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[ヴェトナムで暮すということ] |
ホイアンホテルにて(1) |
2016/4/5(火)4:0 |
2月20日(土) 天候があまり良くない。 寒いというほどではないが、曇りがちで鬱陶しい。 ベトナムならくっきりとした夏の太陽が照り付けておいて欲しい。 陰鬱な冬の日本から逃れてきたハズなのに。 到着最初の2泊だけ予約しておいた広大な庭のあるホイアンホテルもこの天気ではなんとなく冴えない。 ![]() 八時半朝食。 ひととおり揃っているがとりわけうまいものもない。 朝食後部屋で記述と仮眠。 風邪ぎみでやる気がない。 そのままごろごろと昼過ぎまで居ねむってしまう。 夢で珍しく父の気配。 遠い異国のホテルの一室で目覚め、幼児回帰的やるせない悲しみを噛みしめる。 私はこんなところでいったい何をしているのか? ![]() 2時過ぎやっと外出する気になる。 「バインミークイーン」に行くが、まだお腹はすいていない。 そのままGoogle地図で唯一日本語表記になっているハイバーチュン通りに沿って郊外方向に歩く。 ![]() 昨年9月にホイアンを訪れ、この辺りの町場に林立する安ホテル群や町のスパ(マッサージ店)を見た。 初日は安全策をとり、旧知のリゾートホテル・ホイアンホテルを予約していたのだが、今回はそのような地区の安宿に投宿して暮らす予定だった。 歩いて確認するとほんの小規模な裏町風情で、とても中部ベトナムの下町でひっそりと埋もれて暮らす、というほどの混沌があるわけではない。 ![]() 前回はあまり注意して見てなかったのだが、町のいたるところにダナン⇔ホイアンのシャトルバスサービスの看板がある。何もタクシーで苦労することはないようだ。 ![]() 歩いているうちに少々気分回復。 以前自転車で来たアルマニティホテルとサリュートホテルに囲まれた地域(郊外と呼称した)をいろいろ探し歩く。 中学生女子集団とすれ違い「hey!」とエールの交換(^^; ![]() ホイアン・ホテルもそうだったが、町のいたるところに少々ケバケバしい中華風紅色の装飾やポスター、看板が目立つ。 テト休暇の時期は外したつもりだが、「正月」は旧暦の一月中は続いている様相。 HOTELS.COMで値段的に妥当な線一泊2000円級で見当を付けていたサンシャインホテルはなんと昨年一泊だけしたサリュートホテルの裏の建物だった。 あのとき建設中だったやつか? 建物外見は質実なアパートメント風。 それで良かろう。 引越しを明日にするか、明後日に? ![]() 前回にもみた覚えのあるオープンカフェでカウラオとサイゴンビール60vdn。 気分は完全に回復し、ここでFBにヴェトナム第一報をアップする気になる。 ![]() こういうのが「ただ暮らす」ということなのだ。 旧市街縁まで大回りして帰宿。 途中地図を見ながら日本語で疑問符を連発している中年女性二人組に声をかけ、Google地図で現在地を教授。 日本語で話しかけられても、当然という感じで普通に応対してらっしゃった。 ホイアンなら日本人もそのくらい多いということだ。 ![]() ホテル帰着後、風邪ぎみなので暑い風呂に入ってみるが余計変になる。 また落ち込みかけ、外出する気にならない。 天気予報では明日は晴れ、ビーチに行けるとふんで、もう一泊延長することにし、ネットで予約。 7時前レセプションで延泊処理。 またバインミークィーンに行ってみる今度は売り切れらしい。 愛想のいい売り子のおネェさんが「クローズ!」と笑い顔で応える。 ![]() そろそろ夜にはいった旧市街へ。 前回、ヨメと自転車で大回りした地帯や夜まで時間待ちした庭園喫茶。 今回はこの喫茶でビールのみながら半日過ごそうとも思っていた。 ヨメと来た時の回想。 とおい昔の様な気もするが、すぐ近くでもある。 遠くてもすぐ近くに居るのだが、でも実に遠い。 ![]() ホワイトローズ、フライドチキンライスとサイゴンビール90VND。 もう一軒同じような簡易食堂が並んでいて、川に近い方から混んでいる。 明日はそこか。 ![]() 帰りにコーヒーでもと思うが、例によってなかなか同定できない。 ホテルの角までくると土曜日の催し物か、隣の博物館前庭の学芸会風のステージの音楽がまだ騒々しい。 ![]() またハイバーチュン沿いに歩いてみるが、期待する怪しげな感じはない。 ヨメと前回タクシーでサリュートホテルに行った道が一番静かだった。 この雰囲気がベトナムのさりげない街角風で、今回はこの辺りに投宿という気にもなっていた。しかし、この通りに適当なホテルはなし。 歴史的古民家一軒。 ![]() 遅くまで開いている売店でチョコパイ35VND。 ホテルに帰り、表の照明の消えたカフェテリアに座り一人菓子を食う。 ![]() 「私はこんなところで一体何をしているんだろうか?」 嘗て八月の夏季講座終了後、居残って滞在していたドイツのNeustadt-Titiseeで雨に降られ、夜の駅前でそう自問したことがある。 しかしあれは旅人の単なる感傷だった。 今回の自問はもっと根深い。 自分の人生がどうしても完結し切れないという悲しみが基調にある。 もう今の生活を続ける以外に何の可能性も残っていないというのに、それでも完結できていないのだ。 それを考えにこんなところで思いにふけっているのか。 一方では旅に出て、すべてを断ち切りまったく違った人生を新しく始めたいとも。 それもしかし、本当はできそうにない。 「やってやる!」つもりで旅立つのだが。 ![]() どこにも持って行きようもない生きる孤独をもてあまし。 旅に出、旅に裏切られ、旅で知る。 もうどこに行っても同じ。 もうどこにも行きようもない。 私の人生なんてたったこれだけのことだったのか。 |
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