ホイアンホテルで  .. [中部ベトナム無宿 index]  ホイアン妄想 ...

  ホイアン幻想 


’18 2月19日(日)
朝食レストランは9時前には空いてくるはずで、すこし時間をずらしゆっくりと。
朝食後そのまま旧市街散歩。

朝から賑わっている。
そういう意味では観光資源豊富な町。

本日は宿変えでLi Thai To 通りの下宿屋へ。
そうすればまたこの町で生活する気分にもなるだろう。
チェックアウトまでゆっくり部屋で。

ヨメと連絡。事務手続きの件等。
こんなところでゴロゴロしているより日本でやらなければならんことがあったのでは?
今回の目的は旅行・気分転換ではない。
本当は自分へのpretextだった。
どうしてもリセットしなければならんことも。
まあ、そこまで思い詰めなくともいいんだが。

12時前、チェックアウト。
今年は前回より暑いようだ。
それにモチベーションの低下・・・
ホイアンの町に入ってとたんに耳につくバイク・車のクランクション。
当然のことだと思うのだが、やはり国民性が違う。
自転車まで同じように歩行者にベルを鳴らす・・・
イライラしまいとするのだが、イライラしそうになる。

ホイアンに幻想を抱いていたのかも。
ホイアンの下宿でそのまま何食わぬ顔で生活が続けられる・・・
日本がイヤならいつでも他国で暮らせる・・・
とか。

しかし、本当はもうそのような好奇心と忍耐と許容力は残っていないのかも。
現時点で正直に認めねば。
日本でゴロゴロしていた方がよほどマシだったか・・・

前回よくきたオープンカフェで。
涼しいが外は暑苦しい・・・


さて、ここからいよいよ暑苦しいことになった。
1時過ぎ予約したNature Home Stayに。
両側に家が建て込んでいる。
出てきた若者の応対がはかばかしくなく、暑い庭のベンチでまたされ、ようやくネットでの予約を確認できたようだ。

しかし朝食料金は別という。
Hotels.comの予約画面を確認すると朝食無料とある。
しかし、もう他に手はない。
後程サイトに文句をあげることにして朝食料金80VND x 三日分をその場で支払う。

案内された部屋は以前とは違う急増の古部屋。
廊下をしきって居間にしているだけの、殺風景な何もない・・・それならまだいいが、机もない。
窓が隅にしかなく、薄暗い。
読書もできない。
前回の部屋のような自室という生活感がまったく感じられない。

しばらく暗然としていたが、やはり部屋を変えてくれと提案する。
・・追加料金2ドルで成立。

嘗て暮らした部屋だった、と思う。
しかしどこかよそよそしくリニューアルされ、白っぽく明るすぎる。
窓ではなく、全面観音開きガラス扉になっている。
しかも机がない、タンスもなくなっている。
ただ明るいだけで・・・

ここにして疲れきってしまった。
暑さもある。
前回の写真を見ると基本的にはTシャツの上にカッターですごしている。
しかし今回は。
もう何もやる気がでないまま、椅子に持たれて眠ってしまう。

もう帰りたい・・・

しかしまだ旅行は始まったばかりなのだ。
最低の気分でふて寝。
ベトナムの下町に紛れて暮らす・・・・それは幻影だったのか。
「ホイアンの下宿」でいつでも暮らせるのだ、と私はずっと信じていたのだった。

    ---

夕方やっと日が陰り、外に食べに出る気になった。
出掛けに無愛想だった若者に会い、手で合図するとさすがに少し愛想笑いを返す。


路地は健在だった・・・多少生活感がもどりはする。

バーンミークイーンはなくなっていた。


路地でコムガ(チキンライス) 40D。
相変わらずこの場所ではこの屋台が。

しかしあの時、ここですんなりと地元に同化し、そのまま暮らせると思えた不思議な安堵は再現しない。


そのまま旧市街へ・・・・

正月の晴れ着写真を撮る人々や晴れ着の女の子。



しかし、「ホイアンの下宿」に裏切られたという感覚は消えない。

何かもう嘘臭い観光地という印象。
ひとつには中国・韓国旅行客が爆発的に増え、急激にばかさわぎの行楽地になってしまったのもある。
嘘くさい町。
結局、ホイアンは世界にありふれた行楽地とまったく同じ道を歩んでいる。
商業主義から拝金主義へ。
しかし、私がそれをやいやいいうのはお門違いだろう。

ならもういいよ。
もうこちらにくることはない・・・が、私はあとどこで暮らせばいい?

川縁の観光カフェ。
旧市街縁の木陰カフェに行こうと思ったがあそこは遠すぎた。

町中のカフェでは長居は無理か。
味は濃いベトナムコーヒーだったが・・・
もうまったく楽しめていない・・・
ばかばかしくもウソくさい観光地で。
旧市街の路地のありふれたテーブルで適当に焼き鳥を喰う。

ただ食っているだけで、別に楽しんではいない。
世界遺産観光に来てわいわい騒いでいる客に囲まれて。










下の観光レストランの看板に注目。
 ベトナム語
 中国語
 韓国語
日本語はない。



帰りに以前通ったハイバーチュンのSPAに行き、マッサージをしてもらう。
350VDNでまずまず。
もちろんもう見知った子はいない。
隣の「イーピン」のおばちゃんの店は閉まっていた。
ビール飲む気にもならず。
まだ旅行気分にならない?

とんでもない誤解だったか?
私は別に旅行が好きなのではない。
世界のどこに行っても暮らせるのだ、と自分にウソをついていたのか?
本当はもうどこにも行きたくはなかったのではないのか?

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