[ザールラント通信] |
10 遠足No.1 トリアーとモーゼルワインカーブ |
2013/08/14
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8月11日(日)
バス2台連ね、本日は朝から遠足No.1。
目的地
(1)ザールシュライフ(ザールのリボン)何それ?
(2)トリアー
(3)モーゼル・ワインカーブでのワイン試飲
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快晴の朝、バスでザールブリュッケン郊外を走る。
産業廃棄物集積場・工場・原発らしきもの等いかにもザールブリュッケンらしい景色の中に異様なものが見える。
アレ!あれじゃないん?
世界遺産の。
「そう。」と同行のチューター・マリウス君。
遠目にも圧倒的な赤茶けた威容がくっきりと目にはいってくる。
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フェリンゲンの製錬所跡。
仔細見学は火曜日の何故か夕方に行く予定。
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これがザール・シュライフ。↑
ザール川が大きく蛇行し、リボン状態(schleif)になっている。
上から見下ろすとノルウェーのフョルド風のかなり壮大な光景。
ザール地方は工場跡だけじゃない、風光明美な自然の眺めもあるんだよ、とばかり。
ま、なるほどね。
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バスはモーゼル川沿いを北上し、トリアーに到着。
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ローマ時代の遺跡PORTO NEGROの前で逆立ちしてるのはチューターのInaちゃん。
彼女は仏語が堪能だが、ロシア系学生とロシア語で喋っているのを目撃。
語学の天才だねぇ!とフランス語で声かけると、
「実はそうなの」(En faite, Oui)と即返ってくる。
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トリアーはローマ時代に建設され、ドイツ最大の浴場の遺跡なんかがある。
しかし、同行邦人性別年齢不詳Aさんにしてみればカール・マルクスの町に他ならない。
この方、歴史経済社会科学系の負荷を背負ってドイツに来た人で、写真のマルクス様に向かって柏手を打ち、何やらお念仏を唱えてらっしゃいました。
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トリアーに来るとちゃんと小奇麗なドイツの地方都市をしているではないか。
それにつけてもザールブリュッケンは。
時はあたかも夏の日曜日。
青い空に映える塔や家並み。
実はトリアーの大学にも色気があったのだが、何故かザールブリュッケンにしてしまった。
トリアーであれば、毎日旧市街をゆったり散歩して暮していたことだろう。
それにつけてもザールブリュッケンはねぇ。
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ローマ時代の門、中世のドーモ、近世の家並みとコンスタンツ大帝とマルクス様。
この店の名前もMARXだが、この地方では非常に多い苗字である。
と独・英語でガイドしているのはおなじみのマリウス君。
なかなかユーモラスな口調で湧かせてくれる。
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なるほど小奇麗な町だが、あまりに小奇麗にしようとするあまり、どこか全体が観光地的に平べったい印象にもなる。
ローマ時代からの歴史があるにしては、ポルトニグロの黒ずみを唯一の例外とし、フランスの都市にぼんやりと漂っている歴史のアクのようなものは感じられない。
あまりにきっちりとテーマパーク風に清潔。
多分戦災があり、すべてここ100年に再建されたものだろう。
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ツアーにマルクスの生家であるカールマルクス博物館見学が入っていないのを年齢性別不詳邦人Aさんはしきりに憤慨。
一昨年フライブルグ大の遠足でカイゼルスベルグに行き、シュバイツァー博物館を見学したが、当時の同級生達のほとんどはシュバイツァー博士を知らなかった。
マルクスさんも同じようなものかも・・・
「いや、そんなことはないハズ、最近また見直されつつあって・」とかなんとかAさん。
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しかし、まあトリアー。
ドイツの地方都市で観光客が見たいものはすべて見せてくれてました。
それにつけても、ザールブリュッケンは。
「観光ではなくて、人間の活動を見るにはいい町だと思います」
あ、そうですね、Aさん、おっしゃる通り。
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バスはモーゼル川を南下し、とあるワインの産地、またまた小奇麗で観光的資源満載の町に到着。
ちょうどいい川幅のモーゼル川、中世からのワインカーブやワインレストラン。
で、見上げればちょうどいい具合に廃墟欠けした古城もある。
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ここでとあるカーブでワインの試飲会。
ほんの少しずつ合計6種類のモーゼルワインをビール腹のオジさんが注ぎに来てくれる。
ところが、ウチのテーブルはカナダの未成年1、エジプト・イランのイスラム系4とアルコール禁止人口の方が多かった。
私もワインの味も解らん人で何を飲んでも同じに思える。
プロモーション目的の試飲だろうが、ここのテーブルでは誰もひと瓶買いませんよ。
残念でした。
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ながながと試飲は続き、盛り上がるグループは盛り上がり、盛り下がるグループは早々と退散し外の透明な空気の方を味わいに行く。
外はモーゼル川沿いの明るいワインの村。
透明な大気のおかげで夕刻の景色がくっきりと見え、戸外で涼し気な川風とワインを楽しむ人々の笑顔にあふれている。
そうだろ?
ドイツ観光とはこうでなきゃ。
それにつけてもザールブリュッケンはねぇ。
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