[ザールラント通信] |
22 近郊探索 フォルバック (Forbach)(FR) |
2013/08/30
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8月28日(水)
今日こそ歩いて国境越え、フランスだぞ。
フランスのフォルバック駅ではメッツに行く時列車を乗り換えたが、ちらりと山の上の要塞塔が見えただけだった。
第2週にバスで近くまで行ったが、偶然だったので距離感がつかめず、もう夜だったので次回の課題にした。
もう時間がない、今日は歩いて独仏国境を超えるぞ!
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バス路線の接続があまりなく、待つのも面倒。
大体の目安で同じ方向のバスに乗ったが、結局国境付近を歩き出せたのが5時過ぎ。
やはり、というか国道以外にうまく国境を横切る道が見つからず、工業団地のバス道をうろうろ。
結局、かなり待つことになるが、結局バスで国境近くの停留所まで行くことにした。
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バス路線109の終点"Goldene bremm"(金の・・何?)着。
乗ったバスは123番でここから引き換えし市内の方向に逸れていく。
この引き換えしの方向転換に使用している駐車場のような広場をよく観察すると、すぐに昔の税関跡だとわかってしまう。
← 「あなたは今フランスです」という表示が現在の国境の指標。
↓その後ろにフランスの国標識と、車のロータリー進入優先順位についての注意。
あと、制限速度の変更の注意もあった。
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私は実は独仏国境の専門家でもあるのだ。
「歩いて」独仏国境を何度も超えた人は日本で私以外にそうはいないはずだ。
特にストラスブール・ケール間のライン川の国境越えは私の特技である。
1)昔のヨーロッパ大橋越えの税関あり時代(主として自転車)
2)今年もやったが、市内からそのまま歩いて行って渡った現在の無税関のヨーロッパ大橋
3)10年くらいまえにできたパスレル(歩行者橋)での往復。
もちろん、普通はストラスブール市バスでケールに行くのだが。
ストラスブール・ケール間にはライン川という巨大な国境指標がある。
今回もザルグミュン(FR)へは既にSバーンで往復したのだが、明確な国境指標はなく、いつの間にかフランスの町になっていたという感じ。
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しかし、ここザールブリュッケン−フォルバッハは全く一本の道路が国境で断ち切られていた痕跡が残っていた。
→フランス側から見たドイツ国境。
道路沿いのコンクリートの低い建物(廃棄されている)。これは明らかに旧税関の跡地で、通関窓口の建物だったに違いない。
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←道路脇の駐車場のような空地。
税関検査待ちのトラックが昔は並んでいたはずだ。
メッツに行くのに既に鉄道では国境を越えているのだが、この道路を分断した国境はいかにも劇的な変化である。
もっともザールブリュッケン側は基本的には郊外の森林地帯でわずかにガソリンスタンド・マクドナルド等がちらほら道路上に見えるだけだが。
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しかし、国境をこえるとそこは既にフランス・フォルバックの住宅地である。
看板の文字がフランス語になり、住宅もどこかフランス風。
すぐに大き目のスーパーがあり、一緒にバスを降りた中国系家族がドイツから買い出しに入って行った。
この国境はその意味ではすごい。
まったく同じ道なのに一歩
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またげば独仏越境。
税関がある時代に通過してみたかった。
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しばらくフランスを歩いてみる。
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今ではなにか懐かしいフランスのありふれた住宅地。
子供が遊んでいて、何やら叫んでいるのもフランス語。
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良く見ると向こうからやってきたフォルバックの市バスの行先表示が
”Breme d’or”(金魚かな?)、
ドイツ最終の停留所が
”Goldene bremm"
だった。
結局、同じ停留所じゃないか。
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フォルバック市の市バスは1.1ユーロ。
ザールブリュッケン市バスの2.5ユーロよりは格段にやすい。
しばらくフランス歩きを楽しんだが流石に疲れてきたのでバスで中心街に行くことにする。
I-phone の地図アプリで現在地を見れば後一ブロックでSNCF(フランス国鉄)駅のハズだが、ドイツ側での無駄歩きが祟ってきた。
バスの停留所で時刻・各種情報を確認。
鉄道駅を中心に左右に広がっているだけの簡単な構造の町なので、バス路線の行先も方向さえ逆に乗らなければ必ず駅前を通過するハズである。
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それにいかにも1.1ユーロは安い。
ザールブリュッケン市バスのパスで国境のGoldene bramenまで行け、そこからすぐフランス側のBreme d’or停留所から駅まで行ける。
結局私はたった1.1ユーロでウチからForbach駅まで行けるのだ。
それならもっと頻繁にフランス通いをし、カフェでビールでも飲んで帰っても良かった。
バス自体はザールブリュッケン市バスと同じ仕様のメルセデス・ベンツ製。
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ここで、バス停の料金表を確認していると、ザールブリュッケン市バス・フォルバック市バス共通蛮行の30番が両市の駅前を直結している。
で、フランス側の料金は2.8ユーロ。
たしか、ザールブリュッケンで真面目に切符を買えば5.1ユーロのはず。
ま、別に歩いて国境をこえなくとも、30番に乗ればいいのだが、とにかく、私は歩いて国境を超えたかったのだ(^^;
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←フォルバック駅前通り。
なんとなく花が多くフランスの町風。
何でもない町だけど、どうしても綺麗だと思ってしまう・・ザールブリュッケンから来ると(^^;
まあ、人口も比較にならないし、比較しても意味はないが、距離的には中央駅からウチのドゥドバイラーと同じくらいの都市周辺コミュニテイなのに。
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道路沿いの他は駅前だけに商店街が固まっているようで、コンパクトでわかりやすい町だった。
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←フォルバック駅正面の「フォルバックへようこそ!」看板。
左にデザインされているのが要塞の物見の塔で、やはり町のシンボルらしい。
↓駅の裏側はずっと住宅地が続いていてかなりの人口があるようだ。
すくなくとももう一方の国境の町ザルグミューヌよりは大きいと見える。
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商店街に葬式・結婚式用の飾り一式を扱う店が数軒かたまっている一角があった。
理由は不明。
←ちらりと見える聖堂の門前商売かと思われる。
左角はピアノ商だった。
小さな町だが、この辺りの店舗の洗練ぶりはザー・・の比ではない。
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この大聖堂の塔の屋根の意匠がユニークで、どこか中世の城の塔のようなイメージがある。
この前で写真を撮っていると、ちらりと山の上の要塞の物見の塔のアタマが見える。
まったく見事なチェスのルーク型だな。
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↑聖堂の塔を下の町筋正面から眺める。
左肩に要塞塔が宝永山のように顔を出している。↑
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これで良し。
フォルバックは分かった。
また一時間駅前観光をやっちゃったが、町の構造が簡単なので、今回は見るべきものは見たと思うぞ。
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もう市バス3番線”Breme d’or"行きは最終が出てしまっている。
8時10分駅前発のバス30番に2.8ユーロで乗り、ザールブリュッケン中央駅に直行。
すぐに駅3番ホーム発のTurksmuhe行きに飛び乗り、2駅目がウチのドッドバイラー駅。
なんと9時前に帰宅できた。
フランスのフォルバック駅前からドイツの私のウチまで一時間足らずということだ。
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