4 渡航準備の仮構性
c) ホテル予約とビッグデーター
メールチェックしているとbooking.comからの広告メールが目につく。
「シャルルドゴール・ロワシー特別オファー格安!」とかなんとか。
8月1日シャルルドゴール夜9時半着予定なので、パリに一泊することになるが、別にパリに行くこともない。
空港近辺のホテルで一泊し、翌朝そのまま鉄道でドイツかストラスブール・・と算段していた。
メール内容を見ると、ヒルトン、メルキュールに混じって予算内のホテルも。
即、その場で予約、朝食付き50ユーロ。
booking.comでは私が一度でも検索すれば、どこを調べたのかの記録が残り、以降定期的にピンポイントの広告メールが入る。 この場合は確かに便利だったが、しかし余計なお世話である。
ネットで一度でも購入してしまうと、私の購入履歴がストックされ、以降その情報が根掘り葉掘り利用しつくされてしまう。
この履歴徹底活用ネット商法で大成功したのがamazonあたり。
アマゾンにアクセスすると、たちどころに以前の購入履歴が参照されて「こんな商品ありますが、いかが?」と勧められる。
最近、図書館で借りた本をコーヒーで汚してしまうケースが2件あり、いずれもamazonで新本を購入し、図書館に交換返却処理をしてもらった。
この2件、ドイツ語文法書と哲学関係だったので、アマゾンに行ってもそれなりの文献を勧められる。
しかし、一度でも「団地妻・真昼のわななき」とか買っちゃうと、以降そんなモンばかり表示され、さぞ暑苦しいことだろう。 (このタイトル、40年前の日活ロマンポルノ風だろ?)
このYahooブログでも目いっぱい広告が表示されてしまうが、以前からの「62歳、妻が喜ぶ」とか「男がビンビン」とか中高年男性一般標準モノに加え、最近格安飛行機便と旅行カバンの広告が急に増えた。
前回、「よろずやマルシェ」(楽天市場)と「キラット」様を実名でけなしたのだが、その記事の横に楽天市場の格安スーツケースと「キラット」様の広告が並んでいたのでばからしくも見事な立体フログ記事になった。
しかし、これはあくまでウチのパソコン上でのハナシで他の方はまた別の広告に付き合わされてるんでしょう。
私が直接アクセスしたのはfinairと楽天のサイトだが、Yahooは経由してなかったハズだ。
しかし、Yahooでは見事に私の購入・検索履歴を収集、インタレストマッチでの広告を表示している。
さては「格安航空券」・「スーツケース」と入力したGoogleが裏でこの情報をYahooに流しているのか?
本人の知らないところ、ウラで私の情報が取引され、売買されているとすれば片腹痛い。
せめて私本人にも、何パーセントかクリックカウントのりべートよこしなさい!
あくまでシラを切るならモスクワのスノードンさんを呼ぶぞ。
d) skype、SNS
せめてスカイプくらい使えるようにしてください、とウチのおヨメちゃんに懇願したところ、なんとかソノ気になってくれた。
以前使っていたハンドヘルドのPCがあまっているので、自宅で2台で試行練習、それから一台貸出し大阪でパブリックネットワークからアクセスしていただきました。
まあ、なんとかこれで海外から無料でヨメと通話できるだろう。
もっとも時差の関係・wifiの設備状況にも拠るので「自由に」とはいかないが。
今年冬のストラスブール滞在ではホテルで早朝、時差つぶしで他にすることもなかったのでFaceBookに書き込んでみた。他にもTweeterのアカウントもあるが、私は常にブログでぶつくさ言ってるので、この類のSNSには興味はなかったのだ。
しかし、スマートフォンで寝ころびながら検索できるFBは、ちょっとしたヒマ潰し用には簡便だし、特に「記事」を書かなくても「今どこにいる」という情報だけでも発信できてしまう。
それはそれで使いようもあるかとも思う。
特に旅行中、ブログはどうしてもバッチ処理で数日の遅れがでるのだが、FBならリアルタイムで写真等アップできる。
今回のザールブリュッケン行でもとりあえずは先ずFBで所在をアップすることになろう。
FBは相互に登録した「友達」同志の発信なので個人情報がやたらと拡散することはない、とは思う。
しかし、最近やたらとFBからのメールが増えた。
ほんの数人の私の「友達」の中に職業音楽家が2名いて、いずれも千名オーダーの「友達」がある。
彼女達がコメントしたり、「いいね!」したりする度に私のタイムラインにその相手の情報が書き込まれる。
写真アップや更新する度に私にメールが来る。
情報の公開範囲やメール連絡受け取りの可否も設定できるので、自分で適度な情報量にコントロールできるのだが、私はそんなに入れ込んでないので設定はデフォルトで放置してある。
FBは昨年だか今年だか株式を公開販売したのだが、前評判ほど値が上がらず一時はFBはもうダメという観測も流れた。いろいろシステムをいじくって現在必死で巻き返しているようで、メールの増発もその一環だろう。
基本的にはクローズな情報であるはずだが、生き残りに必死になればどうなるかわからない。
ブログでは隠してある本名や年齢、学歴・職業なんかもFBのデータベースにはきっちり収まっているのだ。
このFBの膨大な情報もいつか巨大なネット市場に漏れ流れ出すだろう。
ネット市場ならまだいい、ネット犯罪とか公安警察とかテロ組織とかCIAとか・・もうやってますよね>スノードンさん。
私がインターネットで購入したベルリンフィルデジタルコンサートのアクセス権の情報が洩れ、キティちゃんカードが不正使用された件が今年春あった。
悪用されたのはインドのムンバイでだった。
以前は「バーチャル」という形容がされていた世界だったハズのインターネットは今では第二の現実そのものになっている。
それどころか、私の周囲ではすでに以前第一の現実であったハズのこの世が既にバーチャル化し、もうろうとしはじめてさえいる。
そういう私自身も仮構された主体らしいので、もうその不確かで怪しげなこと!
ま、何事が起きようと pas de panique, じたばたするほどのことはない。
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