(1)バーデン・ヴュルテンベルグ州夜間割引切符
9・14(月)夜から翌未明、コンスタンツから苦労して夜行を4回乗り継ぎ、
チュービンゲンまで行った。
通常のルート、コンスタンツ→ジンゲン→チュービンゲンの接続を逃して
しまったので、ボーデン湖右岸を回り、オーストリア国境に近いフリードリッヒ
ハーフェンから北上、一旦ウルムまで出てチュービンゲンに回るという
異例に長い経路になった。
追加料金を支払おうとして「いくら?」とたずねると、「そこんなんですが、
よく聞いてください」とコンスタンツ駅の窓口担当氏が驚くべきことを言い出すのだ。
既に通常経路の料金は既にカードで支払っている: 68ユーロ(二名)
経路2の料金は二名で56ユーロ。だから差額の12ユーロを「振り込む」という。
なんと、距離はほぼ2倍あるハズだが、運賃は経路1より安いという。
最初、列車を逃したお詫びにこの窓口氏の裁量で値引きしてくれたと思った。
後でもらった切符をよく見てみると、かなりヤヤこしい割引切符を使用していた。
「バーデン・ヴィッテンブルグ州夜間割引切符」↓
経路2のうち、ウルム→プロシンゲン間は通常料金(二名で34E)。↓
それ以外は「バーデン・ヴィッテンブルグ州夜間割引切符22E」でカバーしてある。
18:00から翌日6:00まで州内乗り放題、一枚で5人まで有効とある。
つまり、68ユーロ マイナス (34ユーロ+22ユーロ)= 12ユーロ。
通常、経路2の2等二名の普通料金は、接続経路票の料金表示では118ユーロだ。
これがこの夜間割引をつかうと約半額になってしまう。
ヨーロッパの鉄道では常になんらかの割引があると思っていい。
割引タイトルを知ってれば自動券売機で自分で指定して買ってもいい。
分らなければ時間かかっても、窓口で並び「一番安い切符ください!」と言う必要がある。
(2)ユーロパス・ファミリー24時間+フロイデンシュタット切符
9・17(水)翌日のストラスブール行きの切符を買いに、フロイデンシュタット中央駅に自転車で行った。
出発間際の列車の切符を窓口で並んで買うのはもうコリゴリである。
ところが窓口のおじさんは列車の接続は教えてくれたが、切符は明日買え、という。
明日の切符を今日買えば通常料金18.9ユーロ(二名)。
しかし明日なら15.4ユーロになるというのだ。
実は、このおじさんにはその前日にもホテルの場所をたずね、最寄の降車駅を教えてもらっていて、ちょっとした顔見知り。
なかなか親切な人だった。
翌日、渡されたのは15.4ユーロのこの割引切符。
説明が書いてないので子細は不明だったが、今ちらりとネットで検索したところ:
アルザス内のフランス鉄道(SNCF)とドイツのオルテナウ鉄道のフロイデンシュタット駅まで、二人で24時間乗り放題の切符らしい。なるほどね。
切符に発券日・時間が既に印字されるので、使用当日発券してもらう必要があるのだ。
(オルテナウ鉄道車内→)
ちなみに、このオルテナウ鉄道(OSB:ORTENAU-S-Bahn)はフロイデンシュタット内では路面電車として町の主たる交通機関になっていた。
ホテルの宿泊客はタダ (宿泊カード所持必要)。
ホテルのフロントでそう教えてもらった。
この日、遠出した我々は自転車ごと、このS−Bahnに乗り込んでホテルまで帰った。
S−Bahnの扉開閉ボタンは2種類あり、通常の開閉のほか、乳母車のマークのボタンがあり、そちらだと段差のないプラットフォームがせり出すハズである。
オルテナウ鉄道の開業はHPによれば1998年。
とすると、私がシュバルツワルトを通過した25年前当時には、やはりバス路線しかなかったのだ。
鉄道の開業によって、この山間の町も今や都市化が進んでいると言えよう。
(3)アルザス・レフレックスカード
9・19(土)ストラスブール駅窓口でコルマール往復切符を買う。
「一番やすいヤツ、ください。割引のタイトルは何も持ってません」というと、このカードを使って切符を買う方法を教えてくれた。
フランス鉄道のシニア割引と同様、まず一年有効の「アルザス・レフレックスカード」を25ユーロ支払って作ってもらう。
このカードの提示でアルザス内(含:バーゼル)の鉄道料金が平日30パーセントオフ、週末は実に70パーセントオフで購入できる。
本日は週末土曜日。
今、25ユーロ支払ってカードを作ると、コルマール往復普通切符2名は13ユーロで購入できる。
合計38ユーロだが、普通料金41.2ユーロより2ユーロばかり安くなる。
さて、カード作りますか?
「Pourquoi pas! (why not!)」と、カード作成申し込み用紙に記入を始めたのはいいが、身分証明書(パスポート)を持ってきてなかった。
この女性窓口担当は、何やら少し同僚と相談していたが、「かまいません。住所は適当に私が書いときますので。」と言ってくれた。
フランスですね。
というわけで、このカードの私の住所はストラスブール駅の住所になっている。↑
↓アルザス・レフレックス
カードを使用した、ストラスブール - コルマール週末往復切符2名分
翌日も日曜なのでこのカードを使ってセレスタに行くことになる。↓
SNCFの「シニア割引カード」については先月の旅行記
→
hemiq.a.la9.jp/voyage/f2009/f0905.htm
周遊券の「アルザス・エバジョン」については昨年の旅行記参照
→
hemiq.a.la9.jp/voyage/st2008/st0809.htm
(4)ストラスブール市内(トラム・バス)24時間3名割引チケット(TRIO)
市内交通は一回券1.4ユーロで一時間内なら乗り換え自由。
しかし3回以上切符を買うなら24時間券3.6ユーロを購入する方が安くなる。
トラムのプラットフォーム上の自動券売機で24時間券を買おうとしてハンドルを動かしていくとTRIO(3人24時間券)ってのがあった。
一枚で3人まで有効の24時間券である。
5.2ユーロ。
当方二名。
一回券を2回買うと5.6ユーロだから、すでにTRIO一枚買う方が安くなる。
これを持ってると二人で翌日の同じ時間まで自由に市内交通を利用でき、すぐ元はとれるのだ。
ただ、自動券売機のディスプレイ画面をスクロールし、次ページを見なければこの切符の案内は表示されない。あまり積極的に売りたくはないのかも。
(5)ミュンヘン地下鉄・Sバーン・バス共通 「パートナー一日切符」
ミュンヘン市内(ゾーン1内)なら一回券2.2ユーロ。
ここにも複数人数有効の「パートナー切符」があり、9ユーロ。
二人で三回以上切符買うならこのパートナー切符が安くなる。
ただし、24時間券ではなく、有効期限は翌日の午前6時まで。
そして、有効人数は5名まで。
なんと、5人で行動するなら、たとえ一回乗るだけでもパートナー切符の方が安くなる勘定である。
最終日に市内からミュンヘン国際空港までの切符をホテル近くのSバーン駅前キオスクで買った。
ミュンヘン市内から空港に複数人数で行く人は券売機で片道切符を買わないように!
市内から空港までゾーン4で片道9.2ユーロ。
二人では18.4ユーロ。
全ゾーン有効の「パートナー切符」は18ユーロである。
わずか二人で一回乗るだけなのに、翌日の朝六時まで乗り放題のこの5人用切符を買う方がわずかに安い。
使い残したこの切符を、ミュンヘン空港から市内に向かうグループに売りつけることを真剣に考えましたよ。
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