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[ザールラント通信]

16 ドゥドバイラーという町

2013/08/21
8月中旬
ザールブリュッケン、特に私の居住している郊外の田舎町ドゥドバイラーを多少悪く言いすぎていたかも知れない。
大学の周囲を囲む森の中の学生寮より面白かろうとこの町のアパートメントに住むのを選んだのは私だし。
大学の斡旋で、学生寮と同じ料金なので大学の管理だと思うのだが、それにしては他の学生は誰も住んでいない。
タマに他の住民を見かけるが、アフリカ系のお兄さんとかインド系の家族とか、どうも学生ではなさそうな方ばかり。
 
大学からバスに乗っても、みんな途中で降りてしまい、終点のDudoplatz(ヘンな名前だ)で降りるのは私一人というケースも多い。
 
大学からバスで15分くらいだが、思い立って一度歩いて帰ってみた。

バスは大学を囲む森を迂回し、道路伝いに大回りしているのだが、森を突っ切れば最短距離でドゥドバイラーに到達する。
森の中の道は比較的よく整備されていて、途中一か所にはベンチも置いてある。
鬱蒼として暗い森の奥を透かし見して歩くのはいつでも楽しい。

特に最初に森をつっ切る時の、一体どこに出るんだろうか、というわくわくするような期待感。

しかし、実を言えばi-Phoneのgoogle地図に大学から町周辺までキャッシュしておけば、WiFiが効いてなくとも現在位置は絶えず地図の上に表示されている。
 
町のどのあたりに出るのかはすでにわかっちゃっている。
便利になったが、これでは「猫町」(萩原朔太郎)には絶対に行けそうにない。
 
森を突っ切ってドゥドバイラーの町に入ったが、せっかくだからそのまま町を縦断して家まで歩いて帰ることにする。

ウチのアパートは道路からいえば町の入り口だが、大学・森から言えば町の一番奥の下にあるのだ。 
 
ウチ近辺はバス通り裏(水道完備・ガス見込み♪・・そんなモン誰が知るか!)で、しかも鉄道駅前通り(Bahnhof strasse)でもある。
一番うるさくてアブなくて汚いのがどこでも相場。
←コレが近所でも一番汚い家。
ソレなりの風情があるといえなくもないが。
ま、そんな安手のあまりメンテナンスもしていない、古屋が並んでいて住民のモラルも低い。
 
 
 
右手前が私の居住する古アパートメント。
二階の左、鎧戸が半開きの部屋が私の居室。
写真ではソレなりの見栄えかもしれないが、車やゴミ袋に道路が占拠されている上に道自体がつぎはぎ状態。
週末に行ったハイデルベルグならどの路地でも見事な均一の石畳だったが。
左側の家の窓からいつもおバ(サ)ンがじとーっと外を見ているので、窓の鎧戸はいつも半分下ろしておくしかない。
いわば密集住宅街。どこの家にも庭はない。
 
しかし森近くの山の手では比較的普通のドイツの田舎町をしていて、Kant strasse(カント通り)くらいになると庭付き一戸建てばかりになる。
 
先日はFREIBAD(野外プール)を見に町を横断もしたので、大体ドゥドバイラーと言う町の構造は解ってしまったのだ。
丘の斜面に発達した町で坂が多く、とりわけ横断するには上り下りが大変だった。 
いずこも同じで上の方が高級住宅街。
静かでまあまあ見栄えもいい街路が続く。

 
バス終点のドゥドウプラッツが坂を降り切った底にあたり、ちょいと掃きだめ状態になっているがごとくである。
 
ザールブリュッケンよりの隣町はJagersfreude(狩人の喜び)というなんとも森の生活を思わせる名前。
大学を通らないバス路線で一度通過したが、そっちの方がより田舎風の雰囲気がある町だった。
 
町随一の教会の尖塔(中央)とラートハオス(右) →
 
歩けばドッドバイラーも標準的ドイツ郊外の町と言えるのだが。
ただ、ウチの周辺がねえ。
 
日本の標準からすれば別に汚いとは言えないのだが、ドイツ標準からすればあまりにも手入れがされていない。
 
逆に言うと、トリアーやハイデルベルグの中心街は手入れ万全で、あまりにも作り物的に美しく、なんともウソくさい。
ドイツではこんな風にカバーをかけず、裸でバイクを置いてある家が多い。
この家はバイクはスズキの綺麗なヤツだが、いつもゴミ袋を外に放りだしてある。
ウチの近所だけが住民の市民意識が薄いのである。
 
あと、バス停付近にはタバコの吸殻が多量に捨ててある。
バス待ちの客だけではなく、バスの運転手も時間待ちでは必ず外に出て、タバコを下に捨ててまたお仕事に戻っている。
ザールブリュッケン市内も吸殻が多いのでやはりこの都市の全域の雰囲気がそんなんだろうよ。
 
あっと、バスに乗らす歩いて森と町をぶらぶら帰るとそれなりの、どこかヨソの国の誰もしらない町に住んでいるんだ、とかいうような、ほのかに気分がちょいとハイにもなったのだが。
書いているうちにまたいつもの雑言に(^^;
 
 
 
←ドゥドバイラー鉄道駅前の家。
昔のビストロか?
 
今は古臭いが、それなりの生活の痕跡がこびりついている。
 
どこに行っても、まったく同じ家が並んでいる、という建売日本住宅地一般の光景はないのがさすがにドイツといっておこう。 
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