[ザールラント通信] |
04 ストラスブール(1) |
2013/08/05
|
|
|
先ず昼食にしようと思ったが、朝頑張ったのでまだあまり空いていない。
先にホテルに行くことにする。
市内交通24時間券を買い、駅地下トラム駅に行こうとしたら工事中。
唯一駅横から出ているトラムE線で街中に行き、B線に乗り換え。
冬の滞在ではこの線の「現代美術館前」のスタジオに投宿していたのだが、今回はもう2駅先の Montagne verte駅。
途中、駅に近い運河の橋を通過する時、Rの下宿していた家が見える。 |
私のクラスメートだった国際諜報機関海外エージェントのRである。
確か、昨年の8月より一年の語学研修でストラスブールに来たと言っていた。
だとすると7月で終了だな。一足違いか。
彼女とはよく学校から一緒に歩いて町まで帰り、親しいクラスメートだった。
学校からの道とこの橋周辺だけはRを思い出す。
しかし、eメールアドレス等尋ねるのは遠慮してしまったのだ。
自分の年齢を考えるとアドレス交換なんて。ガラにもなく。
だからもう早々とホルマリン漬けになり、人物としては30年前のものばかりで埃まみれだった私のストラスブールの過去の思い出陳列棚を久方ぶりにアップデートしてくれた。
しかし、なぜアドレス聞かなかったのかクソ!と今は思っているが(^^;
ホテルは当初最安値35ユーロ、バス路線沿いを予約していたのだが、直前にやはりトラム駅沿いの45ユーロに変更した。
予約をキャンセルするのに指示に従ってMyBooking.comにアクセスしたところ、何と2008年の最初の予約からすべて私の投宿履歴が保存されていて、しかも平均宿泊費や星数の統計なんかも表示されている。
私も忘れているビッグデーターだね。
これによると平均60ユーロ。最高額が一泊280ユーロのオクトーバーフェスト中のミュンヘン。
星分類では星なしが一番多く(^^;ついで星3つ。
|
ホテルは田舎風星2つ。部屋は標準的で特記事項なし。
もちろんエアコンなしで、外は炎天だったが室内はそんなに蒸すことはない。
窓を開放し、風が入ってくればむしろ涼しい。
湿気のないヨーロッパの大気の透明さ。
部屋で一休みし、夕方軽装になって出かける。
|
別にどこでもいいのだが、とりあえず冬に通っていた学校に行って見ることにした。
少し校内を見学させてもらうと、ひょっとしてRが図書室あたりに居残っているかもしれん、とか。
で、私を見つけ、大きな目を見開き「あ、HEMI!」と敬称略で私の名を呼び・・・んでニヤリ、
とかチラリと思いながら入ろうとするが、玄関の扉がどうしても動かない。
よくみると「夏場は平日16:30で閉めます」との張り紙。
さいだっか。
|
では、そのままトラムで二駅の郊外型大型スーパー、Auchanに。
実はお昼まだだったので、ここのカフェテリア・Flenchをアテにしていた。
どこに行けば何が食べられる等とかのデータの集積を土地勘という。
|
食べながら試してみると無料Wifiが効いている。
ウチのおヨメちゃんの携帯電話にスカイプ・クレジットで通話。
何とか繋がったのだが、あまり通信状態が良くない。
まあいい。
とにかくいつでも呼び出せることは確認できた。
トラムで街中に出る。
|
|
夏のストラスブールである。
陽気な観光客が溢れ、街もそこいらに媚をばらまき、集客にこれ務めている。
|
|
|
いつもの大学前カフェ・ブラントでハイネケン。
と思ってたら無くて、代わりに地元のFicherビール。
日中は強烈な日差しだったが、夕方になるとずいぶんとおとなしくなり、外の風に吹かれていると爽やかに心地いい。
最近、大阪グランフロントエリアでも路上のテラスで営業しているカフェを見かけたが、ちょいと無理ではないでしょうかね?
|
木陰に入れば爽やかに涼しいヨーロッパの気候でないと戸外カフェはね。
私だったら日本では冷房がキンキン効いた室内の方がいい。 |
向かいの席のオジさんは、ビールを注文したまま、上着を椅子に掛け、携帯電話をもって左右にうろうろ。
どうやらこのカフェでお仕事中らしい。
|
陽が直射しなくなる頃には風が出てぐっと涼しくなる。
大気が透明なので光が弱まると返って景色がくっきりと見える。
運河沿いをそぞろ歩いていると、学生であった頃の気分が回帰してくる。
またここに来ることが出来た。
歳くっても私は相変わらず自由らしい。
思いもかけず胸がときめく。
春過ぎから鬱とつるんでいたこの私が。
|
スーパーで何か買って帰り、夜は部屋で食べようと、街中 Les Hallesショッピングセンターに行く。
入ろうとして警備のオジさんに止められた。
え?
あ、夕方と思ってたがもう夜八時回っているじゃないか。
午後10時まで明るい8月の夏の夕刻の爽やかさ。
こちらでは春ではなく、夏宵一刻値千金。
しゃぁない。
現代美術館近くの"行きつけの"アラブ系食料品屋で何か買って帰ろう。
こういう町角の移民系食料品屋は夜でも、日曜でも開いている。
パンか何かと思ったが、結局ハイネケンの缶とポテトチップスになっていた。
|
そのまま現代美術館裏の川沿い遊歩道をホテルまで伝い歩いて帰る。
なかなか結構な遊歩道で、街中からすぐ郊外風になり閑寂で快い。
途中のベンチで缶ビールを飲む。
横のごみ入れにはやはりハイネケンの空き缶がつまっていた。
遊歩道は奥に行くほど森の気配が濃厚になり、川に水鳥も多い。
Montagne verte地区、トラム路線でしか知らなかったが、結構いい散歩道ではないか。
ホテルはこの遊歩道沿いに建っていた。
トラムの駅から来ると単なる住宅街の奥で、何の変哲もない安ホテルのように見えたのだが、なかなかどうして。
|
|
ストラスブールはまた違う表情をちらりと見せてくれた。
|