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[ザールラント通信]

18 近郊探索 イエーガーズフロイデ

2013/08/27
8月22日(木)
大学からいったん宿舎に帰るがまだ7時。
とにかく夜9時までは明るいし、まだ夕食の時間ではない。
ちょいととなり町を探索に行こう。
イェーガーズフロイデ(Jaegersfreude:狩人の愉悦)、なんんとソソられる名ではないか。

ドイツ国鉄の隣の駅なのでドッドバイラー駅までいくが、列車が来る前に駅前にバス125番が来てしまった。
バス125番は大学を通らないので普段は利用しないが、イエーガーズフロイデを抜けてザールブリュッケン市内に通じている。
大学地区を経由せず市内から直行するような路線なので、ドッドバイラーまで早く着くとおもって一度市内からの帰りに利用してみた。
しかし、なんだか狭い通りをぐるぐると回りこみもっと時間がかかってしまった。 
前回は夜だったのでよくわからなかったが、今はまだ夕方。
よく観察すると先ほど通過した同じ町並みを逆走している。

結局、バス路線としては異例だが、鉄道線路を越えたイエーガーズフロイデの山側の町をぐるりと一周し、元の道路まで帰ってくるという路線になっている。
参照した路線図では元の道路ではなく、イエーガーズフロイデ駅近くから国道に出ているように書いてある。
だから多分、道路工事か何かの都合での臨時措置だろう。
 
バスがもう一度線路をくぐり、国道に出たのでバスを降り、歩いて再び町の方へと歩き出す。
バスは同じ道を戻って町から出て行ったが、多分道は丘側を抜けてイエーガーズフロイデ駅に通じているハズである。
さて、どのような光景がみられるのか。
知らない町を歩く愉悦と不安。
この場合の不安は結局駅までは行けず、同じバス通りを戻って帰ってこなければならんのでは、というヤツ。
しかし歩けばいいのだ。
線路のおかげで方向を間違うことはない。
 
鉄道線路裏側の丘の斜面の町。
ひなびた(鄙びた)という形容がふさわしい寒町だった。
「寒村」という表現ならあるが寒町はないか。
しかし、そうしかいいようがない。
これが農家であれば寒村というのだが、住宅地にはちがいないのでやはり町である。
しかし山の傾斜にへばり付いている静かだが坂ばかりで不便な町。
それでも住宅地として人は住んでいる。
フランスに比べドイツの都市は圧倒的に人口密度が高い。
まさか中世ではないが、100年くらい前から殆ど同じ町並みだったのではないか?
美しくはないが、生活の実感はあり、過剰に他人の目に媚びているような観光都市よりはよほど歩いていて落ち着く。
ご近所散歩の気分にふさわしい町である。
 
思った通り、道はイエーガーズフロイデ駅の手前から陸橋で線路を渡り国道のある側に通じていた。

陸橋の上からザールブリュッケン方向を見ると大量の線路が蚊取り線香状にとぐろを巻いている。
ドイツ工業の大血脈だったんだろう。その昔は。
 
丘の斜面側の町から降りると、後は道路沿いにちょいとした店屋・レストランがあり、道路の反対側の斜面にはもう少しリッチな、普通の住宅地が並んでいる。
庭は狭いが、庭にドワーフ(小人)の人形、その他の動物の置物等をどの家も飾っている。
こうまで例外なく庭に置いているというのは何らかの風習だろう。
思い出した、奈良のウチの町内の歯医者の家の玄関に七人の小人風の人形をマネして飾っていたな。

陽も暮れてしまったので、この辺でバスに乗って宿舎に帰ることにする。
実はウチのアパートはドッドバイラー国鉄駅に近く(Bahnhofstrasse)国鉄(DB)で帰った方が便利なのだ。
しかし、列車の接続具合がわからんし、ドッドバイラーやイエーガーズフロイデのような無人駅を素っ飛ばす列車があるかもしれない。
この土曜に市内に買い物に行ったついでに駅で路線図のパンフレットをもらってきた。
地方路線のTurksmuhe行きに乗れば市内からわずか7分でウチの駅に着いてしまう。
バスだと30分以上もかかるのに。
これから列車で帰ることにしよう・・
といってももう書いている時点で残り一週間になってしまっている。
 
生活のノウハウを掴みだしたらもう帰国。一カ月じゃそんなもんか。
  
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