欧米人の呼称 「みんなでがんばろう」
[日本語・外国語]

負けないようにがんばります

2000/9/22
こども大阪府議会という催しをテレビのローカルニュースで見た。
府下の小学生が府議会場で議会の擬似体験をするというもので、このときの議案で可決されたのは「たこやきを大阪名物として振興しよう」ということである。
終了後の参加小学生のインタビューで一人がこう答えていた。
「他の小学校からのみんなもがんばってるので、ぼくもみんなに負けないようによい意見を出してがんばります。」
うむ。そんなにがんばらなくてもいいと思うがなぁ。

ぼく達は「他のみんなに負けないようにがんばれ」といわれて育ってきた。
「勝て」とはいわれなかった。ただ他のみんなと比べたとき「恥ずかしくないように」がんばるのだ。だから勉強してそこそこの大学に入り、そこそこの会社に勤めてそこそこの生活をする。別に勝ちはしないけど、みんなに負けないようにがんばったのだ。

もちろん勝たなきゃイミがないという人がいて、そういう積極的な姿勢がその人にとって非常にいい結果を生み出している場合も多いと思う。
しかし、「負けないように」というのはそういうことではない。
「負けないように」というのは勝つということではなく、他人と同じレベルでいようという集団帰属意識をいっているように思える。他人に遅れをとらないように、常に同じレベルで生きていこうといっているのだ。

結局ぼく達は自分の生きかたを他人との比較で決めてきたようなのだ。
自分自身を絶えず他人と比較し、「負けないようにがんばって」しまうつらい習性。


 欧米人の呼称 「みんなでがんばろう」