[ストラスブール通信シーズン2] |
ノイシュタットの週末(1) |
2013/03/04
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3月1日(金)
朝、荷造りをしてホテルの荷物室(Bagagearie)に入れ、学校に行く。
今週でコースを終了するクラスメート2名。
そのうちの一人、日本人M子サンとは昨日午後のLL教室で隣だったので少し喋った。
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大学から通算6年の仏語学習歴だが、文法・聞き取り・発音は明らかに私の上。
私なんぞ彼女が生まれる前から仏語やってるのに。
勝っているのはクラス内での茶々入れだけか(苦笑)。
今では語学を学びに外国の学校に行くことがいとも手軽にできるようになった。
いや、別に外国に行かなくともインターネットやマルチメディアで生の教材に簡単にアクセスでき、外国語をマスターするのに留学するまでもない。
あくまで本人の努力次第。
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クラスの一大勢力はドイツの学生達で、学部でフランス語を学んだだけだが、地理的条件や母語の系統や文化圏の近さからすれば、日常的には充分な語学力を持っているのは当然と思える。
(←左端、チュービンゲン大のフェリックスが今回の私の喋りの好敵手。
男性が2名だけ、ということもあるが。
隣のエリサはエアフルト大。
私のスマートフォンに残っていたエアフルト大のドリスさんからのE-mail添付写真を見せると、このカフェはよく知ってると。)
逆に言えば、それだけ日本で外国語を習得するということは困難だったのだが。
しかし自然にクラスメートに溶け込み、仲間内でのイニシアチブを取っているようにさえ見える彼女を見ていると、若い世代には古典的な日本人の外国語苦手意識はまったくない時代になったと思わざるを得ない。
学校終えてから宿舎に引き返し、荷物を回収してトラムの駅に行くと、表通りでぱったり別の日本人クラスメートR子サンにあって、少し立ち話。
あ、学外ではもちろん日本語で(^^)
学生よりは少し上の世代で、今をときめく国際機関の職員。
アフリカでの仕事の都合でフランス語を学ぶことにし、フランスに来てまだ一年と!
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は、一年? 何で仏語学習歴30年(!)の私と同級なんだい!と彼女に怒ってもしかたない。
自分を笑え、というもんだ。ははは。
ま、海外旅行気分の私とお仕事というモチベーションの迫力の違いですかね。
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一昨年の夏、フライブルグ大学の夏期講座が終了してから2泊しに行った、シュバルツバルトのノイシュタットにまたやって来た。
この町がボーデン湖に行く車窓から一瞬目に入った時の、聖堂を中心にした絶妙な町のたたずまいが印象的だった。
このシュバルツバルトの山間の町で暮らすというのはどうだろうか?と、チラリと思ったのだ。
もちろん、実際に転居するような現実的な話ではない。夢想である。
しかし、そのような何歳(いくつ)になっても夢想できるタネを与えてくれたということで、ノイシュタットは私の第3か第4くらいの故郷になったのだ。
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実際、あの夏はこの辺りの路線バスで小さな町や村を訪ねて過ごした。
ザンクト・メーゲンの草原で昼寝したりしていたものだ。
牧場の草に
寝ころびて
空にすわれし
ジジイのこころ
(hemiq 2011)
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さて、曇天のアルザスからライン川を越えてシュバルツバルトの麓フライブルグ着。
しかし相変わらずの曇天で、駅のざわめきもくぐもって煩わしい。
チラリと大聖堂が見えるのだが、尖塔は工事中のようだ。
早くいなかに行くにかぎる。
7番線でノイシュタット行き。
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記憶の中ではオルテナウ鉄道のような元民営の郊外電車だったが、れっきとしたドイツ国鉄の2階建車両地方鉄道だった。
しかし、ストラスブール駅で「ノイシュタット」というと別のWissbourg 経由のノイシュタットの切符を渡された。
シュバルツワルトのノイシュタットといっても通じない。
他の駅員に尋ねていたが誰も知らないのだった。
しかたがないのでフライブルグまでの切符を買って乗車した。
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おかげで、フライブルグ駅の自販機で小銭の工面で手間取ったのだが。
駅インフォーメーション内の自販機なら問題なくユーロ札を食ってくれた。
郊外に出、シュワルツバルトに登っていくとさすがに雪景色になる。
天候は相変わらずぱっとしないのだが、まだ都会の曇天より雪景色の方が冬っぽくていい。
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ノイシュタット到着。
駅前の定宿Neustadtiger Hofにチェックイン。
見かけはなかなか風情がある田舎風のホテルで、バルコニーも付いていてシングルにしては広いのだが、小さい天井灯ひとつの部屋は相変わらず暗い。
うん、そうだったな。
それで一昨年も部屋でハイデガーを読むという計画は無くなったのだった。
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今回もこの部屋で宿題をかたずけるということは不可能だな、と自分を安心させる。
しかし、改めて思うのだがヨーロッパの昔風の部屋の照明は極端に暗い。
風情があると言えばいいんだが、荷物を開けても着替えの色も定かではない。
やっぱりもうこのレベルの宿に泊まるには視力が付いていかなくなった。、
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一昨年の宿泊時にシュバルツバルトゲストカードというものをくれた。
そいつで地元のバス路線を乗りまくったのだが、今回もそれをアテにしていた。
なんともお得な宿泊特典だが、今回もう少し詳しく説明してくれ、なんとコレがあればフライブルグはおろか、バーデンバーデンまで行けるというのだ。
半信半疑だったが、後で調べたらそのとおりだった。
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これはシュバルツバルト山系全体の交通各社が加盟していて、バーゼルからカールスルーエまでの幹線・支線やバス路線、それにフライブルグとカールスルーェの市内交通まですべて無料のスーパーカードだったのだ。
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正式にはKONUS SCHWARZWALD Gästekarte.
一昨年はカードの右に表示がある地元のホーホシュバルツバルト内だけ有効だと思っていたのだ。
今回もそのつもりでノイシュタット2泊にしたのだが、バーデンバーデンかフロイデンシュタットに一泊しても良かったなぁ。
交通費はすべて無料なんだから。実際にバーゼルからカールスルーェまでのDB(ドイツ国鉄)料金はホテルの一泊分くらいにはなるだろう。
しかし、こんな特典をつけて集客するくらい、シュバルツバルトはドイツの一大レジャー拠点なのだ。
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特に冬のスキー客。
ノイシュタットは普通の町なのでそうでもないのだが、フライブルグからチチゼーまでの駅は色とりどりのスキー客で溢れていた。
あまりざわざわした町はイヤなのでノイシュタットにしたということもある。
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荷物を置いてホテルを出るともう日没。
では例に拠ってチチゼーで何か食ってこよう。
金曜日夜のチチゼーはそれほど人もいず、閑散としていた。
さすがに湖は夏の方が観光客は多いようだ。
湖は真っ白に凍ってしまっていた。
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以前に食事したサラダバーのあるレストランで食事。
適当に注文したのだが、どうやら前回とまたく同じメニューを取ったようだ。
まあ、いちばん安いやつということだ(笑)。
ところで、レストランのお兄さんのドイツ語がさっぱり聞き取れず、かといって基本的にドイツ語で始めてしまったので、後にも引けず往生した。
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後で思い出したが、ドイツ語学生現役時代の一昨年は最初から英語で通していたのだった。
教訓)
下手にドイツ語ができる振りするな。 後で困るぞ。 (なんとも苦い笑)
フランス語・ドイツ語とも何か困ってしまった日だったなぁ。
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