06 ストラスブール(3)   08 ザールラント大学ツアー...
[ザールラント通信]

07 ザールブリュッケン初日

2013/08/08
8月5日(月)
朝8時のローカル列車に乗りザールブリュッケンへ。
 
鈍行で約二時間の行程。
 
 
 
 

 
フランスののどかな田舎風景がドイツに入った途端、工場その他何かしら産業・工業くさい不愛想な建物が眼に入る。
ザールブリュッケン中央駅は単なる四角いビル。

観光的媚びの気配ゼロ。
いや、ストラスブールが色気たっぷりだった過ぎたので。
この仏・独の対比も甚だしい。
 
とにかく指示された通り、駅前のバス停から大学へ。
街から離れると緑のトンネルが続く丘陵地に入っていくが、どこか粗野な緑の深さである。
フランスなら道沿いの木々きっちり手入れされ、刈り込まれているのだが、緑が茂るままに放置されているという感じ。
 
大学のバス停で降りると、目ざとく網を張っているチューター(世話役)が夏季講習の参加者かと声をかけてくる。

スーツケースを保管してもらい、そのままオリエンテーションの教室へ。
10人余りが順番を待っていて、さっそく同胞二人と鉢合わせ。
AさんB君と私の3人が今回日本からの参加者だった。
 
登録事務手続きで、私のドイツ語では役に立たず、英語では遅れをとるので、やはりフランス語にしてもらう。
英語が喋れる学生が世話人になっているのだが、フランス語もなんとか喋れる者が多く、助かった。
 
メールで旧知の責任者Anjaさんもいて「メールでやり取りしましたね?」と挨拶。
市内交通の一月パスとMENSAカード(学食券)を購入し、いよいよ宿舎の紹介。
「学生寮とアパートメントがあるが、どちらにする?」
設備はどちらも同じで全て個別にキッチン・トイレ・シャワーが付いているそうだ。
もちろんアパートメントにする。
とにかく、一度見て来て決めればいい、とのことで場所を教えてもらって学内からのバスでザールブリュッケンの郊外の町に行く。
 
何の取り得もない只の町、としか言いようのない、(旧西)ドイツには珍しい実質本位といった家が並ぶ町だった。
後で聞けばその昔の炭鉱労働者の町だそう。
 
アパートも古く、広いのだが窓が主通り側だけしかなく、風が通らず熱気がこもっている。
テレビ、クーラー、インターネット設備も一切なし。
かろうじて冷蔵庫はあった。
 
しかし、学生寮に隔離されるよりは面白かろう。
決定。
 
 
また大学に帰り、10ユーロで食器一式を借り、世話人の一人マリウス君の車に同乗してアパートまで送ってもらう。

最寄りのバス停からアパートメントは坂になっていて、スーツケースを転がすのは大変だと思っていたので助かった。
こういう点では学生バイトのチューター諸君は良く働いていると思う。
 
がらんとしたアパートメントの何もない空間を見ていると、30年前に会社を辞め、すべてを捨ててフランスに渡り、学生生活を始めた時のことを思い出す。
全てを捨て、今までの全ての人生がスーツケースひとつになり、何もない部屋にたった一人立放し。
かすかに涙が出てきたのを思い出す。
さっそく町のスーパーに行って夕食の調達。

その前にサングラスを買った。
夕方になると涙目になって滲みるのは強烈な太陽のせいかもしれんと思う。
 
かくしてザールブリュッケンの初日が終了。 
 
部屋に熱気がこもり、深夜になるまで暑くてかなわん。
扇風機は必須だな。
06 ストラスブール(3) blog upload: 2013/8/8(木) 午前 1:3608 ザールラント大学ツアー...