[ストラスブール通信シーズン2] |
ストラスブールも春か? |
2013/03/06
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昨日、日曜日から急に天候が回復し、ストラスブールにも明るい日差しが溢れている。
昨夜から宿舎を町中に移したので、天候の回復と時を同じくし、本格的にストラスブールそぞろ歩きのファーズにはいった。
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先週の宿舎は郊外の工業団地内、ハローワークの隣で、いかにも曇天下の冬の生活だった。
ところがどうだろう?
この朝からの陽気は。
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今度の宿舎はいかにもアパートメント風に外の開放廊下に面し、ドアに鍵をかけて出ると、まるでこの街区の住人のような顔になってしまう。
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朝からルンルン♪♪♪
本日からトラムで通学。
ようやく慣れてきたのか、学校でも冗談をいい、茶々を入れているうちうち、あっという間に午前のクラスは終わってしまう。
私の茶々入れの好敵手と見なしたチュービンゲン大のフェリックス君も、この週末にオックスフォード大への入学が決まったそうでルンルンだった。
オックスフォードに行くのにどうしてフランス語やってる?というようなヤボな質問はしないでくれ。
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ヨーロッパのアカデミックなエリートにとって英・独・仏は喋れて当然なのだ。
今週から参加した新入生はドイツ人だが、フランス語圏のリュクサンブルグに住んでいて公務員試験を受けるのにフランス語の研修に来ているんだそう。
それ、ほとんどネイティブじゃないか?
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休み時間に講師が新入生に学内を案内しているのに着いて行き、現在の図書室を教えてもらった。
で、先週私が勝手に自習室として使っていた salle de l'intervenant とは何する部屋と訊ねる。
大体予測してたのだが、実は「講師の控え室」だった。
出入りするのにいちいちお互い挨拶していたのも道理(苦笑)。
しかし、聞いてしまった以上、もうあの部屋は使えないないな。
まあ、いいわ。
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この陽気で学校に居残るなんてことはあり得んよな。
トラムに乗るのはもったいないので(チケットが、じゃないぞ)春めいた陽光に緑が映える町並みを少し歩いて宿舎に帰る。
今、自分はこの上なく自由だという高揚感で、一人ニヤニヤしてしまう。
日本にいても自由だったじゃないか?
しかし、何か同じではない。
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つまり、全く別の場所で全く別の人生をやっているという、現在のしがらみからの自由。
または永遠に学生であること、つまり永遠のモラトリアムの中にいる自由かな。
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うむ春、るんるんと。
たった一週間アルザスの曇天下で過ごしただけなのに、丸一冬過ごした者が感じるのと同じ春の空気の軽さを味わっている。
悪いね!
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本日午後は学校主催のヨーロッパ議会の見学日。
前に一度見学しているが、なんせタダなので参加を申し込んでいる。
ちょいと街歩きしているうちに昼食時間が無くなってしまった。
誰かが13:30現地集合と言ってたので、もうギリギリじゃないか。
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あわててトラムを乗り継いでヨーロッパ議会の中庭にギリギリセーフ。
見回したが、誰も知った顔が見当たらない。
少し待ったが、指定時間を過ぎてもそれらしきグループはいない。
あちゃ、また何か早とちりしたかな?
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ここであわてず騒がず、スマートフォンを取り出し、学校からのメールに記載されている電話番号を呼ぶ。
国番号もそのまま記載されてたので、メールの電話番号をクリックするだけで通じてしまった。
「時間になっても、誰も来ないんですが?」
受付嬢が調べてくれ、集合は14:30になってる、とのこと。
しまった。
自分で時間を確認しとくべきだった。
一度町に引き返し、カフェでクロワッサン(80c)を買って立ち食いし、もう一度トラムに乗る。
今度は大丈夫、2,3クラスメートの姿もある。
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今度はウチの学校の集団で時間を待つが、14:30になってもヨーロッパ議会のガイドは来ない。
どうなってんの?と議会の職員に尋ねる。
・・前回、ここの職員のオッちゃんと時間待ちの間、しばらく喋ったのを思い出した。
しかし、あのオッちゃんではない。
若い職員は「CIELの生徒の見学は16:00からになっている」という。
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先ほど私は学校に時間を確認したばかりじゃないか。
問題発生。
こういうのがフランスだね。
「確認するから、とにかく待ってくれ」というので受付で皆で待つ。
どうやらウチのクラスがこの集団では最上級生のようで、私とクラスメートのR子サンが交渉窓口になってしまう。
30分経過しても進捗なし。
仕方がないので先ほど電話した学校の受付にもう一度電話して事情を話す。
「指定の時間が違うけど?」とか言ってると丁度また議会職員が事務所から出てきたので、直接学校と話してくれと私のスマートフォンを渡す。
ここまでは何となくグループのリーダ格の面目躍如だったが、職員のおニイさんは私のスマートフォンで喋りながら奥の事務所にすっこんでいったのである。
おいおい、それ、国際電話だせ!
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やっと学校と話がついたのだが、5分くらいは私の料金負担で喋られてしまった。
うむ。
私は苦境のヨーロッパ共同体に国際電話料金を請求するよな鬼にはなれない。
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一時間ほど遅れたが、ようやくヨーロッパ議会見学スタート。
赤い制服を着た案内係のガイド嬢。
かわいい♪
前に一度見学したので内容は大体知っていた。
しかし、フランス語の説明を聞き質疑応答するいい訓練である。
「ストラスブールの役割は了解した。しかしブリュッセルは一体何をしてる?」というような質問をする。
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実を言うと、質問より若いガイド嬢に軽いジョークを仕掛ける方が多かったのだが。
イヤがらずによく相手してくれてました。
まあ、学生の気楽さというか。フランスの公的機関職員の鷹揚さというか。
ということで、一時はどうなるかと思ったが今回もヨーロッパ議会でワリと楽しく月曜の午後を過ごせた。
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皆と別れ、一人ヨーロッパ評議会のあるオランジュリー公園の方に散歩し、バスにのって大学前のカフェ・ブラントでこれを書く。
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ああ、いいなぁ。
私の町だよなぁ。
日本にはないのだが、ここでは私の「行きつけ」の喫茶店まであるのだ。
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カフェ・ブラントの横は「母校」、ストラスブール大学。
建物名は「大学宮」(Palais Universitaire)。
学生は「パレユニ」と略して呼ぶ。
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ストラスブール市バスの車内の運行案内。
次の停車場どころか4つ向こうまで表示されている。
大学前の停車場名は:
「Brant Universite」
「ブラント大学」?
このカフェ、よほど儲けて大学を買収したのかい?
「パレユニ」だったハズだがなぁ?
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カフェ・ブラントの正面の運河越しに見るサンルイ教会。
いつの間にか夜用に着替えている。
あっと、前回は工事中だったな。
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本日は買出し日。
町中でいちばん大きいショッピングモール内のスーパーに急ぐ。
野菜売り場に表示してある文言は「貴方のために野菜はレジで計量します。」
時代は変わりましたねぇ。
ヨーロッパのスーパーで、野菜を買うのには自分で秤に乗せ、計量後出てくる値段シールを野菜に張りつけねばならなかった。
もう売り場に秤はない。
便利になったもんだ。
トラムができ、賃貸しのスティューディオ(台所つきワンルームアパート)ができ、学校入学手続きは日本語ででき、スーパーではカゴに入れるだけで買い物ができ、まあ日本のお嬢ちゃんも大挙してくるわなぁ。
あ、もちろん団塊引退ジジイも来てるワケで、どなたが来ても別にかまわないのだが。
今通っている学校は、意外と評判がよく、クラスメートのR子サンはフランスの別の都市からこの学校に通うために転居してきたということになっている。
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それどころか同じくR情報によると、日本における仏語教育オーソリティの日仏学館がこの学校と秘密理に提携するという話も裏で画策されているそうだ。
もちろん中国への牽制もあるのだが。
そうなると、パリオペラ座前や、夏季フライブルグのような光景がストラスブールにも出現することになる。・・・うむ。
実はR子は国際諜報機関の現地(滞欧)エージェントで、密かにこの密約を秘密裏に葬り去る使命を帯び、当地に派遣潜伏しているらしい。
・・・ということは、大陸中国かキタか・・・。
一年で仏語マスターというのもなんとなくうなずけてしまう。
すでに学校のNo1への工作は完了しているようだ。
ストラスブールはそういう国際機関のエージェント達がうようよしているジオストラテジカルなクルーシアルポイントでもあるのだ。
あ、これ以上はもう喋りませんので(^^;
新居にて豪華野菜サラダとベトナム風コロッケを食って早く寝てしまおうっと。
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