ミュンヘンのホテルの領収書↓

このべらぼうなホテルの値段、Oktoberfestpreis だってさ。
日本でいうところの「正月値段」。
いつも常宿にしている星二つクラスのホテルチェーン ibis
予約しようとしたら、
通常は49ユーロのくせにこの時期153ユーロになっていた。
この事実前に、旅行の根幹が覆され、思わず鬱に陥る寸前まで行った。
せっかく「ミュンヘンでバイクに乗る」という企画で飛行機を取り、日程を組んでたのに。
元々下戸の私には、この世界的に有名なビール祭にはとんと興味がない。
えらい時期に旅行日程が重なってしまったよ。
涙の妥協と決断をし、ミュンヘン滞在を2日とし、バイクレンタルをオプションとした。
「今回はバイクに乗れなくとも、少なくともビール祭を見学できるんだ、と思えば?」と、ヨメ(業務命令者)も譲歩。
いざ旅立って見れば、企画段階でちまちま乏しい予算を工面し、悩み、議論し、罵倒され、いじめられ、涙を流した・・とは思えないほど気が大きくなってしまう。
(↑旅行の魔術か、クレジットカードのワナか)
上のホテルも143ユーロの部屋を予約したのだが、部屋を見るなり即アップグレード(^^;
まあ、ホテルの話は、またまとめて次次回にでも。
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9・21(月)
レンタルバイク屋と契約した足で、その憎きオクトーバフェスト会場に潜入。
会場に行くまでもなく、ミュンヘン市内はバイエルン風民族衣装に身を包んだ男女ですでに一杯。
世界の観光客も臨時に昔のバイエルンの若者と娘さんに扮して騒ぐのだ。
バイエルン風の衣装ではない私(右端)が、何か惨めなような。
10万人くらい収容できる広大な会場(入場無料!)にドイツ風にかなり危険そうな遊園地遊具が林立し、その中心に巨大な体育館風の有名ビール醸造会社のパビリオン群がそびえている。
とにかく、ビール飲んで騒ぐんだい! というお祭りである。
とにかく、だから、騒がしいのだ。
そびえているのはレーベン
ブロイのパビリオンのカンバン。
中、覗いてみる? では・・・
私は実は以前にもホーホブロイハオスにも行ったことがあるので、大体見当がついている。
しかしヨメはドイツのビアホール初体験。
「わっ!」
喧騒が襲ってくる。
千人単位の男女がぎっしり体育館の中にいわし詰めになってビール飲んで、チキン頬張って、陽気なバイエルンの楽隊にあわせて歌い、踊ってるのである。
下戸の私にすれば「アホくさぁ」というようなモンだが、アホもここまでくれば、そのエネルギーの総体はバカにならない。
この単純な力の和こそが世界を変えるのだ。
はい、今度戦争があっても決してドイツには敵対いたしませんよ、私は。
こんな巨大ビヤホールが全部で実に7つも林立しているのである。
ここでビールを飲もうと試みる気にもならない。
隙間に割り込んでも弾きとばされるのが弱小日本人のオチである。
おとなしく、外の屋台でカリーブルストでも齧っていよう。
憎きオクトーバーフェストではあるが、この感染性の陽気さに煽られ、柄にもなく何か遊具を試そうという気になる。
しかし、ヨーロッパのこの手の遊園地遊具はすべて激しく危険風である。
欧米人には遺伝子的に冒険を好む性格があるのだ。
これも日本人がまともに太刀打ちできない気質である。
だから戦争は彼らに任せ、わが国はお金を上納して勘弁してもらうという外交スタンスになるのも肯なるかな、である。
で、一番おとなしそうな、ただ回って上昇するだけの回転ブランコに乗る。
「これなら大丈夫」とヨメが
保証する。
しかしながら・・・空中50メートル
で回っていただけなんだが、こわ~。
冷たい上空の風に煽られ、寒いわ、
目も回るわ、酔いそう。
おいおい、ビールも飲んでない
のに酔ってどーする。
やはり、オクトーバーフェストには私がごときでは太刀打ちできない。くそっ。
夜に入り、ますます祭りはヒートアップしていく気配なのだが、私はヨメに肩で支えられ、翌日のバイク・ツーリングに備えるという大儀名分のもと、こそこそとメインゲートから逃げ出した
のである。
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