[ザールラント通信] |
05 ストラスブール(2) |
2013/08/05
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8月3日(土)
窓の外の駐車場で昨夜から駐輪していた完全ツーリング仕様のBMWバイクx3に、早朝からどなたか荷作りしている気配。
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窓を開けて声をかけ、写真を撮らせてもらった。
ドイツのおジイちゃん達だった。
このホテルは市の外側を通過する幹線道路に近いのでバイクツアーでの利用も多いようだ。
大半がどでかいBMWで、大半がヒゲのおジイちゃんである。
どうやらモーターバイクは老人の一般的な趣味のようだ。
若いのは自転車に乗りなさい。
モーターバイクに乗るのは引退してから。
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後でご老人方が出発する場面に遭遇したが、なんと後部座席にはご婦人方も積みこまれていた。
なるほど、大排気量大型バイクが要るワケだ。
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ホテルの朝食をとるつもりはなかったが、昨日パンを買ってなかったのでホテルの朝食レストランに行った。
昨日のパリの三ツ星より遥かに充実したビュフェだった。
トマトや果物があり、何とニシンの酢漬けも2種類出てるではないか。
さすがはアルザス。
ドイツ風だということだ。
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この日も夏の炎天だったが、ホテルの裏側の川沿い遊歩道伝いに街に出、ゆったりレストランで食事し、カフェでビールを飲んだ。
いたるところで深い緑色の運河が見えるストラスブールは、やはりいいよ。
やはりこのような町に住み、ゆっくり散歩しながら暮したいもんだ。
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しかし、実を言えばどこで生活したとして、すぐ日常のルーチンに飽き、暮らす煩わしささが次第に鬱化してくるのだろう。
私のストラスブールのように、30年かけ時々出かけては少しだけ思い出を最更新し、少しだけ新しい光景を付け加えたりしてメンテナンスする。
つまりあまりベタリとくっついていないことが、いつまでも新鮮さを失わなせないコツ。
”ふるさとは
遠くはなれて想うもの”
とかね。
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この日の昼食、Ancienne Duane (旧税関)のテラスでオニオンタルト。
昔、合唱団の連中と練習終わってからいつもこのビヤホールにビールを飲みに来た。
今では"闘う言語学者"の、若き日の小島剛一氏も一緒だった。
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昔のようにビアホールに入ったが、広いホール内は見事に無人。
やはり外のテラスにしか客はいなかった。
それからリパブリック広場の芝生で寝ころんでドイツ語の作文問題集を解き、大学前のブラントでFicherを飲んだ。
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なにも急ぐことなく、何もやらねばならんこともなく・・・
しかし、明日の宿は決めないと。
ストラスブールは2泊にして、ナンシーにでも行こうと思っていたんだが。
宿、考えるのもめんどくさいな。
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どこに行っても水路がある。
市街地でも郊外でも深い緑の水の色は変わらない。
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→これがAncienne Duane (旧税関)のテラス。
由来は知らないが、中世自由都市ストラスブールの名残だろう。
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運河に揺れる西日に照らされた中世ストラスブールの影が揺れる。 |
何もしないで放って置くと、すべての記憶は風化する。
骨董としてネウチが出るのも、ちゃんとメンテナンスしているからである。
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夕食は刺青したおニイさん、おネエさんが表でタバコを吸っている駅裏通りトルコ・アラブ食堂でケバブを買い、また遊歩道のベンチで食べた。
明日はナンシーにでも行く予定だったが、何だかこのままストラスブールでいいじゃないか、とふと思った。
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