
しかし、今年はことのほか仕事にノレず、なかなか業務日程を作成できなかった。
夏の暑さに負け体調悪く、おっくうで業務日程を詰めようとすると鬱鬱としてくる始末。
加えて突発的に別件で、先月私一人パリに行くという事態も発生。
私の再度のヨーロッパ旅行へのモチベーションが一段と低下したのである。
チュービンゲン(9/15)
旧市街への橋
本来、私の旅行スタイルは「行き当たりばったり」というヤツだ。
コースも宿も事前には決めず、行きと帰りの飛行機だけ予約し、出たとこ勝負で出発するのが常だった。
現に三年前のヨメとの旅行がそうだった。
いろいろ危ない目にも会うのだが、その度になんとかクリアしてきた。
フロイデンシュタット(9/16)
黒森山中の村
<前回の北欧・行き当たりばったり旅行2006のリスク・ベスト3>
1)
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船でエストニアのタリンに渡るが、高速艇を逃し、このバルト海の小国で深夜ホテルを必死で探すハメになった。
船内でもホテルの予約手配をしてもらうが、夏のシーズン真っ最中でホテルの空きが無い。
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2)
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オスロ駅で作成してもらった経路予約票を見せてもノルウェーの田舎のバス(私営)の運転手に、チケットがないと乗せられないと乗車拒否される。
現金の持ち合わせがなく、ATMを必死で探すが、この町には無かった。 翌日はストックフォルムに行って帰国便に乗らねばならない。
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3)
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スタバンゲル(ノルウエー)のフィヨルド見学に行ったのはいいが、バスの時刻を読み間違え、帰りのバスはすでに出てしまった後。
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絶体絶命のピンチ、さあ、どうする!?
各回答)
1)
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涙を呑んで最高級ホテル*****に宿泊した。
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= 金で解決
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2)
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ノルウェー国鉄系の違うバスの責任者に事情を話し、交渉してもらった。
それでもラチがあかず、別の国鉄バスに便乗させてもらい別経路で本来乗る予定だった列車を途中の駅で捕まえた。
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= 粘り勝ち
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3)
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たまたまフランスのツアー団のバスが通りがかったので、半分冗談で「ヒッチハイクさせてくれ」のサインを指で出すと、停車してくれ、別の路線バスの停留所まで送ってくれた。
実は駐車場で運転手にフランス語でちょっとやりとり、顔見知りになっていたのだ。
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= 芸の力
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フロイデンシュタット (9/17)
四星ホテルのプール
しかし、はっきり言って、私には駅に到着してからホテルを一軒一軒さがす気力・体力がもうない。
それに、アアいう行き当たりばったり旅行が可能なのは「ユーレイルパス一等」を所持していたからじゃないか?
ホテルがなければ、そのまま夜行に乗って次の町に行けばいいい。なんなら夜行列車のコンパートメントで寝てもいいのだ。
一日毎に町を移動する移動型の旅行はもう卒業にして、「滞在型」にしよう、とヨメに提案。
勝手知ったるストラスブールのような町で台所付の部屋を借り、単にヨーロッパの日常を生活する
旅行だっていいのでは。
私は毎日図書館に行き、ヨメはスーパーにでも。・・・それじゃ、あんまりか。
「せめて」バイクを借りて走るとか。←あ、それがいいかも。
そんなところで労使交渉がなんとか妥結。
ストラスブール(9/19)
* 9/18はカメラが壊れ、写真なし。
郊外のDATY(家電量販店)に行き、
一番安いカメラ購入(^^;
ミュンヘンの貸しバイクがインターネットで引っかかり、そちらをメインイベントにした旅行の議定書を批准。
行きチューリッヒ、帰りミュンヘンの飛行機の切符はヨメが手配。
旅行仕様(1)初期値
9/13(日)
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朝
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チューリッヒ着
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9/23 (水)
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午後
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ミュンヘン発
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しかし、それ以上先には進まないまま、私の単独フランス・ドイツ旅行が挟まり、中身空白のまま旅行直前になっていく。
コルマール(9/19)
謂所プチ・ベニスにて
精神科医の斉藤茂太が自分の鬱体験を記している。
引越しする時、荷造りが一向に進まず、ふと落ちていた本を手に取り読みふけってしまったりする。
そんな場合ではない。そして、何も出来ず鬱に陥っていく。
というようなことを思い出したりする。
旅行仕様(2)日程ヒナ型(滞在型)
9・13(日) → 9・19(土)
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ストラスブール7泊
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9・20(日) → 9・22(火)
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ミュンヘン 3泊
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- どうだい、日程埋まったぞ。
- 水増ししただけじゃん!
とにかくインターネットでミュンヘンの貸しバイクを3日分予約した。
セレスタ(9/20)
S.ジョルジュ教会尖塔を
向かいの家の窓から臨む
そしてホテル。
ストラスブールの台所付き部屋をインターネットで予約すると、何かイベントでもあるのか3日しか予約できなかった。・・・むむ。
ミュンヘンでホテルを取ろうとすると、なんと料金が通常の3倍になっている!
あ、「オクトーバーフェスト」中か! コレじゃ予算的にムリである。
ヨメに準備不足を責められ、鬱鬱となる。
ならば飛行機のキャンセル料支払ってでも旅行をやめてしまおう。
しかし、それではただヘタなピアノを弾いて余生をすごすだけの人になってしまう。
旅行仕様(3)最終日程
9・13(日)
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コンスタンツ 1泊 (到着日、チューリッヒに一番近いドイツの町)
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↓
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(未定)
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9・17(木) →9・19(土)
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ストラスブール 3泊
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↓
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(未定)
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9・21(月) →9・22(火)
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ミュンヘン 2泊
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残りの日程は定めず、成り行きで目的地を決めることにし、とりあえず出発する。
つまり滞在型・移動型の併用という灰色の決着。
ミュンヘン(9/21)
オクトーバーフェスト会場入り口
ミュンヘンの貸しバイク屋の予約3日分をキャンセルし、バイクレンタルはその日の成り行きまかせのオプションとした。
ここですでに余計な違約金を支払うハメになった。
前途多難という他はなく、いつになく不吉な予感まで抱きながらタイ航空機に搭乗。
旅行結果 実際に旅行した行程
12(土)
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関空発 (タイ航空バンコク経由)
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13(日)
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(瑞)チューリッヒ →
(独)コンスタンツ(泊)
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14(月)
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→ ライヒナウ → チュービンゲン(泊)
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15 (火)
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→ フロイデンシュタット(泊)
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16(水)
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→ シュバルツワルト自転車散策・フロイデンシュタット(泊)
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17(木)
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→ (仏)ストラスブール(泊)
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18(金)
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→ ストラスブール(泊)
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19(土)
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→ コルマール → ストラスブール(泊)
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20(日)
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→ セレスタ → ストラスブール(泊)
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21(月)
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→ (独)ミュンヘン・オクトーバーフェスト(泊)
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22(火)
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→ レンタルバイクでフッセン・オーストリア → ミュンヘン(泊)
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23(水)
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ミュンヘン空港 → タイ航空(バンコク経由)
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24(木)
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関空着
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チューリッヒ→ストラスブールは列車で3時間、チューリッヒ→ミュンヘンだと2時間くらいか。
とにかくそんな近距離を10日かけてのろのろ移動・宿泊したことになる。
不吉な予感もかなりその実体を現してくれたりしたので、いつもながらまたしてもリスクも盛りだくさんな旅行になったのである。
ロイテ(オーストリア)(9/22)
ミュンヘンからレンタルバイクで走行
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