ノイシュタットの週末(2) ストラスブールも春か?
[ストラスブール通信シーズン2]

ノイシュタットの週末(3)

2013/03/06
3/3(日)
朝、目覚めると何だか外が明るい。
ホテルの一階の朝食室に降りていくと10組くらいのテーブルにカバーがかけられていた。
「今日はビュッフェですよ。」と小男の給仕人が私に言う。
遅い朝食を摂っていて窓から外を見ると完全に晴れ渡っている。
なんと。
本日は午後早々にストラスブールに帰り、今週用に予約したステュディオ(ホテルというかアパートメントというか)で生活の準備をする予定だった。
でも、シュバルツバルト・ゲストカードを使い、午後からでもフロイデンシュタットかバーデンバーデンに往復してもいいか、とも思っていた。
荷物はオッフェンブルグのコインロッカーにでも置いておいて。
しかし、この晴天の碧い空は捨てがたい。
どうしても太陽の下で輝く白銀のシュバルツバルトを見たいもんだ。
時刻表をにらんで時間の配分を考える。
 
ヒンターツァルテン11時19分発のバスに乗り、もう一度ザンクト・マーゲンまで行く。
10分後に来る逆方向バスを捕まえれば時間のロスはないか。
 
・・・周遊は昨日やったので、今日は白銀を見るだけにして。
荷物をバッグに詰め込みホテルをチェックアウト。

10時38分発のフライブルグ行きでヒンターツァルテンで降りる。
コインロッカーがなければ計画の練り直しだが・・
駅舎のホーム側に発見。
首尾よく2ユーロの小型ロッカーに荷物が収まった。 
駅前のバス停でバス待ち。
晴天のあたたかい日曜日ということで、昨日は誰も乗ってなかった観光用馬車も本日は2台つらねて満員の盛況。
 
列車からぞろぞろ細身のスキー、山岳用でない、マウンテン・スキーか?を担いだ人びとが降りてくる。
スキーを担いだ若者と書きたところだが、年齢はまちまち。
どちらかというと年配者の方が多い。
それも年配の女性。
なんとなく皆、この陽気にうきうきとはしゃいでいる感じである。
バス停でぼけーと立って待っていても寒くはなく、新鮮な空気が心地よい。
同じように横で一人で待っていた赤いアノラックのオバさんと目が合ってしまい、にっこりと笑顔の交換。
 
 
「何処まで?」
「ザンクト・メーゲンまで。」
「え?どこ?」
「あ、ザンクト・マーゲン。」
「ああ、何しに行くんですか?」
「写真撮って、いい空気を吸って・・」

同じバス待ちの列。
どちらも一人で待っているのでドイツ語会話は必須。
しかし、私のドイツ語はフライブルグ大学で中級の免状をいただいたとも思えぬたどたどしさ。
しかし、観光地の外国人だからそれでいいのだ。ブロークンなドイツ語が面白可愛いハズ。

「バスに乗ったら左側の席を取りなさい。そちらの方が眺めがいい。」「了解。」
 
昨日、左側に乗ったので今日は別の側にしようと思っているのだが。

まあ乗ってしまってから、オバさんに見つからないように後ろの方に行って右席を確保したらよかろうと考える。
やがてバスが来る。始発なのでほぼ満員。
空いている席を探すフリをして後ろの右側を確保、しようとして後ろを見る。

オバさんは私をぴったりマークしていて、左席を指差している。
そして私が窓際を確保すると、オバさんが隣に来て座る。
 
おかげで道々の観光案内を親しく賜ったのだ。
「あの峰は・・。あの辺にザンクト・マーゲンが見える・・」
でも日本の年寄りとは違い、べらべら一方的に喋るということはない。
それに、このオバさんもスキーを担いで乗っている。
見かけは同世代のようなのに、日曜にはスキーを担いでシュバルツバルトを散策に行くのである。
4年前にフロイデンシュタット近辺の森にサイクリングに行ったとき、深い森の奥から現れて道を教えてくれ、また走って消えていったご婦人を思い出す。
今回は「南シュバルツバルトの冬」の動画を撮影するのが主たる目的だったのだが、ムービ撮影中、丁度いいところで私のつたないドイツ語が入ってしまい、公表するのにしのびないモノになってしまった。
いかにも残念(^^;
 
オバさんはザンクトマーゲン手前の別のスキーサイトに降りた。
 
「ザンクト・マーゲンからザンクト・ペーターまで歩きなさい。
とてもいい眺めですよ。」と私に言い残す。
 
いえいえ、そこまでは(^^;
ザンクトマーゲンで、2年前に昼寝した牧場が雪に覆われているのを確認し、予定どおり逆方向のバスを捕まえ引き返す。

今度は逆側の景観も撮影できたのだが、いかんせん窓が汚れていた。
ま、適当にYouTubeにあげるので適当に参照してください。
 
  
シュバルツバルト上空には常に飛行機が飛んでいる。
太陽の光臨の他に4本の光の筋が見えている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
↓夏、この左手の草場に寝転んで昼寝した。
ヒンターツァルテン駅に帰るとまだお午過ぎ。
 
このまま荷物をおいてやって来たゼーブルグ行きに乗り、湖が白く輝いている
のを確認しに行きかけたのだが、そこまでするか、としばし反省。

もう一度ザンクト・マーゲンまで往復できただけでも上出来だ。
昨夜の荒涼とした冬のシュルクゼー(湖)の光景が記憶に残ればそれで充分じゃないか。
ロッカーから荷物を回収しフライブルグに出る。
そのまま駅舎から出ずオッフェンブルグまで。
検札があり、シュバルツバルトゲストカードを見せると問題なくパス。
やはりバーゼルからカールスルーェまで自由に行けそうだ。
オッフェンブルグでオルテナウ鉄道のストラスブール行きに乗ろうとしたが、指定のホームに人影なし。
 
駅員に尋ねると日曜日は間引き運転で2時間に1本とのこと。
 
駅のパン屋でサンドイッチを買い、駅前のちょっとした広場で食いながら時間待ち。
暖かいので、他にも二組広場の石垣に座ってしゃべっている。
 
シュバルツバルトカードはケール→ストラスブール間は効かないのだが、わざわざ列車を降りて切符を買うのも合理的ではない。
切符を買いたいのはやまやまだが、時間がないので謹んでキセルさせていただきました。


ストラスブールの新しい宿舎にチェックイン。
案の定、スーパーは日曜日は営業していない。
 
ストラスブール駅まで歩いてもしれているので、駅前のアラブ系ファーストフード店に行き「ケバブ」を買って帰る。
 
「ケバブ」は例の羊のアブり肉をパンに詰めてくれる、旅行中の私の主食である。今回の旅行では初めての遭遇。
簡単な店構えにしては「持ち帰り」と言うと、きっちりとアルミフォイルで包装して袋に入れて渡してくれる。
 
宿舎に帰り、一応電子レンジであたため、お皿に移すと結構なボリュームになる。
もしかしたら毎日の主食を一個4ユーロ(480円か)のケバブにした方が自炊するより質・量とも得策なのではないか、と自問したりする。
ノイシュタットの週末(2) blog upload: 2013/3/6(水) 午前 2:07ストラスブールも春か?